ユン・ドンジュ『空と風と星と詩』第二回/「帰ってきて見る夜」【えるぶの語り場】
ソ:読んでみてシュベールが気に入った詩を教えてもらっても良い?
シュ:一番は「帰ってきて見る夜」かな。
一人暮らしの身として共感した。
「世の中から帰ってくるように いま私は狭い部屋に戻ってきて灯りを消しまする。」ってあるけど、僕も家に帰ると灯りを点けないんだよね。
会社って常に灯りが点いていて、夜になっても昼間みたいに明るいんだよ。
でもそれって朝起きて夜は寝る人間にとってすごく不自然で疲れることだと思うんだ。
だから
「灯りをつけておくことは、あまりにも疲れることでありまする。それは昼を更にのばすことでもありますので」っていう第一連にすごく惹かれたんだよね。
ソ:なるほどね。
実は言うと僕はこの詩からはあまり深い印象を受けなかったんだよね。
それは僕が常に家にいる学生だからだと思うんだ。
サラリーマンをやっているシュベールだからこそ感じ取れるものがあったんだね。
シュ:うん。社畜だからこそ身に染みるものはあったのかな(笑)
「一日の鬱憤 洗い流しようとてなく」とかね(笑)
ソ:文学において作者とテキストの関係がよく問題になるけど、
テキストと読者っていうのも実は大問題だよね。
同じテキストも読み手の持っている背景によって受け取り方が違ってきたり、感動できたりできなかったり。
だから、この詩からはあまり受け取るものがなかった僕としてはシュベールが羨ましいな。
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