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ばあさん意外に元気みたい。

子供の頃 餅投げと呼ばれる行事によく言った。餅投げと言うのは新居祝いに家主の家族や大工が高い場所から餅や小銭やお菓子なんかを投げてくれる、子供にとってはとてもありがたいイベントだった。僕は餅投げが大好きだったから近所の友達とよくビニール袋を持って、今日こそはでかい餅を取ってやるぞと意気込んで参加していた。だいたい餅投げが始まると最初に大きい餅を投げてから普通の大きさの紅白の丸餅や小銭やお菓子なんかを投げていくから最初が肝心だと思い、早めに行っては場所選びに真剣に悩んでドキドキしながら待っていた記憶がある。でも結局一度も大きい餅を取れたことはなかったし、「今日は沢山取れたな~」と満足した日もなかったような気がする。そしてやたら餅投げの時だけ近所のばあさんが俊敏に手を動かして根こそぎ餅やお菓子を取っていくようなそんな感覚があった。そしたら小学校の頃 絵と俳句を組み合わせた作品を作る授業みたいなのがあって誰かが「ばあさんが マッハに動く 餅投げだ」という作品を作っていてそれを見た時、思わず友達と笑ったような記憶がなんとなく残っている。今思えばあれがもしかしたら僕が初めて体験したあるあるネタだったのかもしれない。そんなことを最近パチンコを打っているとき、隣に座っていた80歳くらいの歩くのもしんどそうなヨボヨボのおばあさんが、リーチがかかるたびに台に強烈な掌底を何度も「ドンッ!!ドンッ!!」と喰らわしてるのを見て思い出した。


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