言葉にできないときは歌えばいい②声楽と洋楽
私が歌を習った経験について語ろうと思う。一つはクラシックの声楽。もう一つはボーカルスクール。
声楽のレッスンの思い出
音楽科を受験するにあたってピアノを選択したのだが、他に声楽とソルフェージュも必要だったので、それぞれ高一からレッスンを受けることになった。
声楽の先生はいつもレッスン室に入るとイタリア語の辞書を静かに読んでいた。三つ編みのようなアレンジで髪を品よくアップにしてる先生。
力任せに歌いあげるスタイルではなかった。体があまり丈夫じゃない感じ。私は自律神経が弱く、ストレスで常にどこかしら不調を抱えていたが、先生も体調管理に苦労するタイプらしく、よくアドバイスをくれた。あくまでクールに。
今でも覚えてるのは、レッスンになると緊張で喉がおかしくなる私に、「喉に手を当ててゆっくり呼吸をしていると治ります。」とちょっとあきれながら教えてくれたこと。
試したらほんとに治ったのには驚いた。ハンドパワー。メンタル弱い人は試してみるといいかも?
舌の先を少し噛んでハミングすると鼻に響くんだけど、その声の出し方をとにかく覚えるまで教えてくれた。体の使い方は特に教えてくれなかった。とにかく鼻。
歌はイタリア歌曲なんだけど、あんまり発音については言われなかったな。
あるとき他の先生に教えてもらう機会があった。その元気な男の先生は私が神経質に歌ってるように感じたのか、
「もっと思い切って歌ったらいいんだよ〜!歌ってごらん!」
って力強く言ってたから、そうなのかなと思った。
次にいつもの先生のレッスンに行ったら先生が「どうだった?なんて言われた?」と聞くので正直に答えたら怒ってたな〜。「そんなこと言うのどこの先生⁈」ってさ。もちろん褒められると思ってたんだよ、先生は。
先生によって流派みたいなのがある。
厳しいけど基礎を丁寧に教えてくれる先生でほんとに良かった。
大学に入学したとき、入試で一緒だった子がすごくキレイな声だったから覚えてたって声をかけてくれたり、声楽の授業で、もう一人のレッスンを受けてた子と比べて、
「rosemaryは建物に例えたら基礎がしっかりしてるんだ。上に建ってる建物は大したことないが君は逆だ。上に建ってる建物は立派だが土台がダメだ。」って、複雑な褒め方されたりした。その子は上手だったけど無理して歌うから喉を痛めてね。つらそうだったよ。
その大学の声楽の先生は、rosemaryの声は品があって美しいってよく言ってくれた。やっぱり高校三年間お世話になった先生は正しいレッスンをしてたんだなって思う。
派手だからってうまいわけじゃないんだよ。
ボーカルスクールの思い出
声楽を習っている間、密かに自宅で洋楽を歌い、大人になる頃には自分なりに歌い方が分かって、ロックや力強いR&Bも歌えるようになっていた。
声楽で習った成分をミックスさせながら、地声みたいな裏声を出せるようになり、自分がどれだけのものか腕試しがしたかった。
とあるボーカルスクールにしばらく通った。グループレッスン。歌を習うのは二回目だし、どんなレッスンをするのか興味深々だった。
結論から言うと、発声法について教えてもらうことはなかったな。教科書の基礎練習をみんなでやって、あとはそれぞれ自由曲を歌ってアドバイスをもらうだけ。
やっぱり自分で学ぶものだなと思った。そしてバンドを組んで行う発表会が終わったらすぐやめた。この辺は前にも書いたね。でも自信になったよ。人前でも通用するんだって。
これがあったから今ネットに歌を公開してると思う。感謝だね。
常に力試しをしたいのだ。
それが楽しい。
まだ一度も満足したことないけどね。
自分最高って思えたらいいけどね。難しいよ。
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