【001】価値とビジネスの本質

今回は、仕事をしていく上で一番大切なことは、利益を優先したり、流行りのものに飛びつくことではなく、その仕事・ビジネスがどんな価値を生むのかにフォーカスすることが大切だよね、ということについて書いていきます。

ただ、価値と言われても、概念的でぼんやりしていてよくわからないですよね。
ここでいう価値とは、相手のほしいと思っているものを渡すことだったり、相手の困ってることを解決することだったり、相手を楽しませて嬉しい気持ちにすることだったりを指します。
こうして、自分が提供した価値に見合った報酬をもらうことが仕事であり、ビジネスです。
価値と報酬がどう見合っているのか?の判断については、また書きたいと思います。
ですので、ここでは軽く触れますと、大切なことは、仕事として考えるのであれば、値下げせずにお客さんが得したと感じる価値を与えることが大切です。
なぜなら、値下げをしていくと、どうしても価値の質を維持することが難しくなる、すなわち自分が提供できる商品だったり問題解決の力だったりが、値下げによって件数をこなす必要が発生して1件1件に集中できなくなりクオリティが落ちていくためです。
要するにジリ貧になっていくわけですね。
大切なことは、お客さんが得したと感じること価格設定にすべきで、実は価格とお得感は別のところにあったりします。
ですので、ただ安くすれば良いわけではないんですが、これを書くと長くなりすぎてしまうので、またの機会にします。

上記で書いたように、価値とは、需要を満たすことや、相手の課題解決、エンターテイメントなどになります。
では、なぜこの価値が、利益の優先や流行のビジネスを追うことよりも大切なのでしょうか。
また、世の中には対して価値をがないのに、さも口八丁で価値があるかのように振る舞って、商品を販売することが持て囃されることがあります。
これについては、直感的に良くないことだと感じる方が多いと思いますが、この辺についても価値がないと長続きしないよ、という観点からお話ししたいと思います。

それでは、まずビジネスがどのように生まれてきたのか、その歴史的背景から考えていきたいと思います。
我々人類は頭脳の発達と声を他に入れることで会話能力を得て、他者とコミュニケーションをとることが可能となりました。
それに伴い、自分の暮らす集落以外のコミュニティーと交流ができるようになり、自分たちのエリアでは手に入らないものを目にするようになります。
その交流はやがて、物々交換という形をとります。
きっと初めは、山の幸と海の幸を交換する、というようなところから始まっているのでしょう。
例えば、山の民は山の幸を、海の民は海の幸をそれぞれ取って物々交換するとします。
最初はなんの問題もなく交換が進むでしょう。
しかし、お互い不漁だったり不猟のタイミングが発生してきます。
ナマモノであるためお互いの「幸」はそれほど長く保存ができません。
そうなると、自分は物々交換用の幸を持ってきたが、相手は手ぶら、ということもあるでしょう。
しかし、相手は自分の持っている幸を欲しがるし、自分も今日は相手が幸を持って来なかったけど、なかなか物々交換の場所まで毎日来るのも大変だから、交換できるタイミングで交換してしまいたい。
しかもナマモノだからできれば今日中に…。
そこで、先に自分の幸を渡して、後日相手の幸をもらうというような、言うなれば「価値の一時保存」として、お金の概念が生まれたと言われています。
また、価値として自分の肉体労働を提供し、最初は毎日食料をもらってたとしても、より専門性や生産性の高い労働をこなして報酬が増えた時に、「お前は優秀だから昇給して、1日の労働で一週間分の食料を渡す!」と言われても困りますよね。腐っちゃうかもしれないし。
そこでも、腐ることのないお金という、受け取る価値を一時的に腐らない何かに変えて保存しておくことで、変えたい時に食糧や幸に変えられるような仕組みとしてお金が生まれました。
要するに、価値の考え方のベースは物々交換なのです。
相手のニーズを答えた時に価値は生まれ、交換したものの受け取りタイミングをずらす手段がお金なのです。

と、ここまでがビジネスの成り立ちなのですが、これで価値がない物を口八丁で売りつけてもうまくいかないことがなんとなくわかってきたかなと思います。
ビジネスとは物々交換であり、物々交換だからこそ等価と感じられる、または自分が得したと思えることが双方大切なのです。

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