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【「使える英語」を身につける】 効率重視!リスニング力の鍛え方 Part 1

「英語が聞き取れないのをどうにかしたい」…という相談、受けることが時々あります。

そこで今回は、リスニング力を効率よく上げるための方法についてまとめます。
ただ、「音をとらえて単語を認識する力」と「聞いたものを理解する力」で鍛え方が大きく異るので、2 回に分けてお届けします。

なお、「理屈はいい、やり方だけ知りたい!」という方は、目次から「「音をとらえて単語として認識する力」の鍛え方」の項目にジャンプするといいですよ。

英語リスニングにはこれが必要

「リスニング力」ってなんだろう?…って考えたこと、ありますか?

「英語リスニング」を分解すると、この 3 段階に分けることができます。

  1. 音が耳に入る

  2. 音を意味のある単語またはフレーズとして認識する 

  3. 1 と 2 を行いながら文の意味を理解していく

…ということは、英語のリスニング力には次が必要、ということ。

  • 音を聞き取る力

  • 音の塊を、単語・フレーズの塊として認識する力

  • 英語の語順のまま意味を理解していく力

今回の Part 1 は、「音をとらえて単語として認識する力」、上記の最初の 2 つにフォーカスします!

音を聞き取る力

日本語なら口頭での会話ができる…という人は、最初の、「人間の言語で使用される音域の音を耳で捕まえる力」をすでに持っています。

それなのに「聞こえない」と思っている場合、実際は音そのものをキャッチできていないのではなく、「似た音の聞き分けができていない」か、「耳に入った音を単語やフレーズの一部として理解できていない」ことが多いです。

音自体はほとんどの場合聞き取れているので、この部分は特に集中的に学習しなくても、他の学習をすすめるうちに自然と解消されていきます。
むしろ、ここだけにフォーカスして学習すると、逆に全体の効率が下がってしまうかも。

音の塊を、単語・フレーズの塊として認識する力

日本で教育を受けた日本語モノリンガルの方のリスニングできない問題の原因、実はここがボトルネックとなっているケースがけっこう多いです。
これに該当する場合、これはさらに次の 2 つに分解できます。

  1. 絶対的な語彙力不足(知っている単語、フレーズの数が少ない)

  2. 単語・フレーズの知識はある(読める、書ける)が、その知識が音と結びついていない

単語やフレーズを全く知らない言語で話しかけられると、話す音は耳で拾えますが、意味どころか、どこからどこまでが単語なのかも全くわかりませんよね。

これが 1 の絶対的な語彙力不足パターン。

続いて 2 の方ですが…、皆さんは、初めて英語の勉強を始めた時、「nurse」を「ぬるせ」ってローマ字読みで覚えたりしませんでした?(自分はしました!)

しかしこの単語を「ぬるせ」で記憶していると、ガチ発音の nurse を同じ単語として認識することができないんです。

これが 2 の、「読めて書ける単語やフレーズなのに聞いてもわからない」、知識と音の記憶がつながっていないケース。
この場合も、音は聞こえても単語、フレーズは聞き取れない結果になります。

「音をとらえて単語として認識する力」の鍛え方

では、この「音を単語として認識する力」を鍛えるために、何をすると効果的か。

答えはとても単純明快で、「目で英文を追いながら、同じ英文を耳で聞く」練習をたくさんすること。
なお、これは単語と音を結びつけて脳内に「英語音バンク」を作る作業なので、ここでは、英文の意味がよくわかっていなくても問題ありません。

このやり方、視覚と聴覚の 2 つが刺激され、ある程度集中力が必要で、かつ、分かる部分があると「ピン!」とくる経験ができるのがポイント。
これで、脳の学習スイッチ入ります。

これが目で見ず、聞き流すだけだと、脳は「意味のわからん音がしてるな…うるさいからスイッチ切っとこ」と勝手に判断してしまいがち。
それでは学習効率が落ちてしまいもったいないので、学習スイッチ、活用していきましょう。

もちろん、これだけで総合的な英語力がつくわけではないですが、「テストは割とできるのに会話が苦手、聞き取れない…」という方はやる価値ありますよ。

総合的な英語力のためには、意味を理解しながら聞く方がいいですが、これは更にレベルが高いスキル。
そこまで追求するかどうかは、自分の今のレベルや、どれだけ勉強時間がとれるか、といったことを考えて決めるといいです。

教材として使えるもの

このやり方で「単語・フレーズを聞き取る力」を鍛える場合、次の条件をクリアしたものはなんでも教材として使えます。

  1. 目で見て読める英文と音で聞く英文が完全一致している

  2. ある程度まとまった分量がある

  3. 余計な情報が含まれていない

条件 1: 目で見る英文と音 = 完全一致

目で見る情報と耳から入る情報が一致していないと、脳がそのギャップにいちいち引っかかることが多いです。

完全一致していないとできないわけではないですが、効率を考えると完全一致が望ましい。

条件 2: ある程度まとまった分量がある

このトレーニングは意識を持って勉強する自分のためのトレーニングではなく、脳のトレーニングです。
耳から入ってきた音の塊を、考えるまもなく単語として処理していく能力を鍛えるトレーニングなので、まとまった分量を浴びせかけるのがポイント。

脳というのはよくできていて、キャパオーバーしないよう、エネルギーを使わないよう、雑多な情報が入ってきたらそれを勝手に整理整頓するようになっています。
この機能を活用したトレーニング方法なので、キャパオーバー気味の分量があるのが望ましいです。

条件 3: 余計な情報が含まれていない

余計な情報が多ければ多いほど、脳はその情報の処理にリソースを使います。
余計な情報の方に興味があったり、気持ちを動かされるものがあったりすればするほど、このトレーニングの学習効率は落ちます。

例えば、字幕つき映画などは、ストーリーや映像に気を取られますので、これにはあまり向いていません。
無理じゃないけど効率悪くなりますね。

結論: こんな教材がおすすめです → 第 1 位

Amazon の Kindle で洋書を買って読み上げ機能を使う

これは Kindle デバイスでもいいし、Cloud reader を使ってもいいと思います。
コントロールが容易で使い勝手がよく、発音がナチュラルなのがおすすめポイントですね。

英語力が上がってきて、本を読む代わりに移動中に聞くようになってきてもずっと使えて喜ばしい。
とにかく気軽に使えるのと、超簡単な子供向けの内容から、専門書までよりどりみどりなのもおすすめポイントです。

結論: こんな教材がおすすめです → 第 2 位

TED の講演を音声とテキストで楽しむ

こちらは本来は動画なので、「余分な情報がついてくる」ところがちょっとだけマイナス。
そして、レベルがある程度高くなってくるのも、人によってはハードルと感じるかも。

それ以外は文句なしですね。

いろいろな訛りに触れられるのも良いポイントです。

結論: こんな教材がおすすめです → 第 3 位

適当な教材を選び、パソコンやモバイルデバイスの読み上げ機能を使う

これは Kindle と似ているのですが、音声が自動音声になるので、イントネーションや特殊な用語の発音がおかしくなったりするのが惜しいポイント。
コントロールもきめ細かさに欠ける場合が多く、リンクが出てくると読み上げ停止してしまったり、ヘッダ・フッタの類まで全部読んでくれてしまったりするのもちょい惜しい。

ですが、気軽に始められるのは間違いないので、身近さでいうと一番だと思います!
Kindle と同様、教材のレベルを好きに選べるのもよいポイントです。

結論: こんな教材がおすすめです → 第 4 位

講義内容を音声とテキスト両方で公開している一般公開されているオンラインプラットフォームを使う

近年、世界では教育のオープン化が激しく進化しているので、なんなら世界最高峰の大学レベルの講義まで受けられるようなオンライン教育プラットフォームがたくさんあります。
無料のものも多いです。

人気があるところとしては…

あたりですかね。

自分はこの内 EdX、Coursera、Kahn Academy を使っています。
現在は EdX でハーヴァード大学の Computer Science の講義をとっていて、これは無料でも受講はできるのですが、有料でちゃんと最後までやれば修了証書ももらえるのでそちらを選択しています。

このあたりは、特に大学などの教育期間提供のものや、専門家が提供しているものを選ぶと質の高い教育を受けられますが、ガッチリ勉強になってしまうため、今回の単純なリスニング力強化にはちょっと向いていないかも。
余計な情報の方がむしろ本体ですしね。

すでにある程度の英語力があり、英語をブラッシュアップしつつなにか身になる勉強をしたい人むけですが、そこまでいくと、英語だけ勉強するのはもったいなさすぎる。
そういう方はむしろ英語の勉強はやめて、英語勉強するほうがいいので、こういうものの方が学習に適しています。

さて、それでは次回は「聞いたものを理解する力」の鍛え方をまとめます。
Happy learning, everyone :)

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