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6. 聞き取れないのは英語のせい?

英語のニュース、テレビドラマ、映画などを見て、「全然、何を言ってるか分からない~」と、お手上げ状態になってしまったことはありませんか?
全神経を集中して、一生懸命聞き取ろうとしても、「さっぱり分からない~」と、聞き取ることを諦めてしまったことはありませんか?

また、英会話を聞いて、一語一句、全てを書き取ろうとしてみたこととかありませんか?

勿論、英会話が一語一句聞き取れて、その全てを書き取ることが出来るようになれば、英語を理解する上で、それは素晴らしいことだと思います。

でも、本当に、そこまですることが出来なければ、英語は理解出来たことにはならないのでしょうか?

試しに、ニュースでも、ドラマでも、コマーシャルでもいいので、日本語を聞いてみて下さい。
一度聞いただけの、たった今聞いた日本語を、一語一句間違うことなく復唱出来る方は、何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか?

例えば、日本語のニュース。一語一句、全てを聞き取っているような気がしますが、実は、微妙に、自分が必要だと思う部分だけ、重要だと思う言葉だけ、かいつまんで聞いていたりしないでしょうか?

日付や数字、場所の名前、人の名前、そのニュースの概要だけ、しかも、自分の興味のある話題のみで、後は意外と聞き流しているものです。

これが、英語になると、何故か「全てを聞き取らなければならない」と、身構えてしまうような気がします。

ところが、そうやって聞き取ろうとすると、初めの数語で、既に追いつけなくなって、残りも聞き逃してしまう。その繰り返し。
しかも、会話なんて、単語と単語がくっついてしまったり、一部発音されない部分があったりと、一語一語を全て追いかけていたのでは、聞き取れないのが当然!なんてこともあるのです。

つまり、一つ一つの単語を全て聞き取ることよりも、全体の流れを掴むことの方が、大切な場合もあるのです。

ここで、初めから全てを聞き取ろうと”しない”為の実践的な聞き取り練習としてオススメの方法をご紹介しておきます。

まず、日本語のニュースを聞いてみて下さい。聞いた後に頭に残っていた内容から、自分に合った「聞き取る項目」を決めて下さい。
人それぞれ、注目する点は違ったりするものです。
例えば、日付、場所の名前、人の名前、数字(人の数、金額等)、ニュースの分野(政治、経済、芸能、犯罪等)といったものです。

次に、決めた項目(一つか二つ)にだけ集中して、英語のニュースを聞いてみて下さい。
単語が一つだけでも聞き取れたら、後は徐々に慣れるだけ。
余裕が出来たら、項目を少しずつ増やして下さい。

ニュース以外にも、ドラマや映画で、自分の気に入った登場人物のみに集中してみたり、とにかく、何かテーマを決めて、まずは一度に一つのテーマで、一単語以上を目標に、聞き取り練習をしてみて下さい。
そして、その数を、徐々に増やしていって下さい。

聞き取ることに少し慣れてきたら、英語と日本語の大きな違いの一つでもある、否定か肯定かを決める言葉の位置を意識することにもチャレンジしてみて下さい。

英語は初めに、今から言おうとしていることは否定形なのか、肯定形なのかをはっきりさせてしまいます。
日本語は、文末まで聞かなければ、否定形なのか、肯定形なのか分からない場合がほとんどです。

英語を話そうとしても、自分の意思(Yes/No)をはっきりさせてから話し始めなければならない英語が、日本人の口からなかなか出てこないのも、当たり前のような気がします。

慣れない内は、相手が言った内容が、否定なのか肯定なのかを、聞き取れなくても当然です。
でも、否定か肯定かで、言われた内容は正反対の意味を持ってしまうので、聞き取れなかった時は、”Not”と言われたのかどうかを、必ず確認しましょう。

相手が”Can”と言ったのか、”Can't”と言ったのかは、ネイティブ同士でも、時々聞き取れなくて、聞き返すことがあるほどです。

そういえば以前、テレビのトークショーで、聞き手がゲストの話を聞いていて、”Hair(髪)”と”Here(ここ)”を聞き間違えたのを見ました。

英語を母国語とする友人達の間でも、相手の言葉が聞き取れなかったり、聞き間違いをしたり、意味を取り違えたりすることは、実はよくあることなんです。

英語に苦手意識を持つ人と、英語を母国語とする人たちの違いは、英語を母国語とする人たちは、相手の英語が理解出来なかった時に、自分の英語力のせいだとは思わず、しっかりと聞き返したり、発音の仕方が悪いと相手を責めたり、勘違いを笑って済ませたりすることなんです。

英語が聞き取れなかった時には、自分の英語力のせいだけではなく、聞き取るポイントが間違っていたり、相手の話し方に問題があったり、ただ単にはっきり聞こえなかっただけだったり、単なる勘違いだったりと、他にもいろいろな理由が考えられることを、忘れないで下さいね。

今回の技は:

「英語が聞き取れない時は、いろんな理由を考えましょう!」



※この記事は、2003年に発行していた「下手英メールマガジン」で紹介していた「下手な英語を使うための技」に加筆修正を加えて、現在無料再掲載中のものです。令和版は、近日有料公開予定!

下手英メールマガジン発行から20年後、「2023年の後書き」:
英語が聞き取れない理由を間違って予測してしまうと、当然の如く、その解決法として考えた練習等は、あまり意味のないものになってしまいます。そして、練習の効果が全く実感できなくて、聞き取り力が目に見えて改善されない状態が長く続くと、聞き取りを諦めてしまうことにも繋がります。

まずは、聞き取れない理由をはっきりとさせること。そして、その理由、つまり聞き取れない原因への対処法をしっかりと考えて、他の誰でもない自分自身に合った聞き取り練習をした方が良いと思います。

聞き取りに関しては、近日公開のメルマガ令和版で、前回のメルマガから20年という長い間、英語圏で積み重ねてきた経験を軸に、誰でもできる聞き取り練習法をご紹介したいと思っています。



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