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外出自粛中に心を健康に保つヒント

日本もいよいよ緊急事態宣言。
医療従事者の方々は最前線で戦っていますが、残念ながらそういう形で貢献できない私たちができるささやかなことが、家にいるということ。

ニューヨーク州で働く精神科医の方が書いた外出自粛期間中の過ごし方のヒントがシェアされていたので翻訳しました。長いのでこちらにアップしてみます。

要点としてはきちんとセルフケアを心がけること、また、この変化を繊細に感じとっている子どものサポートをすることです。

当たり前なことのようで大切なこと。
役に立つようであればシェアしてください。
みなさんが健康で安全に過ごせますように。

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外出自粛中に心を健康に保つヒント

1. ルーティンを作ること。適切な時間に就寝し起床してください。仕事だけではなくセルフケアの時間を含めた、変化に富んだスケジュールを組みましょう。

2. 今の(人に会わないような)社会生活ではなく、自分が求める社会生活に合った装いをすること。着やすい服を着て、きちんと入浴、洗顔、歯磨きをし、ゆっくりお風呂に入りフェイシャルケアをして、明るい色を取り入れることを心がけましょう。身につけるもので気持ちは大きく変わります。

3. 1日1回少なくとも30分、家の外に出ること。人と触れ合うことが怖いなら早朝や夜の時間、そしてあまり人がたくさんいない場所を選びます。自分自身のリスクが高い場合や、家族にリスクの高い人がいる場合は、外出するのではなく窓を開けて扇風機などで換気をします。新鮮な空気を取り入れることの気持ち良さを感じてください。

4. 毎日少なくとも30分、体を動かす時間を作ること。外に行かなくても、体を動かすのに役立つ無料のYouTubeビデオがたくさんあります。もし全部しっくり来なければ音楽をかけて踊ってみるのはどうでしょう。

5. 誰かと連絡を取ること。1日1回、少なくとも30分。FaceTime、Skype、電話、SMSなどを通じて、誰かからサポートしてもらったり、誰かをサポートしてあげたりしてください。子どもにも同じことをさせてあげてください。お友達に会えずに寂しい思いをしている子どものために、FaceTime、FacebookのMessenver Kid、Zoomなどオンラインで遊ぶ環境を作ってあげます。

6. よく食べ、水分をしっかり摂ること。あたりまえのことのようですが、ストレスがあると食生活が乱れがちで、食べ過ぎたり、食べるのを忘れたり、食事を避けたりすることがあります。水をたくさん飲み、美味しく栄養のあるものを食べてください。また、何か新しいレシピに挑戦してみるのも良いでしょう。

7. セルフケアのための自分だけの道具箱を整えること。効果的なセルフケアの手法の多くには、感覚を刺激するものが含まれます(7つの感覚: 触覚、味覚、視覚、聴覚、嗅覚、前庭覚(動き)、固有受容(力加減))。それぞれの感覚に関連するアイデアを挙げていきますので参考にしてください。柔らかいブランケットやぬいぐるみ、ココア、旅行の写真、心地よい音楽、ラベンダーやユーカリのエッセンシャルオイル、ブランコやロッキングチェア、加重ブランケット。日記、インスピレーションの湧く本やマンダラ塗り絵。シャボン玉を吹くことや紙の上に水彩絵の具を吹いて絵を描くのも視覚的に楽しいですし、呼吸をコントロールする練習にもなります。ミント味のガム、ブレスケア用品、ジンジャーエール、棒付きのシャーベット、氷嚢など、ひんやりするものは不安の解消に役立ちます。子どもにとっても、気持ちがコントロールできなくなってしまうような時に素早く対処できる、自己調整のためのコンフォートボックス(例えば自分でデコレーションのできる靴箱や容器)を持っておくと役に立つでしょう。

8. 子どもとたくさん遊ぶこと。子どもは自分の気持ちを直接的に伝えることは少ないかもしれませんが、遊びを通じて気を引いたりコミュニケーションを取ろうとします。病気に関することやお医者さんごっこ、または隔離といったテーマが遊びの中に現れても驚かないでください。遊びは子どもにとって感情を浄化する作用があることを理解しましょう。多くを目にし経験している今、子どもがその視点から見た世界を理解し問題を解決することを遊びが助けてくれます。

9. 疑問を持つことや人との距離を保つことの利点を受け入れること。引きこもっている時間が長くなるとその人の短所が出てきてしまう場合があります。誰でも常に一番いい自分でいられるわけではありません。苛立ちはさらりとかわし、売られた喧嘩は買わず、遺恨を残さず、意見の相違を持ち続けないこと。この一大事をどうにか乗り越えようと、それぞれできる最大限の努力をしているのですから。

10. 自分だけの避難場所を見つけること。都会に住んでいると贅沢なことかもしれません。仕事の空間とリラックスできる空間を分けることをぜひ検討してください。また、子どものストレスが高まったときに避難するための場所を作るのを助けてあげましょう。ブランケット、枕、クッション、スカーフ、ビーンバッグ、テント、「秘密基地」などを使って、居心地のいい場所を作ります。お互いの距離が近いときでも、一人になれる特別な場所があると知っていると楽になります。

11. 子どもが問題行動を起こす可能性があることを理解し、優しく対応すること。これまでの日常生活が壊れることはしんどいものですが、特に子どもにとっては、普段周りの人が作ってくれる安全で予測可能なルーティンが壊されてしまうことになります。不安、心配、恐れ、悪夢、まとわりつき、睡眠障害、癇癪、限界を試す行為などが増えるかもしれません。行動や習慣を強く制限せず、大人が安定しているところから子どもとの精神的なつながりを大切にしてください。

12. 安全とつながりに焦点を当てること。私たちはこれから少しの間、行動が制限され隔離された中で、仕事の期限を守り、子どもたちの勉強を見て、除菌のために掃除に励み、たくさんのエンターテインメントを提供するという、前例のない要求に応えなくてはいけません。大人である私たちはあらゆる期待に応えることに没頭することもできますが、子どもにとっては予測できない恐ろしい時期であることを忘れないでください。よりつながりを強くするために、子どもたちがしたいことに沿って過ごす時間を作り、身体に触れ、遊び、癒される本を読み、そして一緒にいることの安心感を言葉で伝えてください。

13. 期待値を下げ、ありのままの自分を受け入れること。12番とも関係していますが、私たちは今、恐怖とストレスの下、あまりに多くのことを達成しようとしていますが、これは必ずしも良い方法ではありません。代わりに「ラディカル・セルフ・アクセプタンス」を自分に許しましょう。これは、自分の全てを受け入れ、今の状況を受け入れ、疑ったり責めたり拒絶したりせずに自分の人生をすべて受け入れることです。今の状況に対して、間違ったやり方などはありません。決まった方法や前例があるわけではないのです。私たちは皆、このあり得ない状況の中でできる最善を尽くしているのですから。

14. ソーシャルメディアや新型コロナウイルスに関する会話を、特に子どもの周りでは制限すること。新型コロナウイルスに関する情報は山ほどあり、刻一刻と変わっています。多くの情報は、センセーショナルでマイナスの方向に歪められており、警戒心を掻き立てます。定期的にチェックする信頼できる情報源を見つけ、最大限30分、2-3回というように時間を決めて1日に数回だけ確認するようにします。子どもの耳に届く場所でニュースについて話したり警戒心を書き立てるような会話をしないこと。子どもたちはきちん見聞きしていて、それによってとても怖い思いをすることがあります。

15. 人助けをしている人たちなど、世界の良い面に目を向けること。このパンデミックについては、ネガティブで恐ろしく、圧倒されるような情報が溢れています。同時に、自己犠牲や寄付といった互いに助け合うための素晴らしい試みも数多く伝えられています。重苦しい情報ばかりではなく、希望を持てる情報に目を向けてバランスを取ることが大切です。

16. 他の人の手助けをすること。小さなことでも大きなことでも構いません。他の人にお返しをする方法を見つけてください。レストランを支援したり、誰かのために買い物をしてあげたり、近所のご老人の様子を確認したり、気持ちを健康に保つためのヒントを書いたり。自分の力が及ばないことばかりだと感じる時、人の手助けをすることで自分の主体性を感じることができます。

17. 自分の力でコントロールできることを探し、それを十分に感じてみること。多くのことが不透明で気持ちが参ってしまうような時、自分の世界のどこか片隅をコントロールしてみてください。例えば本棚の本を並び替える、クローゼットの整理整頓をする、家具を組み立てる、おもちゃをまとめるなど。周りとが混沌としている時、このように手の届くことに取り組むことで、地に足をつけ心を落ち着かせることができます。

18. 何か長期的にできるプロジェクトを見つけてやり始めること。ピアノを習う、巨大なジグソーパズルに取り組む、15時間に及ぶボードゲーム「リスク」を始める、絵を描く、「ハリー・ポッター」シリーズを制覇する、シーズン8まであるようなテレビ番組を一気に見る、カギ編みのブランケットを作る、ルービックキューブに挑戦する、「どうぶつの森」の新しい町を作るなど。今こそ、外の世界で起きていることから一呼吸置くために、忙しく取り組んで没頭できることを始めましょう。

19. 繰り返しの動きや左右の動きに取り組むこと。研究によれば、繰り返しの動き(編み物、塗り絵、絵画、粘土、縄跳びなど)、そして特に左右の動きのあるもの(ランニング、ドラミング、スケート、スキップなど)は、ストレスの多い時に気持ちを落ち着け自己調整することを助けてくれます。

20. 芸術的な表現力を発揮できる方法見つけ、それに取り組むこと。感情を司る脳の部分は、創造的な芸術を受け入れる部分であると同時に感情をリリースする扉でもあります。自分にあったクリエイティブな方法(彫刻、ドローイング、ダンス、音楽、歌、遊びなど)を見つけて取り組んでみましょう。どれくらい感情が解放されるか感じてみてください。芸術的な表現は子どもにとっても感情を表現し、伝えるためのとても有効な手段です。

21. 日常の中に明るさやユーモアを見つけること。心配事はたくさんありますし、心配するに値する理由もあります。重苦しさはありますが、面白いことでバランスをとりましょう。YouTubeの猫の動画、Netflixのコメディ、面白い映画など、日常の中に毎日何かしらの喜劇的な息抜きを取り入れてください。

22. 必要な助けを求めること。もしセラピストや精神科医にかかっているなら、遠隔でカウンセリングや診療が受けられるかもしれません。これまで受けてきたセラピーや処方されていた薬があれば、できるだけ続けるようにします。この状況への対応が難しいと感じているなら、この機会に初めてそのような助けを求めることも一つの方法です。子どもの先生やその他のサービスを提供してくれている人たちも、その力の及ぶ範囲で助けになってくれるはずです。特別な支援が必要な子どものためにはそのサポートをしてくれている人たちがいるかもしれません。家で子どもを見ている人たち、親同士や近所など、サポートグループを探してつながりを確認しましょう。物理的な距離は離れていても、そこに助けや支援がなくなったわけではありません。インターネットを使ってつながることができるのです。

23. 隔離期間を、その時その時の「かたまり」に分けてみること。今起きていることに青写真はありません。1日、1週間、あるいは1ヶ月後にどうなっているのか検討もつきません。圧倒されるような出来事に不安になっている患者と話す時、私は「かたまりにする」作戦をすすめています。向き合っている問題を対処できそうな小さなカケラにして、そのカケラに焦点を当てるのです。例えば、5分、1日、1週間ごとでも構いません。自分にとって対処できそうな期間を設定して、心配する時間にも区切りを与えます。一度にひとつのかたまりだけに向き合い、小さなカケラ単位でストレスを乗り越えて行きます。

24. 毎日、この状況は一時的であることを思い出すこと。活動を自粛し自宅で隔離されていると、まるで終わりが来ないように感じられるかもしれません。どのくらい続くのか考えることも恐ろしいでしょう。この困難で恐ろしい状況がいつまで続くかはわかりませんが、人生の中で一時的なことであり、いつかは過ぎることだと思い出す時間を毎日持ちましょう。これから訪れる未来の日々に対して、改めて自由や安心を感じ、忙しく取り組み、つながりを感じられるでしょう。

25. 学びに気づくこと。この危機的状況は悲しく意味不明に感じられます。時には回避可能だったのではないかと思えるかもしれません。精神科医が患者のトラウマに取り組む時、その人のトラウマを解消する手助けをする大切な点は、主体性を感じること、前向きな結果を生み出すことのできる可能性に目を向けること、破壊の後に生み出されるものやその意味を見いだすことです。些細なことでも大きなことでも、この危機的状況に学びがあるとしたらそれはどんなものでしょう?私たち自身あるいは家族、コミュニティ、国、世界においてて、変えるべきことがあるとしたらそれはどんなことでしょう?

アイリーン・M・フェリシアーノ博士(臨床心理学博士)
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私は現在、米国コロラド州に住んでいます。私が住んでいるエリアではコロラド州内の感染者が50人未満だった3/12に翌週から小中高の休校を決定、週が明けて3/16には州内の感染者数が160人まで増え、バー、レストラン、映画館、ジムやヨガスタジオなどの閉鎖(レストランは宅配とピックアップのみOK)、3/18にはスキーリゾートが閉鎖しそれ以外の場所でも10人以上で集まってはいけない旨が告知されて、3/19には不可欠ではない医療業務、ネイルサロンやスパなどが閉鎖、3/21にはロッキー山脈国立公園が閉鎖、3/25には州全体で自宅待機命令。本日、自宅待機が4/26まで延長されることが告知されました。

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