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☆ふくしのおべんきょう☆

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もぐりのソーシャルワーカーですが、こそっと福祉のお勉強をしています。
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#SDGsへの向き合い方

92.揺り籠から墓場まで ’24

まずは、ウィンストン・チャーチルさんの御言葉から…、 “現在我々は悪い時期を通過している。 事態は良くなるまでに、おそらく現在より悪くなるだろう。 しかし我々が忍耐し、我慢しさえすれば、やがて良くなることを私は全く疑わない。” 日本では少子化が突き進んでいて、 厚生労働省が公表した最新の人口動態統計では、2024年1~3月の出生数は、前年同期比で6.4%も減少しました。 2023年の年間出生数が前年から4万3482人減って75万8631人と統計開始以来最低でしたが、

91.恐怖の自転車通行帯

西洋のパニックホラー映画のようなタイトルにしてしまいましたが…、現在の日本では、法律に従って自転車に乗るとかなり危険な状況になっています。 おそらく、自転車レーンが設けられている国の中では、世界一自転車が走りにくく、歩行者も車にとっても危険な国なんだと思います。 あの自転車通行帯が案として出るのは全く問題ないと思いますが、安くないお金と少なくない人員を動員してよく実行に移したな…なんて思ってしまいます。 でも、全部がではなく中途半端になってしまっているのは、こういうこと

90.働き方改革と社会福祉連携推進法人

私が福祉の業界から離れていた2019年秋から2023年夏の間にこんな変化が起きていたのかと思うような、私には新発見があったので、そのことを簡単にお勉強してみます。 では、早速…。 2022年4月に社会福祉連携推進法人制度が施行されました。 2024年3月の段階で、北海道ではないですが、全国的には21法人が実践しています。 政府の社会保障・働き方改革本部は2040年を目標に、医療と福祉サービスの改革を進めています。 その中で、社会福祉連携推進法人制度は医療法人や社会福

89.地域包括ケアシステムはどうなるの?

2024年度の介護報酬改定が、結構、話題になりました。 特に訪問介護の基本報酬引き下げについてです。 今後はもっと人手不足が深刻化して、家族の介護や看護の為に仕事を辞めざるを得なくなる介護離職やビジネスケアラーが増えるということは目に見えています。 そして、ヤングケアラーの問題も拡大するでしょう。 先陣を切ったような形で、北海道の後志地方にある倶知安町の訪問介護事業所の閉鎖が話題になっています。 昨日、妻がこの話題をニュースで観たと教えてくれて、急遽、お勉強してみま

88.対話からの幸福論

今年も世界各国の幸福度をランキングで示した国連の世界幸福度報告書の2024年版が3月20日に発表されました。 今回初めて年齢層別のデータが公表されて、30歳未満の若者の多くが、中年期に陥りやすいとされている うつ などの心理的な症状に相当する問題を抱えていることが判明したとのことです。 30歳未満の幸福度では、リトアニアが1位で、2位にイスラエル、3位にセルビアと続きます。 フィンランドは総合的には7年連続1位になりましたが、30歳未満の幸福度は7位でした。 30歳未

87.福祉の起源

まずは宮沢賢治さんのお言葉…。 “世界全体が幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない。” 人類の歴史は戦争の歴史が華々しく語り継がれがちですが、実は同じぐらい助け合いの歴史でもあります。 民主主義の社会が生まれるきっかけを作った1789年のフランス革命は有名ですが、フランスの三色旗は自由、平等、博愛(連帯)を意味し、対等平等な個人が、互いに支え合って生きることの重要性を示しています。 社会力という言葉があります。 社会力は、他人に関心を持ち、関係し合って、互いに支

85.ふくしのおべんきょう

ふくしのおべんきょうの「73.多様性と包摂」でジョン・レノンさんの「イマジン」の歌詞を丸ごと載せたことがありますが、今日はその趣向で おべんきょう してみます。 サボっている訳ではなく、私の場合は高校生の時に「イマジン」とマイケル・ジャクソンさんの「ヒール・ザ・ワールド」の内容を知ったことと、映画『レナードの朝』を観たこと…、そして、2005年になってLIVE 8とU2のライヴを生で体感したことが決め手になり、25歳と遅かったわけですが福祉に興味を持ちました。 なので、初

84.訪問介護の賃下げ’24

今日は久々に4日連続のお勉強なので、手短かにサラッと簡単に…いや、グチか…。 今年になって、介護職の在り方や人手不足、待遇改善などが議論される中で、政府が急転直下の決断をしました。 来年度からの介護報酬の改定の話です。 訪問介護の基本報酬を引き下げられることになりました。 政府は待遇改善の加算措置で、トータルで見ると報酬の減額にはならないと仰ってます。 厚生労働省も、訪問介護については他のサービスよりも利益率が高いと指摘しています。 現場の感じ方と少し遠くに行って

83.社会の課題 part.3~環境編

ここまで、これまでの80項目のお勉強を簡単にふりかえってきていますが、ここまでお勉強してきたことは日本の社会が抱える課題のほんの1部です。 様々な課題があり、それらが絡み合って複合化してもっと巨大な問題になることもあります。 地球にはヒトだけが生きているわけではありませんが、ヒトの都合で随分と地球は壊れ始めています。 地球温暖化とも沸騰化とも言われていますが、私が生きてきた40年の間にも随分と状況が変わってきました。 クリストファー・ノーラン監督の名作『インターステラ

82.社会の課題 part.2~福祉編

現在の日本は少子高齢化が進んでいて、今後はますます勢いを増して突き進みます。 2025年問題も既に始まっています。 若い世代の人口や出生率が減少しているのに対して、75歳以上の後期高齢者が国民の4人に1人という超高齢社会を迎えています。 今までのまま今後も同じ対応をしていくとなると、社会保障の担い手となる労働人口が減っていくことによって、社会保障費のバランスが崩壊し、労働人口への負荷が増加します。 医療や介護業界の需要と供給のバランスも崩壊します。 高齢者数の急増に

81.社会の課題 ~ふりかえり

日本のGDP(国内総生産)は、長い間、アメリカと中国に次ぐ第3位でしたが、内閣府が発表した2023年の国内総生産の速報値でドイツに抜かれて4位になり、円安がこのまま続けば、2025年にも5位のインドに抜かれるようです。 それでも5位ですからね…。 国民目線からするともっと厳しい状況に立たされているのではないか…と感じている人もいるのではないでしょうか。 まぁ、今の政府とか見てると政治をやっている場合ではなさそうですし、我が身を守ることで精一杯のように見えるので、現政府と

73.多様性と包摂

まずは、東京オリンピックで柔道男子100キロ級の金メダリストになったウルフ・アロンさんの発言です。 “根底で多様性とか…そういうところを気にしてるからこそ、そのような言葉が生まれたり、言わないと分からない人がいたりする。 普段の生活から気にせず生活していけば、差別とか区別とか多様性っていう言葉もなく、みんな平等にやっていけると思います。” まさにその通りで、これができていれば、格差も争いもなくなってソーシャルワーカーも必要なくなり、その職種の人たちももっと違った形で社会貢

72.ソーシャルワーカー

2001年に公開された映画『ペイ・フォワード 可能の王国(Pay It Forward)』という作品があります。 作中で…、 “自分の周りの世界が好きになれなかったとしたら?…もし、世界が大きな失望でしかなかったら?” …と、社会化クラスのシモネット先生(ケビン・スペイシーさん)は、小学校の生徒達に問い掛けます。 その上で…、 “それなら嫌いな部分をクルリと変えてしまえ。君たちならできる。不可能を可能に……君たち次第だ。” …と鼓舞します。 そして、シモネッ