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岸田奈美との出会い 8年越しの物語

(この文章はHespen代表犬飼がコラムとして書いています)

岸田奈美さんが、現在noteやあらゆるメディアでご活躍されているのは、周知のことだが、いまから8年前の5月19日が私と岸田さんとの最初の出会いだった。

2012年の5月19日、滋賀県で行われた講演会に、スピーカーとして呼ばれた。その講演会の主旨としては、関西は滋賀から社会を良くしようとする「20代の挑戦者」による講演会を通して、出席者と「頑張ろう」という思いを共有する取り組みであった。

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(当時のチラシのデータが探したらあった)

登壇者は私(チラシ右下)のほかに、当時23歳だったミライロ社長の垣内俊哉さん...…のはずだった!

しかし、当日の朝に主催者から登壇者の垣内さんが急遽風邪をお引きになり本日の講演会、欠席されますとの電話。代わりにミライロ広報の「岸田奈美さん」が登壇してお話しいただけることになりました、とのこと。

あれー!?垣内さんと登壇できるの結構楽しみにしていたのになと思いながら、会場入りすると、見た感じ雰囲気の柔らかいお嬢さん(みたいな人)が。

その方が岸田奈美さんであった。軽く自己紹介して、打ち合わせをしたあと、講演会が始まった。

岸田さんの講演のつかみは、使っていたパワーポイントのデザインから。

「視覚障害の方は、白地に黒のスライドデザインよりも、背景を黒くして白い文字で書かれていた方が読みやすい」たしかそんな話をされていたように思う。当然岸田さんが使っていたスライドは黒地に白の文字で統一されていた。当時の私はそのような配慮も含めて、バリアバリューの考え方から何から何まで非常に勉強になったのを覚えている。

そして急遽決まったであろうミライロ社長の代役を見事にこなして、堂々とスピーチされている。

ふと手元のパソコンで次の私の講演の資料を最終で見直していると、衝撃的な事実に気が付いた。

「俺のパワポのスライド、全部白地に黒い文字!!!」

しかも、所々カラフルな装飾が加えられていて、全く視覚障害者のことを考えていない状態がモロばれ!(仮にも同時医学生だったのに)

どうして、講演の順番を、「岸田→犬飼」ではなく、「犬飼→岸田」にしてくれなかったのだ!とこの時ばかりは主催者を恨んだ。

(本当は岸田さんもちょっと恨みたかったけど、恨めないほど、今につながる素晴らしい話をされていた)

兎にも角にも、私の番が来た。

結局考えてきた「つかみのネタ」を放棄して、話の冒頭、

「すみません、私のスライド、実は全部白地に黒の文字で大変見にくい構成となっております」

と正直に言ったら結構ウケた

バリアばりゅ~」(と心の中で思った)

僕の心のバリアが、バリューに替わった。(使い方あってますか??)

岸田さんの話の熱意があってこそ、みんな笑ってくれたのだと思う。

(岸田さん持ち上げて賞金狙っているわけではありません。)

正直、そこから先の記憶はない。

講演会が終わって、次の仕事があります?(講演会のダブルヘッダーだった?)的な感じで、その場を彼女は後にされたように思う。

それが、2012年5月19日、今から8年前の出来事。

本人は覚えているかわからないけど、ちょうど「キナリ杯」が開催されると知って、岸田さんが呼んでくれるっていってるし、書いてみようと思って、今、当直中の休憩時間にせっせと書いている。

あれから8年間の間に社会は色々なことが変わった。

ミライロという会社は大きくなった。

岸田さんの胸は一瞬小さくなったが、また黄泉の国から戻ってきて大きくなった。

僕も医者になった。(医者なので、大胸筋による胸の拡大化についての説明もできるが、ここではしない)

Hespenという熱中症の啓発団体を立ち上げて、コロナウイルスで逼迫する救急現場の負担と熱中症の被害者を少なくする取り組みを始めた。

代表でもあるし、広報でもある。

8年前のあの日の岸田さんと同じで、代表として前面に立ちながら声を上げつつ、広報としてメディア掲載を目指しながら、二束のわらじで頑張っている。

岸田さん!朝日新聞載ってましたね!
僕も載りましたよ!
https://www.asahi.com/articles/DA3S14464429.html

ってな感じで彼女に負けないように最近ちょこちょこ新聞でも取り上げていただけるようになった。

8年ぶりに新聞の紙面で共演できていたかもしれない。

岸田さんの活躍に負けじと、救急医療の最前線で今日も患者さんと向き合う。

彼女が読者と向き合うのと同じことである。

8年前のあの日彼女は大切なことを教えてくれた。

それは、









「スライドの文字は基本、黒地に白!」

黒地に白!

休憩時間がなくなって参りました。

2人の活躍をこれからもご期待くださると幸いです。


熱中症予防啓発ネットワーク代表

犬飼公一

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