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全社合宿の設計に込めた想い。その場に湧き出てくるものを、大切に扱うということ。

こんにちは。RELATIONS代表の長谷川です。

今回はパートナーのしゅんさん・ひろちゃんとの対談記事をお届けします。

9月に行った全社合宿で、企画から当日のファシリテーションまでを担当していただいたお二人とともに、合宿全体のテーマ決めの裏側から、場の設計に込めた想い、合宿での気付きまで、運営側として考えていたことや感じたことを語らいました。

▽ 合宿の概要を記載した広報アカウントの記事はこちらからどうぞ。


合宿テーマを、”事業戦略”にした理由

理由1. この1年、「対話疲れ」するまで、とことん対話してきたから

zoomでの対談の様子

長谷川: 2021年にLess is Plus以外の事業を譲渡して以来、RELATIONSでは新たなパーパス探求と組織体制づくりのために、社内で幾度となく対話を重ねてきました。

社員それぞれが目指したい姿は?なぜRELATIONSに所属しているのか?RELATIONSに何を願うのか?

業務で関わりの多いメンバーで話を深めてみたり、ランダムにグループ分けしたメンバーでプレゼンをしたり、全社会議で一人ひとりが発言をする場を設けたり。色々な切り口でやってきました。
そして、2022年に入って出てきたのが、

「なんか対話することに疲れた。」
「たしかに。対話疲れしてるかも。」

という、社員たちから漏れてきた声だったんです。

しゅんさん: その対話疲れって、すごく良い意味で僕は捉えていました。疲れるくらい対話した、向き合い続けたということなので。「そこまで徹底してやった。だから次のフェーズに行けるよね!」っていうサインだと思っていました。

これまでは、会社のパーパス・個人のパーパスという「内に向いた対話」をずっとしてきましたよね。そのなかで丁寧に自身の本音を場に出したり、相手の本音をしっかり受け取ったりという、対話の土台ができあがったのだと思います。

ひろちゃん: その土台が出来上がったからいまだからこそ、外への意識、つまり事業やクライアントさんへのサービスにフォーカスを当てようというテーマ選定が出来たのだと思います。

理由2. 合宿1ヶ月前の全社会議で、前提条件を整えられたから

しゅんさん: 全社合宿の1ヶ月ほど前に行った全社会議(通称:CAMPFI:RE)で、経営数字を公開し、長谷川さんがそれに関して説明する機会がありましたよね。あれは合宿をデザインする上で良い準備になったなと感じています。

長谷川: 確かにそうですね。2021年から、すべての経費申請をslackのオープンな場で統合的意思決定する形に変更したこともあり、ネガティブなことも含め、全体の数字もどこかの機会にまるっと出したほうがいいなと思っていました。

そのため、PLやBSの一部、また業務委託の方々との契約金額、投資金額も含め、「何に、いくらかけているのか?」を明示したんです。あの場で、社員全員が同じ粒度の情報をインストールし、前提が整った感じがしました。

ひろちゃん: 僕はあのときに、RELATIONSの中から湧き出てきた素直な声を、あらためて聴くことが出来た気がしました。

「数字は数字で冷静に理解しているけれども、
投資や業務委託へのお金の使い方については・・・
分かるんだけど・・・でもやっぱりモヤっとする部分は、正直ある。」

合宿をするもっと前から、戦略を明確にしたいという声が社内から徐々に立ち上がってきていることは感じていましたが、あの場で確信を持つことができました。
「よし。数字の話や事業戦略あたりを、メインテーマとして扱って行こうじゃないか!」と。

設計で大切にしたポイント

氷山の下にある想いを見に行くところからスタートする

ひろちゃん: 「事業の話をしたい。」という声を深掘っていくと、その根っこには想いや願いがあるはずなんです。

例えば、経営者が事業の方向性を明示しているはずなのに、社員にはいまいち伝わっていないという状況を思い浮かべてください。

この場合、きちんとロジカルに伝えられていないということよりも、社員が受け止めきれていないという状況に真因があるパターンが多い気がしています。
そういったことが発生したときは、根源的に話し合いたいと思っていることは何なのか?という社員の想いを、きちんと扱う必要があります。

だから、今回の合宿でも、「戦略について話ましょう」と表面的なテーマを突然投げるのはなく、まずは”各人の体験”から見つめてもらおうと思ったんです。

「成功だと思っている体験ってなに?
 それはなぜ?」


「本当はできたはずなのに、
(何かしらの理由で)成し遂げられなくて後悔している業務での経験は?
なぜそう思っているの?」

という問いを投げるところからスタートしたのは、そういった理由からでした。

長谷川: なるほど。たしかに、あれらの問いによって、実際に一人ひとりの想いが場に出てきていたなと感じます。

特に事業に関しては、過去のあらゆる分岐点で「本当はこうしたかった。」「あれが出来ていれば良かった。」という想いはそれぞれが持っているけれど、言葉として出切っていないと感じていました。本音を表出させる良い機会になったと思います。

あえて、「その場に任せる」という余白を残す

長谷川: 今回の合宿は1泊2日でしたが、2日目の終わりまで、きっちりワークの設計をされていたんですか?

しゅんさん: いいえ、2日目のアジェンダは固めていなかったですね。「場に任せる」という要素も大事にしたいと思っていたので。

本当に話したいものが場に湧き出てくる瞬間を、ファシリテーターの我々はじっと観察し続けようというスタンスをとりました。

そのため、1日目のワークの終わりは、あえてきっちり結論づけずに、フワッと終わらせたんです。夜にはバーベキューで火を囲みながら食事をする時間が設けられていたので、ワークでエネルギーが高まっている状態のまま、さらにそこで対話を深めてもらえるような設計にしました。

ひろちゃん: 僕たちも一緒にみなさんとご飯を食べて、お酒を飲みながら、いろんな話をするじゃないですか。そうするとさまざまな声が聞こえてくるんですよね。

「あ、やっぱりここは言い切れていなかったのかな?」
「こういう部分を、議題としてちゃんと扱いたいと思っているんだな。」

というのが見えてきて。
何人もの個人から共通して聞こえてくる声が、イコール、RELATIONSという組織自体がいま望んでいることにつながるので。それを2日目のテーマに置きました。

長谷川: 設計にその余白があったから、なんだかジャズセッションをしているような感覚があったんですね。

社内のロールを担いつつも、外部パートナーという客観的な立場も取れるしゅんさん・ひろちゃんが話し相手だから、利害関係を気にせずに、さらに本音を出しやすかったのかもしれませんね。

実際に行ってみて。合宿での気づき

生の「生命力」を感じる体験が、クライアントへの最大のおみやげ

ひろちゃん: 今回の合宿はクライアント・パートナーの方々にも参加いただき、緊張感はありつつも、仲間感もある、特別な場になっていたなと感じます。

印象に残っているのは、過去のエピソードから対話が広がったときですね。「あのときの対応は不誠実だったんじゃないか?」とか、「自分たちはお客さんを裏切っていたのではないか?」という社内の恥部に近いような話も、クライアントさんがいる場でしていました。あの緊張感は、言葉では伝わらないですよね。

「勇気をもって声を出すって、こういうことなんだ。」
「本音を伝えると空気がこう変わるんだ。」

という生の体験をしてもらうことに大きな意味があったと感じます。

長谷川: 確かに!1つ加えると、クライアントさんがいることで、内輪の話で終わらせたり、逃げたりせずに、正しくそのアジェンダが扱われる感じはありましたね。

しゅんさん: 勇気を出してあげられた声から、どんどん色んな考えが出てきて、クライアントさんの生の声もいただき、対話が深まりましたよね。あのとき、場の全体のエネルギーが循環している感じがありました。

「組織の生命力ってこういうことね!」というのを、クライアントさんも含め、その場の全員が感じていたのではないでしょうか。

世の多くの組織は、不都合な事実には蓋をする方向性に行くんだけど、「実はその蓋を開けてみると、すごく良い循環が生まれてくるよね。」という体験も良いおみやげになった気がしています。

長谷川: そうですね。同じ空気を共有し、暗黙知だったものがグッと体験として内在化された感じがします。

クライアント・パートナー・自社の境界線は、さらに淡くなってきた

しゅんさん: 今回の合宿で、クライアントさんからの本音を伺うことが出来たのは、RELATIONSがつねに「関係性をどう解きほぐすのか」を大切にしながら、試行錯誤してきたからなのだと思いました。

たとえば、コスト最適化のコンサルティングにしても、まずはプロジェクトに関わるクライアント先のメンバーとの信頼関係の構築を活動設計の軸においていますよね。

そういった活動の積み重ねが、自社・クライアント・パートナーなど、あらゆるステークホルダーの方たちとの間にある壁をなくしているんでしょうね。結果、それぞれの立場の境界線が淡くなっていくような、一体感のある雰囲気が生まれるんだなぁと、合宿が終わってあらためて感じました。

長谷川: クライアントさんとRELAITONSの境界線や、パートナーさんとRELATIONSとの境界線もだんだん薄くなっている感覚はありますね。  

ひろちゃん: まだ成長段階ではあるけれど、やっぱりRELATIONS社内の関係性が解きほぐされてきて、それによってコミュニケーションの取り方が変化してきていることの影響が大きかったんだと思います。

長谷川: RELATIONS側が基本すべて包み隠さずに情報も感情も開示しているからなのか、「オープンにつながるという発想」が場の根底に流れているのを感じました。閉じていない感覚があったというか。
「そもそもお互いに影響を受け合うことを前提にしている」というスタンスを参加者全員が持っていたことで、それぞれの本音を出し合うことが出来たのかもしれませんね。

今後の合宿、どう進化する?

その場に合わせて、役割がもっと流動的になっていく

長谷川: 今後、RELATIONSの合宿はどう展開していくのが良いでしょうね。

ひろちゃん:
 RELATIONSが組織としてのフェーズを進めていくと同時に、そろそろ僕らパートナーの関わり方もちょっと変化するタイミングが来るかもしれない。そんなふうに感じています。

例えば、今回担当させていただいたようなファシリテーターや、場のデザインのスキルなどは、徐々にRELATIONSメンバー自身ができるようになっていくと思うんです。クライアント案件をRELATIONSメンバーと一緒に進めるなかで、みなさん徐々に経験を積んできているので。

そうなると今度は、RELATIONSのメンバーがファシリテーターとなり、僕たちは完全に”参加者の立場”として合宿を体験させていただく、という場面も出てくるのだと思います。
あとは、メインビジネスのコスト最適化コンサルティングでも、役割を何か担ってみる、という選択も考えられますよね。

コロコロと役割が変化していくシーンが多くなっていく。そんなイメージが漠然とありますね。

長谷川: 役割を固定せず、場に応じて変わっていくのも良いですよね。

RELATIONSも、ステークホルダーもどんどん成長速度が早くなる

しゅんさん: 僕が印象に残っているのは、合宿中にクライアントさんからいただいた言葉です。

「いや〜、RELATIONSさんはずっと進化してますよね。2年前といまでも全然違いますもんね!」

目の前でRELATIONSが進化する様子を見ているから、だからクライアントさんも、「我々も進化することができるんじゃないか?」というポジティブなエネルギーをもらえるのだと思います。
これからもRELATIONSは常に進化していくんでしょうね。

長谷川: 進化するということは常に大事にしているかもしれませんね。でも大体、計画どおりではないです。(笑)

周りの影響を色々と受けながら、いや、受けざるを得ないので、それによって結果的に、自然に変わっていくという感じもしています。

しゅんさん: たしかに。逆に外部の影響を受けないようにしてしまうと、そこで進化も止まってしまいそうですものね。

長谷川: そうですね、進化しつづけたいと思います。

組織として停滞していた時期もありましたが、ここまで一緒にRELATIONSの進化に伴走していただき感謝しています。

これからもよろしくお願いします。ありがとうございました!


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