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リスク管理の秘訣①

こんにちは、HEYBITです。

以前の記事までの連載をお読みいただくと
どう投資すべきかについて学ぶことができます。

ここで一回復習してみましょう。

私たちは自分の頭脳を使うと
逆に痛い目にあってしまうため、
感情に左右されないクオンツ投資が
投資に有効であること。

なぜ、トレンドをフォローしなければならないのか、
どうやって上げ相場と下げ相場を区分するのか
を学びました。

具体的な戦略に入る前に、
最後の関門が残っています。
「リスク・マネージメント」です。

残念ながら多くの投資家は、
これ以上、取り返しのつかない状況になるまで、
リスク管理の重要性に気づきません。

投資に成功する人は様々ですが、
失敗する人には共通点があります。

リスク管理に失敗したのです。

成功する投資に必要なのは、
投資心理が50%、
リスク管理が40%、
投資戦略が10%だと
強調したことがあります。

リスク・マネージメントで
達成するべき目標は何でしょうか?

ここで詳しく説明します。


いかなる場合にもMDD 20%を超えてはならない

MDDは、
特定の区間内で
資産が最も高かった時に対する
最も大きく下落した時の下落率を表す
指標最大の損失です。

例えば、日経平均株価に投資した投資家は
1996年から2003年まで7年間、
日経が64%暴落したことを経験しました。
つまり、日経のMDDは64%です。

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1996年からの日経平均株価のMDD(最大損失)は60%も超える

ウォーレン·バフェット氏は
「株式を買って
株価が半分になる覚悟がなければ
株式を買わない方がいい」
と言いました。

つまり、投資家であるあなたは
50%のMDDを飲み込む覚悟が
できているはず・・・
という話です。

クールに50%という損失を耐えるなんて・・・!
中の人を含めた一般の投資家の大半は
なかなか「クール」にはできないはずです。

高値から10%だけ損しても頭に来るし、
20%以上の損失を
精神的に耐えられる投資家は
数少ないのです。

10万円を投資して、
700円損しただけで
落ち込む人も周りにいます。

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「株式を買って株価が半分になる覚悟がなければ株式を買わない方がいい」なんて・・・

ですので、投資戦略を設計する際に
どんな方法を使っても、
最高値に比べて
20%以上のドローダウン(MDD 20%)以上を
記録してはならないのです。


ここで問題!

問題
2013年10月28日、
ビットコインを買って
2018年3月12日まで耐えたら、
いくら利益が出たでしょうか。


正解
4,594%の利益が出たはずです。


問題
その時のMDDはいくらだったでしょう?


正解
MDDは89%でした。
ビットコインは2013年11月29日
ピークの16万円からずっと下落し、
2015年1月14日の
最安値(1.8万円)を記録しました。


問題
それなら本当に2013年10月28日、
ビットコインを買って
2018年3月12日まで粘って
46倍の利益が出た人は何人いるんでしょうか?

正解
極めて少ないはずです。
2014年の恐ろしい大暴落を耐え切れず、
悲観して、ほとんどの人が
売ってしまったでしょう。
1年以上価格が残酷に下落しているのに
耐えられる人はほとんどいません。

ここでもう一つ、大切なことを教えます。

暗号資産の投資戦略の
最も重要なポイントは
MDDとボラティリティ(価格変動性)
を下げることです。

収益の最大化は、
その後に目指してもいいのです。

MDDと収益のボラティリティを下げると
収益は自ずとついてくるということが
実戦で投資をしてみれば分かると思います。

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ボラティリティはジェットコースターみたいもの!

高いボラティリティを
避けなければならない理由は二つです。

心理的な理由はすでに説明しました。

ポートフォリオの損失が
あるレベルを越えれば
投資家たちはそわそわして
理性的に考える能力を完全に失ってしまいます。

以前、人間はお金を投入したとたん
正常な判断ができなくなることを述べました。

投資戦略をどれだけうまく作っておいても、
これを無視して、
完全に非理性的マインドに変わる可能性が
かなり高いのです。

前述したように10%損失の区間で
変身(?)が起こることもあるし、
ある程度、大胆な投資家たちでも
20%損失を見ると、
正常な判断ができなくなります。

中には

「90%値下がりしても
そのまま塩漬けしとけば
いいんじゃないですか?
ビットコインは結局2016、2017年には
大ブレークしたじゃないですか!」

と言う人がいるかもしれません。

ただビットコインが右肩上がりする資産
という確信がないので、
次に 90%のMDDが出たら
再び新高値を突破できるのか極めて不明ですし、
このデータは、過去のデータなので
これからこのような現象が
再現されることも保証できません。

新高値を永遠に
突破できないかもしれません。


さらに大きなボラティリティを
避けなければならない数値的な理由もあります。
以下の表をご覧ください。

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すべての投資市場は複利効果で動きます。
つまり、10%損して、10%を儲けたから
と言って元本が回復するわけではありません。

11%儲けなければなりません。

20%損したらどうでしょう?

25%利益を出せば元本が回復できます。

では、30%損したらどうでしょうか?

43.7%を儲けなければなりません。

では、50%損したら? 

2倍、つまり100%を利益を出して
やっと、元本です。

損したのが66.7%だったら?

3倍、200%儲けなければならない。

損したのが80%だったら? 

残った資産を5倍にして元本が回復します。

さて、ところで10%損して
11.1%取り返すこと程度なら
難しくないかもしれません。

20%損して25%元本回復は?
不可能ではないでしょう。

30%損して、43%利益を出すのは?
ここからかなり難しくなります。

もちろん本気でやれば、
理論的には不可能ではないはずですが、
資産の30%を失った人が急に上達して
+43%の利益を出す可能性は
どれほどあるでしょうか?

そして運よく1、2回は回復できたとしても
資産を長期的に守る実力になるのでしょうか?

資産の半分を台無しにして
2倍稼いで元本回復する。
こんなドラマのようなことは
現実ではめったに起こりません。

心理的にも数値的にも
20%以上損する状況は
どうしても避けるべきです。

もちろん投資家はその限界が
10%の場合もあれば、
これよりも低い投資家もいるはずです。

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4年間元本リカバリできず、、、涙(Source: https://gentosha-go.com/articles/-/16927)

ここまで読んだ人は
疑問に思う点が出てくるかもしれません。

暗号資産は一日に50%以上
値動きすることが多いですが、
どんな状況でも20%以上は損しないことが
本当に可能でしょうか?

 買ったら10年間上がり続く
第2、第3のビットコインが
また出てくるのでしょうか?

残念ながら、
中の人にはそれを予測できる能力が
全くありません。

「えー、 それなら毎日寝ずに
暗号資産がある金額以上下落すれば
損切りをしなければならないのか?
ところで5%損切りを5回連続すれば、
すでに20%以上損するのではないか。」

5回連続損することもよくあるのに、
どうやって20%以上の損失を
出さないようにするのでしょうか?

繰り返して損切りするよりも
MDDを減らせる、
はるかに効果的な方法があります。

(次回に続きます)

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