無鄰菴をサポートされているボランティアさんとは?
私は、お客様の接客、イベント・展示の対応、ガイド解説、フォスタリング・フェローズの育成などを担当しております。今回のコラムはフォスタリング・フェローズの活動についてお伝えします。
「フォスタリング・フェローズ」とは?
聞き慣れない言葉がタイトルに出てきましたが、フォスタリングとは「はぐくむ」、フェローとは「仲間たち」という意味で、提案型のボランティアです。スタッフとともに無鄰菴を深く理解し、「運営者(無鄰菴管理事務所)」と「お客さま」との中間に位置するスタッフです。お客さまからの目線で施設運営に対して偏らないご意見をいただく重要なポジションにあたります。
またフォスタリング・フェローズの皆さまは、ご自身で「何ができるのか」「文化財保全を継続するには何ができるのか?」「やりがい」を見出していただくよう、コミュニケーションをとっています。
「提案型のボランティアスタッフの第一歩」
毎年1月にフォスタリング・フェローズ事前研修が開催され、この時に無鄰菴スタッフと初顔合わせとなりますが、実は既に無鄰菴の開催するイベントにご参加いただいたことがある方、お庭巡りに来園をされたこともある方などもご参加くださいました。一緒に無鄰菴を育む一員となる皆様の緊張を和らげるために、和やかな口調で話すことを心掛けています。
私自身、人前でお話する際、場の雰囲気にのまれてしまいますので、お互いリラックスできるような空気を作ることを心掛けています。この説明会ではまずは、「無鄰菴とはどういったところなのか」「フェロー活動とはどういったものなのか」「今後の皆さんの活動について」をお話します。
「共に学ぶこととして育みへ」
人材を育てるに際して、まずは自分自身を磨かなければなりません。イベント開催には準備が必要なように、研修や解説を行うにあたっても事前準備として約3倍の時間が必要となります。開催時間が長ければ、それに比例して準備にも時間をかけます。十人十色、さまざまな質問が飛び出してくることを想定し、それに応えられるよう常にレクチャーを行う側も勉強中です。
無鄰菴の歴史は126年あるので、まだ調査中のものもありますが、膨大な情報を夜な夜な涙を流しながら覚えていっています。無鄰菴フォスタリング・フェローズ制度ができてからは、勉強嫌いな私が珍しく自ら勉強するようになりました (笑)。おかげさまで、フェローズメンバーとのお互いのやりとりなどで取り入れた知識が人から人へと継がれていく事は、お互い共有できる物事として私自身の成長にもつながっていきました。
「私にできること」
フォスタリング・フェローズの活動サポートを通じて、お互いの知識を高めながら来園者の方と接する機会も増え、いままで見えていなかった物事により一層気付かされることが多くなりました。イベントでのサポート活動をいただくにあたり、積極的に、率先して動かれる方も多く、素晴らしい活動を行っていただいています。
その様子は、無鄰菴スタッフにとっても新たな活動やサービスの在り方を考える機会となり、毎回新鮮な学びや驚きがあります。また、そのような活躍していただけるメンバーズの皆さんとともに活動できることを嬉しく思います。
文化財の施設には特に取り扱いに注意が必要な事がたくさんあり、私の役目としましては新たにメンバーの一員になってお仕事を行う方々に、如何に文化財の重要性や本質的価値を伝え、今後どのようにそれを発展向上させ、お客様に伝えるかというのが大きな柱です。
自身が意識したものがそのままお客様やフェローさんに伝わるため、共に活動の場で共有し、動きながらそして楽しみながらその重要性をご理解いただけるよう今後も施設の運営をおこなっていきます。
次回は、太田さんによる「エピソードその2 もしくは アルバイトさんから職人まで多様なスタッフを取りまとめるチームビルディングの極意」などについての内容で掲載予定です。よろしくお願いします!
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