見出し画像

陽だまりの粒 外伝⑤前半

軽音楽部の部室にて不覚にも涙を流して候。
女に嫌われた事よりも、女を誑かした国賊がどうしても許せない!
誰が俺の高校生活を桜色から糞色に邪魔したんだ。
それを思うといつも絶望感に苛まれ誰かの自由を葬ってしまいたくなる。
185センチの背を持ちながらドテチン又は鼻モゲラと呼ばれる位に猿人顔で鼻の穴が外を向いて出っ歯で髪の毛の生え際が薄いこの俺を愛してくれる純潔の女子はいないのか。

一年生の初め一人の一目惚れした日本女子に愛を込めた恋文と俺が'同期の桜'と'婦人従軍歌'を歌いそれをカセットテープに録音したテープをその女子の家に送った。
指定した日にその女子は約束通りの時間に一人で来てくれた。
髪の色が少し茶色になり、上着に青のパーカー、下に青色のチェックのスカートを履いていて靴は赤のコンバースだった。

その時の俺の服は上下とも学生服だったからその女子の困った表情が妙に気に食わなかった。
俺が折角正装で決めているのだから、お前も学校指定の正装で決めてこなければダメと言う事だ。

天皇陛下が吐血あそばされた時にこんな些細な事もわからないお前だから今日の逢引はもう失敗だと絶望した。
全くつまらない女だな!!話をする価値すらない。
国体護持が最も必要な今、銃後の護りを担う女がそれではダメだ!ダメだ!ダメだ!
全くなっていない。

その後は二人共に何も話さずに駅前で別れたが、別れ際に俺が折角お前の為に歌ったカセットテープを返してきた。
お前は俺のプライドをズタズタにしやがって。
許さないそう誓った俺は家に帰って'貞操観念すらない純潔を守れない最低の売女' '誰にでもすぐに股を開くやりマン売女'とそいつの中傷のビラを大量にコピーして学校にバラマキ、学校で徹底的に苛めまくった。

苛めに苛めてお前が学校に来なくなっても、まだ俺は許さないお前が俺の足元に裸でひざまついてもまだ許し足りない。
お前の毒された考えが誠に天皇陛下に申し訳が立たない。

一年生の遠足に行った時に俺の投げた中身の入ったペットボトルが金髪の観光客の背中にダイレクトで当たって睨まれた時はさすがに焦ったが、その時の誤算はあの金髪の観光客が仲間に指示して、お前の濡れた制服をタオルで拭いてやったと言うことだ。
そう言えばあの金髪観光客の着ていた服の背中に反戦とプリントしてあった。
なんという非国民・売国奴・国賊だ!!

最もその報復は、お前を川に突き落として更に濡れ女にしてやる事で達成されたが。
誰にもお前の味方はさせてやるものか、地獄の中でのたうち回れ。

お前が高校二年の終わり頃から不良軍団と遊び始めたのが気になって仕方なかった。
お前を苛める隙がなくなってしまった。
休み時間も不良軍団と国賊ない雑音を聞いたり表情に笑顔が出てきたから、俺は面白くないのだ。
そんなことは何があっても許してはダメだ。
家に帰ると俺は性交の映像記録を見てお前をどう苛めるかそればかり考えていた。
加虐自虐行為でも強姦でもお前が泣いて俺に許しを請うその姿を思うと俺は興奮して堪らなくなり勃起した息子をシゴいて果てるのを何度も繰り返した。

高校三年になってからも、俺はお前が憚り(はばかり)に入るのを待ち続けながら憚りの個室の中に隠れて放尿する音を聞き耳を立てて聴いていたが、お前に彼氏が出来た話しは全く寝耳に水だった、妬みと恨みが心を支配し衝撃過ぎて性交の記録映像の凌辱物だけを大量に借りてお前に復讐を誓った。
俺の顔なら高校を卒業しても多くは望めないと自分でも思う。
それならお前を俺の嫁として家に迎えるから
その前にお前の彼氏をお前の目の前で処刑して見せよう。
その逆もいいナ、お前の彼氏の前でお前を凌辱して見せよう。

決行の日はお祭りの日だ、お前の彼氏の車を吹き飛ばして処刑を始めとするか!
賛同者がいれば尚いいが、お前の仲間を分断するとするか!

ふふふふふふふふふあはははははは
考えれば考えると程興奮してくるぞ!
「誰だお前は?」安部喜朗が一人妄想に入り込んでいる時に部長の美彩が実習服から制服に着替える為に部室にやって来た。
「着替えたいから早く出ていけ」
そう言った美彩は安部がズボンのチャックの間から自分のバットを握りしめている姿に気が付いた。

「キャー」美彩は思わず叫んでしまった。
部室の外にはまだ里香が美彩を待っていたから美彩の叫びを聞いて部室の戸を開けた。
「どうした美彩?」
「コイツ…」安部を指さしながら美彩は声が出せなかった。
里香が美彩が指をさす方向を見ると、荒い息で咲の名を連呼しながら自分のバットをシゴく安部の姿があった。

「美彩逃げるよ!!」里香に言われ着替えを抱えたまま二人は部室から走って逃げた。
その足で職員室に行った二人は教師を呼んでまた部室に戻ったが安部の姿は既に無かった。

続く

#小説 #ラノベ #青春 #恋愛 #1990年 #エッセイ #ポエム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?