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CRCupがApexにもたらしたこと

2020年8月下旬に第1回のCRカップが開催されてから2年強。

2023年1月21日(土)
第10回目のCR Cup Apex Legendsが開催されました。

Crazy Raccoon Cup公式Twitterより

もう2年も経ったのかというのと、これで終わるんだという寂しさもありながら…

そうなんです。

今大会でCRカップApexLegendsは最後です。

【CR Cupがもたらした功績】

今更ですが、”CR Cup”はプロゲーミングチームCrazy Raccoon(以下CR)が主催するゲームの大会です。

CR所属のプロゲーマー、ストリーマーはもちろん、その他多くのストリーマーが参加しています。

今ではVALORANT、Overwatchなど様々なタイトルで開催されていますが、ApexLegendsが最初に開催されたタイトルであり、一番多く開催されているタイトルでもあります。

■APEX LEGENDSの人気を牽引

先日Apexはようやくカスタム権限が解放され、誰でも大会・カスタムマッチを開催できるようになりましたが、CR cupはその先駆けであり、代表的なコミュニティ大会のひとつ。

ApexLegendsがリリースされて4年が経とうとしていますが、今も尚、人気・実績ともにこの大会を越える大会はありません。

CR Cupがスタートした2020年はAPEXの人気そのものが高かったですが、その人気に拍車をかけたのがCR Cupでした。

参加者配信の同接(視聴者数)の数、Twitterのトレンド、これをきっかけにApexを知った人もたくさんいたでしょう。

また、ゲーム配信文化にも大きな影響をもたらします。

2020年10月15日 配信技研NEWSより

配信技研さんが出した2020年9月の配信時間なんですが、70,731時間です。CRカップが開催される前、2020年7月に比べおよそ10,000時間ほど配信時間が増えています。その後、Apexの配信はピーク時、90,000時間ほどまで増えました。

この時期はゲームが配信がApex一色。CR Cupに影響を受けて配信を始めた方も多くいらっしゃったのではないでしょうか。

既に配信でも人気のあったApexですが、CR Cupによってゲーム配信者の憧れの舞台目標ができたのも大きかったと思います。

当初、参加資格が『SNSのフォロワー30,000人以上』という決まりになっており、チームリーダーの方がTwitterで募集をしている様子も見受けられましたが、

その後、CR Cupにはアイドルの方や女優の方など、ゲームをしていない人でもわかるような方々も参加するようになり、SNSの数字だけが参加資格ではなくなりました。

CR Cupは日本でのApex人気を押し上げ、そして不動のものにした

この大会の存在がApexの人気を支えたといっても過言ではありません。

■コミュニティ大会としてのお手本

CR Cupは大きな大会で主催がCRということもあり、完成された大会であることは間違いないんですが、初めから上手くいっていたわけではありません。

チーム編成にポイント制を用いて、各チームのバランスを取るようなルールを設けたり、初動でチーム同士がバッティングしないようにランドマークを決めたりと今では様々な大会で用いられるルールを導入しました。

もちろん既にそのようなルールはその他の大きな大会でも用いられていましたが、それでも上手くいかない回もありました。

主催者判断で各選手のポイントを決めたり、使用キャラの制限をかけたりと、回を重ねるごとにファンが納得できる形を模索していったこと、その姿勢がとても素晴らしかったと思います。最初の頃はチーム編成において批判があったりしましたよね。

あとはビジュアル面もそうです。かっこいいオープニング、リザルト画面、テーマソングなんかもありました。

とにかくこの大会を観て、自分も大会を開いてみたいと思った方もいるでしょう。僕もそうでした。

CR Cupの特徴の一つにチーム毎のストーリーがあるという点が挙げられます。

スクリム(練習試合)を行う期間を設けることで、チームが出来上がっていく様子をファンと共有できるようになっています。

そして、優勝チームだけでなく、記憶に残ったチームや名場面をしっかり表彰するというのもすごく良かった。

コミュニティ大会は勝敗だけでなく、ゲームで本気になれる熱くなれる、身近にeスポーツを体感できる場ということを教えてもらいました。

この体験が僕が後にカスタムマッチ、大会を開く動機の一つになりました。

自身の大会を経て感じたことはその後noteに残しているので興味のある方は是非。

■Vtuberという存在

もう一つ。これは個人的な話になりますが、この大会がきっかけでVtuberの存在を受け入れられたということ。

僕がFPSゲームを本格的にプレイするようになったのが2019年、当時はApexが上手くなりたいという理由で色々なゲーム配信を見ていました。

当時、とにかく色々な配信を見ていましたが、最初はVtuberという存在そのものが受け入れられなかった。

というより知らなかったというのが正しいかもしれないですが、CR Cupで初めてVtuberの方々の配信を目にして、とにかく面白かったのとかっこよかった。

当時、Vtuberの配信をテレビで観ている僕に奥さんはちょっと怪訝な顔をしていましたが、それも時間の問題でした。

CR Cupで本気になっているVtuberの方々を観て、偏見もなくなったし、奥さんも最後は笑ってました。

■CRcupがAPEXにもたらしたこと

一方でCR Cupの存在がApexというゲームを特殊な存在に導いたということも言えます。

Apexにも競技シーンがあり、海外プロは人気があります。一方国内のプロチームはAPEXの競技シーンから離れていくチームもあり、中々eスポーツとしては厳しいタイトルになってしまっていました。

CR Cupもそうですが、Apexはストリーマーが中心だった。それが悪いわけではありません。Apexが必ずしもeスポーツである必要はないですし、無料のゲームがこれだけ盛り上がり、続いていくにはむしろこの形が必要だったとも思います。

しかし、ストリーマーの人気に依存しすぎていたのは間違いなく、ここ最近のAPEXにはかつての元気はありません。唯一無二の大会であったCRCupがなくなり、これからますます寂しくなっていくのは明白です。

CRCupの存在により、公式戦と変わらない、むしろそれ以上の盛り上がりがあったのは間違いありません。

CRCupが終わってしまう理由はいくつか考えられますが、一つは主役である演者がApexから離れてしまったこと。大会の為だけにApexをプレイして、大会が終わればプレイしなくなる。そんな状態がしばらく続いていました。

CRCupは大会期間中だけではなく、それ以外の時間の演者の努力が大きなポイントで演者の成長を視聴者が感じられるのが大きな魅力です。

有名な人を集めて行われる大会では視聴者は満足できない。それはこれまでの大会を観ればよくわかります。

しかし、ApexそしてCRCupのおかげでゲーム配信とeスポーツを結んだとも言えるでしょう。

CRCupを観て、Apexをプレイするようになった、競技シーンを観るようになった、他のeスポーツに興味を持った。

こんな人は少なくないはずです。

他のeスポーツ、競技シーンがあるタイトルと違い、プロりよストリーマーが重宝され、有名になった。

Apexが他のタイトルとは少し異なった流行り方をしたのもCRCupの影響は大きかったのではないでしょうか。

【さいごに】

CRCup×ApexLegendsが一旦の終焉を迎えました。

僕がゲームにハマり、eスポーツにハマり、そして記事を書くきっかけにもなった大会。

感謝と懐かしさから久々に記事を書きました。Apexというゲームの歴史に残る大会だったのは間違いありません。

今大会の最後には春にCR主催の大きなイベントが告知されていたので、これで終わりではないかもしれません。

この流れは今のトレンドですね。

Apexが以前ほど勢いがなくなってきている今、視聴者向けのオンライン大会の価値というのはさほど高くありません。

これについてはまた別の機会に書きたいと思います。

CRCup終わってしまったんですね。

寂しいです。

HYS

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