LANDFILL
豊かな緑と美しい湖の周囲に広がる美しい街並み……から僅かでも外に出歩くと、出迎えるのは焼け付く日光と乾いた空気に広大な砂漠。
天国と地獄がハッキリ区切られた、ここは開拓惑星ランドフィル。
人々は日々を街中で過ごし、街と街を行き来するためには乗り物が必須となるこの星で、砂漠地帯を徒歩で行くのは金のない流れ者か、街からの追放者か、はてまたただの狂人か。
いずれにしてもマトモではない可能性が高い相手を気にかけるのは、この星の人間としては異常である。
だがこの時、砂漠地帯に僅かに点在する給水施設で休んでいたリオン・カザキは強盗集団に追われた後で疲弊しており、また少しでも盾に出来る人間欲しさで判断力が低下していたのも原因で、彼にうっかり声をかけてしまったのだ。
「ねー! そこのアンター!」
「……?」
「そんな格好でダイジョブなのーッ!?」
ボロボロに汚れた布を羽織っただけの姿で歩いていたその男――囚人番号09に。
【to be continued】
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