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飲食人のみなさんへ

客足が止まり、終息が見えないので不安が募りますね。貴店のみならず、他店も他業種も、みんな同じ状況・心境だと思います。こんな時、何を考え、何をするのかがとても重要と思います。所見ではありますが、以下の通りお伝えします。

【やること】
・制度を利用し借り入れをする(政策金融公庫からの融資とセーフティーネット4・5号を利用した保証協会付き融資)
・支出を出来るだけ減らす(社員スタッフがいない店は店を開けずにカラ家賃を払うのが賢明)
・店を開けているなら、来てくれたお客様に心から感謝の気持ちを込めて史上最高の接客をする
・店を閉めているなら、お客様名簿・名刺などの連絡先に今の素直な心境とこれまでのお礼を伝える
・普段では出来ない事、手が回らなかった事をやる(細部の整理整頓、清掃や修繕、顧客名簿の整理、売上データの分析など)
・スタッフと出来るだけ多くコミュニケーションをとる(出来れば食事や飲みなどに行く)
・店を始めようと思った初心を思い出す
・今日までやって来れた訳を考える
・回復した時に何をしようか考える
・こんな状況になって感じたこと、気付いた事を全部書き出す
【やってはいけないこと】
・社員スタッフを解雇する
・スタッフに無理を強いる
・仕入れ先に悪態をつく、無理や文句を言う
・少ないなりに来てくれているお客様に感謝しない
・スタッフの前で不安や愚痴を言う
・何も考えない
・何もしない

残念ですが、私には現状を打破する“魔法”の能力はありません。こうやって、至極当然の事でしょうが、私なりの考えをお伝えする事しかできません。私は2001年に国内で発生したBSE問題で、当時、唯一経営していた焼肉店が風評被害に見舞われ、あれよあれよと売上下落し、12月には昨対比マイナス70%という状態を経験しました。

正直な当時の心境は、
・兎に角、不安だった(10円ハゲができた)
・倒産するのでは?と焦っていた(どう過ごしたか殆ど覚えていない)
・他店が恨めしかった(周囲の店を見るのが辛かった)
こんな心中でした。

そんな中、“絶対に諦めない”という気持ちだけはハッキリと持ち続けていて、嵐は必ず過ぎ去る、それまでにどうするべきか?を必死で考えました。

出した結果は急場しのぎは百も承知だったけれど、設備を活かして北海道の魚介を主に七輪で焼いて食べる居酒屋にしました。これにより、下げ止まりはしましたが、元通りの回復に及ぶわけも無く、前年比70%位で推移し、何とか倒産は免れました。

先述通り、その当時の詳細は不思議と覚えていませんが、“絶対に諦めない”という気持ちが支えとなり、何とか切り抜ける事が出来ました。そんな状況を経験し、コンサルタントとして活動していることで、同じ経験をした人や他業態の人にアドバイスを求められた時に伝えたことが冒頭の【やること】【やってはいけないこと】です。

自分がこれらを出来ていたのか?出来ていなかったのか?と聞かれると、「0点」だと思いますが、切り抜け、倒産せずやって来れた今だからこそ、こうやってお伝えできると思います。

一番気になるお金の事ですが、今、払えないものは払えないなら、払う先に「払えない」と正直に伝えましょう。「払えない」は“今”であって、“先”にも払えないのではなく、あなたは“払う気”があるはずでしょう。ですから、「先に必ず払います」と言えばいいのです。

“原因と結果の法則”通り、「今起きていることは過去にしたことの現れ」ですから、もし、あなたの申し出を受け入れてくれるなら、相手は過去にあなたと良好な付き合いをしていた証拠でしょう。逆に断られたなら、相手は過去にあなたと不健全な付き合いをしていた証拠でしょう。なので、“イマサラ”じたばたしてもどうしようもありません。もし、あなたが願わぬ結果が起きているなら過去を反省し、先に教訓として活かしましょう。

不安になっても、悩んでも、焦っても、悲しんでも、何をどうしても状況を変える事は出来ませんが、あなたの心の中はあなた次第で変えることが出来るはずです。命を誰かに取られることはありません。なので、どうか落ち着いて冷静に今を受け入れて、過去を振り返り未来を考えましょう!

重要な事は、この嵐が過ぎ去った後に、この嵐で何を学び気付いたのか?そしてそれを如何にして先に活かすのか?だと私は思います。

心を強くもって、シッカリと足を踏ん張って切り抜けましょう!

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