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ストレスの話② 長期のストレスと副腎を疲労させるリスクファクター

ストレスの話①では、「ストレス反応を理解する」というものでした。

今回はストレス反応が長期に渡った場合どうなるのか、

そして副腎を疲れさせるリスクファクターについて

考えていきたいと思います。

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コルチゾールって何?

ストレスにさらされて

一番に影響が出るホルモンがコルチゾールですが(他にも影響しますが)

コルチゾールは、ストレス時以外にも活躍しています。

私たちが朝起きれるのはコルチゾールのおかげです。

朝、徐々に分泌され起きる用意が始まり、起きてから少ししてピークになり、徐々に分泌量が下がり、夜寝る準備に入ります。

コルチゾール

(画像はここからお借りしました)

メラトニンがこのリズムの反対です。なので睡眠はメラトニンだけでなくコルチゾールがとても重要になってきます。

大事なポイントはホルモンには自然なリズムがあることです。

そしてこのリズムは過度なストレスによって容易に崩れます

ストレス時、全体を通してコルチゾールの分泌量は増えているけれど、

一番多く分泌されているはずの時間に出ていない
一番分泌が低い時間に分泌量が増える

ストレスが多いときに起こる

昼間は疲れて集中できない・眠いのに、夜はねれない

はこのようなホルモンの崩れによるものです。

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長期のストレス反応

普通は、一時期コルチゾールの数値が上がっても

また元に戻りますが

ストレスが長期になると

副腎もいい加減疲れてきます。

副腎疲労(Adrenal fatigue)」としても知られていますが

医学的には「副腎機能低下(Adrenal insufficiency)」と呼ばれます。

昼夜働きすぎた副腎は疲れから仕事の機能がおち

通常業務がこなせなくなってしまいます。

一般的な症状

▷ 慢性の疲労
▷ 不眠
▷ 朝起きるのが辛い
▷ 集中力の低下
▷ 頭がぼーっとする
▷ 食欲不振
▷ 起立性低血圧
▷ 低血糖
▷ 塩分・砂糖の欲求過多
▷ 性欲低下

これらの症状は他の疾患でも起こることなので

こういった症状がいくつもある場合は必ず医師に相談しましょうね!

少し話が飛びますが

そもそも

ホルモンや神経伝達物質は体がコミュニーケーションをとる手段です。

相互に作用しながら常にメッセージのやり取りをして調節されています。

なので一つだけを取り出して話をすることはとても難しく

一つ調子が狂うとみんなに影響することも想像できると思います。

なのでこれ以外にも他のホルモンのバランスも崩れ

上記以外の症状や不調が伴うことがあります。

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副腎が疲れやすい時

もちろん過度なストレスの時なのですが、

ストレス + リスクファクター =

特に

副腎が疲れやすくなる

①食事からの栄養・材料不足

偏った食事やダイエットなどで、副腎が機能するための栄養不足、ホルモンを作るための材料不足がある場合。

またストレス時は栄養素の需要が増えるのに、それに追いつくだけの栄養が入ってこないということもあります。

②不規則な生活習慣

睡眠不足、運動不足、不規則な生活リズム、パソコンやスマホの時間が長い、などなど

おおよそよくないって想像できる生活習慣は副腎にも負担が大きくなります。

耳が痛いですよね! 自分で書いていても痛い 笑

③薬により材料不足

コルチゾールはコレステロールから作られます。

高コレステロールのため、スタチン系のコレステロール低下薬を長期間飲んでいる場合、ホルモンの元となる材料が減ります。

(お薬は勝手にやめないでください。必ず医師に相談しましょう。)

④更年期

生殖機能が低下し始めると、少量の性ホルモンが副腎で作られます。

副腎は通常業務の上、他人の仕事が回ってくるわけです。

ただでさえ忙しい部署なのでこの時期の副腎はちょとのことでいっぱいいっぱいになります。

⑤他の疾患がある場合

前回の話であげたように、体の炎症や感染症はストレスの原因となります。

特に慢性の疾患がある場合、もはやストレス状態の体は

ストレスに対する耐性が低くなります。

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最後に

長期のストレスは、お腹の周りの脂肪にもつながると言われています。

そしてこの脂肪、取れにくいことでも有名です。

体のどこに脂肪があるかって結構大事で、

お腹の脂肪は心臓系にもよくないし、

ホルモン、特に性ホルモン(テストステロンやエストロゲンなど)にも影響します。


短期のサバイバルモードも長期になってくると体に害を及ぼします。

副腎の疲労が疑われる場合は、

一度専門家に相談しましょうね!


次回はこういったリスクファクターを少なくするため

副腎を労う食事や生活習慣について考えてみようと思います。

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