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パーソナライズ化されたCRMを実現するための3つのステップ

メルカリUSのCRMはここ数年でエンジニアリングの力で大きく進化しました。

全てのお客様に共通のメッセージを送るCRMから、Brazeというカスタマーエンゲージメントプラットフォームを活用し、まずは属性データと行動データに基づいたCRMを強化してきました。

現在は、顧客セグメントごとに最適化されたプロモーション、機械学習を活用したレコメンデーション、離脱予測に基づいたクーポン、開封率の予測に基づいたメッセージ頻度の最適化など、よりパーソナライズ化されたCRMに力を入れています。

今日はどういう歴史をたどってきたのか、簡単に振り返っていこうと思います。

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まずはデータを統合するところから始まる

資料を見直していて、すべてはここから始まったというスライドを見つけました。チームOKRをプレゼンした際のスライドなのですが、ここですべてのデータを統合したCRM基盤を作るという意思決定が、今に大変生きています。

デジタルマーケからCRMに異動した際は、苦労した点が以下でした。

1, CRMデータがバラバラであったり欠陥があったりで「誰に、何をどれくらい送っていて、開封率、コンバージョンはどうなのか」といったシンプルな分析をするが大変。
2, プッシュやEmailのABテスト1個するのもリリースが必要で工数と時間がかかる

まずはそれらを解決すべく、すべてのコミュニケーションをBrazeに統合し、そこからデータをBigQueryに送りデータの一元化をすること、重要な属性データ・イベントをすべてBrazeに送ることでセグメントを自由度高く作成できるようにすること、ABテストをマーケターだけで簡単にできる環境にすることを行ないました。

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お客様のアクションをトリガーとしたCRM

属性データと行動データをBrazeに統合して次にやったのは、以下のようなジャーニーマップを作り、オンボーディング、アクティベーション、リテンションの主要イベントをトリガーにしたプログラムをどんどんテストしていきました。

特に数字が動いたのは、新規のお客様に対して行ったよりアッパーファネルのイベント(SearchとかViewとか)をトリガーにしたプログラムです。

オンボーディング時に特に頭に入れておくポイントは、登録後のSearch > View > Save search > Likeなどのファネルを見て、どのイベントをトリガーで送るのが、リーチ率高くかつお客様の行動に基づいたコミュニケーション出来るかを考慮に入れることだと思います。

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よりパーソナライズ化されたCRMへ

様々なライフサイクルにいるお客様1人1人に合わせて、最適なタイミングと頻度で、最適なコンテンツを送り、カスタマーエンゲージメントを最大化することがゴールなので、オンボーディングからプロモーションまでどうすればパーソナライズ出来るかを今は考えています。

BrazeにはユーザIDごとにあらゆる属性データをもたせることができ、またConnected Contentという機能を使ってあらゆるAPIにアクセスし、レスポンスをプッシュやEmailに挿入することが出来るので、自由度高くパーソナライズ化されたCRMを実現することが可能です。

例えば、出品のレコメンデーションAPIを開発し、それをBrazeからアクセスし取得し、お客様1人1人にパーソナライズされたカテゴリーやブランドの出品をレコメンドする。

例えば、同じプログラムでも反応率はお客様によって異なるので、開封率などのデータを元に機械学習でグルーピングし、その属性データをBrazeに送り、そのプログラムを送る頻度を変える。

例えば、離脱予測のモデルを作り、購買確率の低いと予測されたお客様にだけにクーポンを配付する。下記は昨年のGoogle Cloud Nextで登壇した際の資料。

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次回はBrazeで何が出来るのか事例を散りばめながら、深掘っていこうかなと思います。そうすることで、どうやってパーソナライズ化されたCRMを実現しているのかイメージもつきやすいと思うので。

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