ブルボン・プチの日とガチョウの猛攻
ブルボン社のお菓子はどれもどこか懐かしく、幼い日々を思い出させるものが多い。その中でも、プチはお出かけとセットになっている。家でバームロールやルマンドを茶箪笥から出してこそこそと食べたあの頃、母とのお出かけはプチがお供をしていた。
もうここ数年は、間食を殆どしない生活のせいでお菓子を食べる機会がめっきり減っている。プチシリーズは甘い物からしょっぱいものまでよりどりみどり、私はこの中でも特にえび満月が好きだ。大人になってもお酒のアテになる味わいと、プチならではの手軽さが良い。
幼い頃に母とよく南湖公園に出かけた。南湖公園とは、日本最古の人口湖と呼ばれる福島県白河市にある湖で、桜の名所でもある。私はそこで羽を休める鴨を見たり、鴨におやつを分けたり、松ぼっくりを拾ったりして遊んだ。鴨はこちらに危害を加えてはこないので、近くで幼い子供が遊んでいても安心だ。幼い私や弟を連れて遊ぶのにちょうど良かったのだろう、いつも母と出かけるのはこの公園か、近くのフラワーワールドが定番だった。
鴨に対してガチョウは非常に危険で、走り寄ってきた一羽を母が「可愛い」と言った瞬間、それはくわっとくちばしを開いて母の膝をつつき、スカートをかじり、私たちは逃げまどい大惨事になった。あれは、今思い出しても笑ってしまう。ホームビデオを撮っていれば、お茶の間に披露できたかもしれない。
ふふ、と思わず声をだして笑ってしまうような出来事とともにあるお菓子というのは、これからも大切にしたいものだ。
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