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手に職が欲しくて手に入れた職②

焙煎士としてコーヒー豆屋を営む一児の母
おぎのあおいです。
こんにちは。

前の記事では、焙煎士という仕事を選ぶまでを書きましたが、今回は実際に独立して開業した現在と、これからのことについて。


3.焙煎士として働くことと家事育児の両立

3-1.開業、そして結婚を前に変わった価値観

前回の記事にも書いた通り、焙煎士として仕事を始めた当時はお店で働きながら修行の身でありました。

多い時には10時〜18時までの就業時間のほとんどをスタッフ2〜3人で4台の焙煎機をフル稼働させて豆を焼き続けるような時もあり、文字通り修行レベル。おかげで今の焙煎技術の基盤を作らせてもらいました。

少しずつ仕事の中で自信のついてきた2019年、令和に年号が変わるタイミングでオンライン上のみでのコーヒー豆の販売をスタートしました。
最初なので知り合いからのオーダーを細々と受けている状態でしたが、オンラインということもあり、少しずつ関西圏以外からのオーダーもいただけるようになり、卸先様とのお取引もスタートしていきました。

お店に勤め始めて3年半が過ぎた2020年に転機が。当時お付き合いしていた方(現在の夫)と同棲することとなり、京都へ引っ越しが決定。
仕事を変えるつもりはなかったのですが、大阪からの引っ越しに伴って、通勤時間が約倍になることに。

こうなると、環境の変化に対する私自身の変化も増えました。

年中に結婚することも決まり、京都から移動することはほぼなくなった

仕事が終わって帰宅する時間が遅くなる

そこからの晩御飯の準備などの家事の負担が圧倒的に増える

それが元になって私の疲れとイライラが増える

これは良くない循環に陥るぞ、と思っているとその通りに。
「私の方が遠い場所に通って仕事してるのに、なんで晩御飯も作らないとあかんし、掃除も全部やらなあかんの?おかしい!」
と、彼へのイライラが募り、怒りが爆発して一方的に当たり散らす。
彼が怒らない人なのでありがたいことにケンカに発展することはありませんでしたが、やはりとてもフラストレーションが溜まる結果に。

結果として、やはり家から遠いということが最大のネックとなりました。
さらに、当時ダブルワークをしていた大阪市内の飲食店もパンデミックの煽りを受けて年明けに閉店することとなり、今後の生活を変えざるを得ない状況に。

結婚が決まったことにより、今まで自分の中にあった常識や、将来に対する考え方というものが全く別のものになりました。

・働くことは好きだけど、夫・家庭を支える存在になりたい。
・子供を授かりたい。
・やっと手に入れた焙煎士という仕事を一生の仕事にしたい。

自分中心で自分のことだけ考えていればよかった時とは違い、結婚が決まったことによってならざるを得なかった部分と、自分がそうしたい部分。

自信の変化に戸惑う部分もありつつでしたが、私の中で腑に落ちるというか、しっくりくるというか。そして結婚を機にコーヒー店を退職し、コーヒー豆屋として・焙煎士としての独立を選びました。

3-2.妻になり母になってから

2021年に入ってすぐに閉店が決まっていた飲食店が閉まり、今まで掛け持ちをして働きまくっていた生活が嘘のように落ち着きました。
オンライン販売はずっと継続していたものの、それ一本で家計を支えられる程の収入には至っておらず、ほぼ無職状態に。家計のためにやはり働きに出ることにしました。

独身時代の仕事の選び方は、"楽しいと思えるやったことのない仕事"でしたが、これだと結局フラストレーションがたまる結果になるのが目に見えていたので、扶養に入って働くことにしました。

その後、ご縁があって京都のヴィーガンカフェで働かせていただくことになり、家庭の時間と仕事の時間をしっかりと分けつつ、自分の負担を減らす【心身ともに】健康的な生活を目指して、パートタイムで働きながら、焙煎業も続け、家事もこなす生活を送るようになりました。

2022年に妊娠が分かり、安定期に入るまではつわりで苦しみながら働くことに。この時期は仕事に出るのも辛く、家での焙煎業の仕事中も横になって休憩しながらの状況で、正直毎日が辛くてしんどい毎日でしたが、安定期に入ってからはつわりが嘘のように消えたおかげで、前のように働けることと食べられる喜びで毎日が楽しくて仕方なかった覚えがあります。

妊娠9か月を迎えたころから、パートをお休みさせていただきましたが、焙煎業は家でできるということもあり、できるだけギリギリまで続けることができました。

2022年11月に無事に男の子を出産。それからしばらくはお休みをいただきましたが、12月中旬から卸先様用の受注も再開し、オンラインも種類を減らして再スタート。

出産によって体はボロボロの状態で、初めての育児ということもあって寝不足や精神的にも不安定になることも多々ありましたが、家で仕事ができるというありがたさを感じる日々でした。

その後、息子を抱っこしながらワークショップや出店をさせていただいており、育児と仕事の両立に奮闘中。

息子の成長を一瞬たりとも逃さずに見守ることのできる幸せ。
自分の好きな仕事を続けられる幸せ。

妻になり、母になり、環境の変化は目まぐるしかったですが、結果として現在は私が求めていた生活を送ることができています。

4.今後目指すもの

4-1.体験の場を作る

コーヒー業界に関わる1人としてコーヒーの美味しさだけじゃなく、面白さ・奥深さを伝えるための体験する場をたくさん作りたい。
そのための手段の一つとしてワークショップの開催をもっと増やしたいと考えています。

現在、
・オリジナルブレンドを作るWS
・スイーツとコーヒーのペアリングWS
を京都・大阪で開催しています。

今後、場所と設備が整えば手網焙煎を開催したいし、異業種とのコラボなども考えたいと思っています。

4-2.オンラインから実店舗へ

オンラインの良いところは、日本全国からオーダーをいただけるところ。私を知らない方にコーヒーを飲んでいただけること。

ただ、直接お客様とお話できる機会が圧倒的に少ないことが店主としてとても寂しく感じることが増えてきました。

出店の時に、お客様の好みの味などを聞いて豆のおすすめをしたり淹れ方を変えてみたり。
それを飲んでくださった方が、美味しい!と言ってくださった時の嬉しさ。

そして、「実店舗はないんですか?」と聞かれた時に「ないんですよー、、、」と伝える寂しさ。
また飲みたいと思ってくださったのに、とても悔しいんですよね。

"ここに行けばハースのコーヒーが飲める場所"

これを作ることを目標にしています。



長々とコーヒー業界への一歩から現在に至るまでを書かせていただきました。

このnoteを通して、私という人間とH-EART-H coffee roasterというお店について少しずつお伝えしていきたいと思います。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

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