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【エッセイ#1】時間が経てば色褪せるものたちへ

 ふと昔書いたブログを読み返してみると300個くらいの記事があり、その時その時の考え方が意外と大人びていて驚いたのでちょっと紹介。

 下記は、その中で一番気に入ってるエッセイ。
2年前に「手紙」について書いた記事の一部である(稚拙な文は書き換えている。)

2020年3月14日
 手紙とは、「」からもらうもの。
 その時の相手の感情や考えが溶け込んでいて大好きだ。

 毎年誕生日に手紙をもらうのだが、この前掃除してて大量の手紙を発掘した。
 ここ近年はアラサーになるね!なったね!という話ばかりで、歳を重ねることに敏感な様子が伺えて面白い。
 一番多く手紙を交えた高校の友達とは、出会って10年。この10年を記念する手紙には、二人の青春が書かれていた。1年の初日に隣の席同士で出会い、3年生までずっと一緒に帰ってたな、そいえば。放課後はリプトンを片手に目的なく渋谷を歩き、語り合った日々。何について熱心に話し合っていたかはもう覚えていないが、その日々はひたすら楽しかった。
 大学でもガイダンスで隣になった友達とずっと仲良く、いつも勉強に苦しむお互いを励まし合った様子が手紙に残されている。
 アルバイトで一緒に苦労した先輩からの手紙には、「いつもタフにこなしてたひょんさん」と書かれていて一瞬にして当時の大変だった記憶がフラッシュバックした。 今となっては働く力を付けられたいい思い出だ。
 恋文には、「ずっと一緒だよ」と書かれていて、未来というものの不透明さに少し寂しくもなった。
 でも、どれも大切な宝物だ。

 人生100年と考えて短いとしても、とても濃かった A decade(10年)だったな。
 手紙を久しぶりに読んで、これからもっとたくさん手紙を書こうと思う。やはりしっかり頭で記憶していると言っても、時間が経つと色褪せてしまうよね。
 若いうちって、きっと体力もあって人生で一番キラキラしてる時。相手との思い出をたくさん書き記して、年を重ねてからも読み返してほしいの。
 中年になってたまたま見つけた手紙から、若い自分のことを思い出すの、素敵じゃない?


 この記事をきっかけに手紙を読み返してると、様々な想いがそれぞれの手書きの言葉に詰まっていた。
 〇〇ちゃんはこんな可愛い字してたよねぇ、△△は昔からユーモアあふれる文が書けるよなぁ・・・。コロナになってからは、毎年「来年は必ず海外行こうね!」と書かれているが実現せず悲しい。

 大学時代にもらった手紙には、わたしが周りの人にとってどんな人だったかが書かれていた。
 
社会人になってから仕事の評価に集中しすぎたあまり、つい先日「自分って何者?」とぽかーんと心に穴が空いた。しかし、手紙から人のために頑張れる自分は昔から変わらないんだなぁと過去の自分を知ることができ、更には今の自分を慰められた。
 忙しく生きてるといつのまにか忘れてしまうのよ、自分のことも、好きなものも。

どんな言葉を残し、どんな考えを書き記すか。

 言葉ってビュッフェのように自分で選べて、わたしは文字を書くことが好きだ。
 
 これからもたくさん残してこう。
 そして、書く楽しみをしっかり味わおう。


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