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「良い写真を撮るのに高い機材は必要ない」は本当か。

(NikonD750 FL110mm SS1/160 F8 ISO160)

こんにちは。カメラマンの早川結希です。今回は、ときどきTwitterとかで見かける「良い写真かどうかに機材は関係ねえんだよ」的な発言に対して、ぼくが思うところを書いてみました。3段くらいの構成に具体例とかも挙げて書いているので、趣味で軽めにカメラをやっている人や、そもそもカメラやってません、っていう人にもわかるようになっていると思います。

では早速。


結論:高い機材なら良い写真が撮れ◯!

という言い切りは出来ません。ごめんなさい。結論から言うとぼくの考えは機材は関係ない(けどある!)です。

なんでこんな変な言い方になってしまうかと言うと、「良い写真」という意味ではほとんどないけれど、「良いパフォーマンス」という意味では大アリだからです。


(1)まず、良い写真って何ですか問題とぶち当たる

冒頭で書いた機材と写真の関係についての論を観ると、一旦議論がヒートアップして最終的に、「そもそも良い写真の定義とはなんなのか。撮ってる人が楽しければ良いのではないか。」というところに90%くらいは落ち着いてるような気がします。まあそうかもしれないんですが、ちょっとこの命題からはズレたところに帰着しちゃってる気がします。

何で結論がそうならざるを得ないのかというと、「良い写真」と「良いパフォーマンス」がごちゃ混ぜになっちゃってるからだと僕は思っています。今回はこれを分けて考えることで命題にアプローチを仕掛けていきます。


(2)良い写真と良い仕事の違いとは。

この2つをはっきり分けて考えると、ズバリ良い写真とは「結果」で、良いパフォーマンスとは「結果を出すまでの過程」です。

(2-a)「良い写真」をもうちょっと詳しく具体的に言うと

例えばプロカメラマンが撮影するとき、1台50万円くらいするハイエンドのカメラを使って撮影したファッション雑誌の表紙に使われる写真と、5万円くらいのいわゆる初心者向けのカメラを使って撮影した旅行先での風景の写真、本人やクライアントが納得していれば、これはきっとどちらも良い写真でしょう。

また仮にそのプロが手持ちで5万円くらいのカメラしか持っていなかったとして、急にファッション雑誌の表紙撮影をしてください、と頼まれるようなことが万が一あったとした場合、きっとそのカメラマンは限られた機材で素敵な写真を撮ることができるかもしれません。

ただ、これは結果です。結果として良い写真が撮れたいうことです。結果として良い写真が撮れない場合だって全然あります。


(2-b)一方で、「良いパフォーマンス」とは?

だんだん複雑になってきてしまっているので、iPhoneを例にあげましょう。今最新の機種でiPhoneXSというものが発売されていますが、これと前世代のiPhone6を比較してみます。

普段iPhoneXSを使ってる人が、急にiPhone6を使わなくちゃいけなくなったらどうですか?

「いつも通りLINEで連絡のやりとりは出来るし、Youtubeで動画を観れるし、カメラだってちゃんと前後に付いている。だけど動作がもっさりしてて、ディスプレーはちょっと不鮮明だし、バッテリーはすぐなくなるなあ。」

きっとそんな感じですね。iphoneXSじゃなきゃ出来ないことはほとんどないけれど、「あ、なんか自分が求めるレベルにiPhoneが付いてこれていないな。」とう感情を抱くんじゃないでしょうか。

「良いパフォーマンス」の正体はこれです。撮影をしているときに、カメラマンの頭と身体にがカメラ付いてきていないなと思ってしまったら、それは良いパフォーマンスが発揮できていません。

ただ一つ言うと、カメラが身体に追いついていなくても、成果物として出てくる写真は良い写真である可能性があります。


(3)もう一回最後にまとめると

ここまでのことを踏まえた上で、もう一度結論をいうと、「良い写真」というのは結果なのであれもこれもないけれど、良い機材を使うことでより一層パフォーマンスを出すことが出来れば良い写真になりやすいかもしれない。

です。機材は写真に置いて十分条件です。


オマケ

今回の記事では触れませんでしたが、カメラを仕事にする場合に「リスクヘッジ」という観点の話は必ずついてきます。カメラマンは、見る人が満足するような良い写真を撮る、と言うアウトプットだけに一点集中していれば良いわけではなく、リスクヘッジと言う別軸も踏まえたら、機材と言うのはめちゃくちゃ×20くらい重要です。これはまた記事にしてみたいと思います。


オマケ2

カメラマンのつるたまさんがTwitterでこんなことおっしゃってました。

iPhoneでも一眼に劣らない写真が撮れるぜええと言うのは、もちろん必要な写真の条件や環境によっては間違いではないんですが、これも今回と同じ議論で考えると、正しくはないですね。

あとこれはカメラマンに限ったことではありませんが、今自分に出来る一番最高のパフォーマンスとアウトプットを出すことこそがプロの仕事なので、その人に対してこの発言はありえないですねえ・・・。


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