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【学部のワクを超えた友達がたくさん!?】阪大教職・授業紹介「生徒指導・進路指導論」(後編)

前編はこちら!↓

この記事では、私が受けた阪大教職の魅力的な授業の中から、「生徒指導・進路指導論」を紹介しています。今回は後編!

(教員名は記しません。同一科目でも担当教員によって内容や重点のおき方は異なることをご了承ください。)

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待兼山には猫が多くて

授業のテーマの1つは、生徒指導や進路指導についてかなり深く考えさせることです。

たとえば。

Q. 「生徒指導といえばいかつい男の先生による抑圧的なもの」というイメージがあるのはなぜ?

その1つの答えは、教育が、日本の近現代史のなかにどう位置づけられながら変化していったのかにあります。授業では、それらを解きほぐしながら、学生の体温にちかい言葉で、問題点を見つめていきます。

教育現場でこれまで、どのような犠牲が払われ、子どもたちが苦しんできたのか。問題を抱えた生徒への対処はどうあるべきなのか。真の意味で「寄り添う」とはどういうことなのか…。理想論を語るだけではとらえきれないリアリティーがいくつもあります。(noteで今後、そんなことも書いていけたらいいですね。)

ここまで読んでこられたら伝わっているかもしれませんが、この授業、"本気"なんです。先生も受講生も。90分の授業の中で、ものすごく知性と感性を使います。

私は学期の後半からは、万全のコンディションで授業を受けたかったので、授業前、体を少し温めてから教室に向かっていました。

そしてこの授業では、グループ活動を通して、自分の意見を明確にしていくプロセスを大事にします。最後には生徒指導提要について先生から出された3つのお題に対して、各班での議論と意見を発表する時間が取られました。

…まあこの発表がすごいんですよ、本当に。先生にスイッチを入れられた受講生たちが、どう考えても片手間で準備したわけではないクオリティーで発表を行います(うちの班は発表準備のために授業外でわざわざクリスマスに集まって2時間半話し合いをしたのが良き思い出です。教職が部活だといわれる所以。)。

どの班も、生徒指導提要や実践記録を懐疑的・重層的に読む視点を大事にしながら、授業では触れられていない概念まで導入して、深い考察のもとに鋭い分析を展開していました。「発表に命かけてた」、これは受講生Aくんのことばです。

さてさて、ここまで読むと、いかにもまじめで緊張感ある雰囲気を想起されるかもしれませんが、実際にはそんなことはなく和気あいあいとしていました。←ここが一番言いたい。

グループ活動の班の名前は、「いぬ」、「ぬま」、「まくら」、「らっぱ」、「ぱぱいや」、「やきとり」…。(ピンときますか?)すべて各班が話し合って付けたものです。

「叙々苑」。「どらやき」、「パイナップル」、もあったっけ。こんな班の名前からもうかがえるかもしれませんが、授業が進むにつれ、だんだん受講生どうしが打ち解けて和やかな雰囲気が作り上げられていました。

このあたりもさすが現役の高校教員、この阪大の教職科目すらも、先生の手にかかればひとつの35人クラスとしてのまとまりが出来ました。僕らは生徒指導を教えられる授業の中ですら生徒指導されていた、ということに気づくのです…!

さきほど「受講生Aくん」の言葉を紹介しましたが、何のその、Aくんとはこの授業で知り合った友人。学部・学科はまったく異なるので、ここででなければ出会うことはありませんでした。出会って1年になりますが、食事に行ったりドライブに行ったり、とっても濃い付き合いがあります。

Aくんだけでなく、この授業をきっかけにして学部のワクを越えて友達になった人が、私にはたくさんいます。ふつう、大学の授業を1回ともにしただけでそんなに仲よくはなりません。そこで仲よくなれたのは、やはりこの授業が、そして教職という「場」が、特別だったからなのだと思います。


ここまで熱っぽく書きましたが、私、受ける前まではこの授業に対するモチベーションは決して高くなかった(むしろ低かった)ことを正直に白状しなくてはいけません。しかしそれだけに、後から振り返ってここまで書きたくなるほどに感銘を受ける授業であったことが衝撃的なのです。

そこまでなんとなく「阪大教職って、なんだかおもしろそうだな」ぐらいの感覚だった私が、「阪大教職って、おもしろい!」とはっきり認識したのもこの授業でした。


最後に、当時この授業を振り返って書いていた文章より。

『つねに若々しく、やさしく知的で、人や学問への敬意があって、誰かからの頼みは断れない情に厚いおじさん』である先生の魅力が、この授業の魅力を大きく支えていたことは間違いない。提要や実践記録を批判的に見て乗り越えなさいと言う先生のことだから、いずれ私たちは、先生から教えられたことも乗り越えなければならないんだろう。」(大意)

何を大上段に振りかぶって書いてんねんー。笑

だけど、振りかぶった勢いで倒れそうになるぐらい、知的に興奮できた一学期間でした。これが大学だよなあ。今回は、1年前に受講していた「生徒指導・進路指導論」についてでした。

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阪大最高峰オシャレ教室



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