横綱、最強の証明。
車2

横綱、最強の証明。

横綱猫闘将は考える。

協会には何も話していない。
泣いて止めた親方と女将さんも振り切ってきた。
もちろん、事が露見すれば廃業間違いナシだろう。

――それでも、俺は横綱の強さを例え土俵の外であっても証明したかった。
舞台は満員の東京ドーム。申し分ナシだ。

先月引退したばかりの元大関、玉ノ肌が総合格闘技に挑戦した。
結果はイタリアン柔術の前に手も足も出ず敗北。
世間は口を揃えて

「倒されて関節極められれば終わり」
「力士はスタミナ無くて駄目」
「動きが鈍重すぎて打撃の良い的」

奴らは何も知らない。
横綱のことを何も知らない。
相撲のことを何も知らない。

故に知らしめねばならない。
横綱が最強であることを。
相撲が最強であることを。

特注のグローブを装着する。
今日からはこれが俺の商売道具だ。

呼出、いやここではアナウンサーか。
俺の名前が会場中に告げられ、その姿がオーロラビジョンに大写しになる。

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【続く】

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