馬鹿な先輩のこと　ふと思い出した。

中学の頃　僕は卓球部だったんだが1個上の先輩で飛びぬけて卓球が上手い先輩がいて、顧問に特別目をかけられるエースの先輩がいた。多分その先輩も自分が特別扱いされてることを自覚してるらしく人一倍真面目に部活に励み、僕ら後輩に対しても頼れる先輩のように接してきた。
そんなある日　同じ部活仲間のＡが練習中ふざけていたのがその先輩に見つかると先輩はギラついた目で「一緒にやろうよ」と半ば無理矢理卓球台に誘いＡに向かって本気のスマッシュを連発し「全然取れてねーじゃねーか！」などと厳しくしごいているのを遠巻きに見ていて（うわ～こいつ嫌な奴だな～）とちょっと引いてしまった。しかも他の先輩が言うには、こいつは卓球以外まるでダメでめっちゃ頭悪いらしくそれも相まってなんか一瞬でも自分がこの先輩の事を卓球が上手くてかっこいいと思わされたことに対して腹が立っていた。それと結局人間って弱者の立場だった奴が強者に変わると同じように弱者を馬鹿にしたりいじめたりするんだなとその先輩の姿を見て中学の頃の僕は、人間というのを少し分かったような気がしていた。