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不運な少女と殺し屋さん達

ある日突然謎の存在に連れ去られて、見知らぬ人間同士で
殺し合いをさせられる。
そんな物語にしかないと思っていた事態に巻き込まれてしまった
不運な少女――ナギサは、しかし目の前の光景に呆然とするしかなかった。

「こんな所か?」
「ええ、一先ず連中の第一陣は片付いたかと」
「手応えなさすぎ♪ ……あ! ねぇ、君は大丈夫?」

腰が抜けたナギサを気遣ってくれる明朗そうな美女の手は血塗れで、
先程までナイフで何人も斬殺していた姿を思い出すと、
少女はすぐにその手を握り返すことが出来ない。

「あの……皆さんは一体、何なのですか……?」

数分前、ナギサ達の目の前に現れた黒スーツの集団が
『殺し合いをしてもらいます』と宣言した瞬間、
その集団を逆に襲った三人の男女。
その正体が知りたくてなんとか声を絞り出したナギサに返って来たのは、
彼女を更に混乱させる答えであった。

「あー、アタシ達? 多分全員殺し屋かな!」
「こ……殺し屋さん!?」

【続く】

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