「世の中にいいこと&利益を得ること」両方を叶え真にサステナブルな会社へ【日本特殊陶業&ヘラルボニー】
ヘラルボニーは「異彩を、放て。」をミッションに、企業様とさまざまなカタチでコラボレーションし、社会課題の解決を目指しています。
今回ご登場いただくのは、日本特殊陶業。東京・表参道にヘラルボニー契約作家のアートを起用したIoTスマートゴミ箱「SmaGO」(スマゴ)を設置する、「スマートアクションプロジェクト」でご一緒しました。
日本特殊陶業とヘラルボニーが協業することになった経緯や意義、コラボレーション後の成果、今後の展望について、グローバル戦略本部 サステナビリティ戦略室長兼経営戦略室シニアマネージャー・北河広視さんにお話を伺いました。
今回のコラボレーションで起きたこと
・英文社名変更を機とした共創で、「進化する会社」としての姿を具体化
・環境配慮型のサステナビリティとDE&Iを同時に実現
「進化を続ける会社」という姿勢を社会に伝えたい
――北河さんは今回のコラボレーションが実現する以前から、ヘラルボニーのアーティストの作品が描かれた「アートボトル」を愛用してくださっているそうですね。ヘラルボニーと出会ったきっかけについて教えていただけますか?
北河広視さん(以下北河):10年以上前ですが、プライベートで障害のある方のアートを展示している美術館を訪れる機会がありました。そこでアートやグッズを販売しており、アート自体はとても素晴らしいのに、プロダクトへの落とし込み方が非常に惜しくて。ずっと心にひっかかっていたんです。
そして2、3年前、テレビのドキュメンタリーでヘラルボニーの取り組みを拝見して、「素晴らしい!」と。アート作品の魅力の引き出し方はもちろんのこと、これこそが障害のある方を社会と繋げる持続可能な姿だと感銘を受けました。そこから個人的にヘラルボニーファンになっていましたので、コラボレーションのお話をいただいた際には、すぐに「やりましょう!」とお返事しました。
――ありがとうございます。コラボレーション第一弾は、東京・表参道に34個のIoTスマートゴミ箱「SmaGO」(スマゴ)を設置するプロジェクトで、ヘラルボニーの作家のアートで彩ったゴミ箱に、御社のロゴを入れていただきました。
北河:CO2削減や、ゴミを分別し正しく捨てて、美しい環境を整備していくというコンセプトに共感したことはもちろん、そこにヘラルボニーのアートをラッピングすることは大きな決め手でした。
――こちらのアート作品は春夏秋冬で変化する仕様ですが、キュレーションにもこだわり、最初の設置時は4月2日の世界自閉症啓発デーに合わせて、そのテーマカラーであるブルーの作品を起用。東京・表参道という場所にちなみ、東京出身の作家さんが描いた作品を選びました。
北河:まさしくそこがヘラルボニーのすごさですよね。作家さんの作品一つひとつもパワーに溢れていて素敵なのですが、そこにどうスポットライトを当てて、作品の輝きを最大限に引き出していくかを、しっかり作家さんに寄り添って考えてらっしゃる。
アートで彩られたゴミ箱を見て、改めて感服しました。
――そこまで深くご理解いただき、感激しております。御社はちょうど、このコラボレーションと同時期に英文社名を「Niterra(ニテラ)」に変更され、ロゴも刷新されました。そういった意味で、今回のプロジェクトがリブランディングに寄与できた部分はあったのでしょうか?
北河:そうですね。新しい英文社名「Niterra(ニテラ)」は、ラテン語で「輝く」の意味を持つ「niteo」と、「地球」を表す「terra」を組み合わせた造語で、持続可能な社会への貢献はもちろん、「地球を輝かせる存在となる」という想いや姿勢を表しています。
そこにこの地球環境をきれいにする、アートで街を輝かせるというプロジェクトがマッチしていました。
また1936年に創立された当社は、スパークプラグを中心とする内燃機関関連を中心に事業展開してきましたが、今後は環境・エネルギー、モビリティ、医療、情報通信の分野で革新的なものづくりを行い、新たな価値を創造することを目指しています。
その意味で、今までにないことを成し遂げようとしているヘラルボニーとの共創そのものが、弊社が今後進化を遂げるというメッセージにも繋がったと考えています。
異彩アートの力でみんなの価値観が変わっていく
――今回、東京・表参道という多くの人が集まる場所、そして誰もが憧れる場所にヘラルボニーの作家のアート作品が展示されたことも注目すべきポイントでした。障害のある方やそのご家族が、街に繰り出しやすくなる雰囲気作りにも繋がったと考えています。
北河:作家さんもご家族で表参道まで見に来られたそうですね。作家さんとご家族のお話として、「作品を選んでくれて、あの場所に設置してくれてすごく嬉しい」という声が届きました。私も嬉しくなりましたね。
――ありがとうございます!社内の反応はいかがでしたか?
北河:とても好評だと感じています。
私はサステナビリティ推進を担当しており、毎週サステナビリティ通信というメールマガジンを部門から配信しています。そのなかで国内外の全社員に本プロジェクトについてお知らせしました。
すると社員から「表参道まで見に行った」「素敵だった」。さらにはアートを見たことをきっかけに、ヘラルボニーに興味を持って調べましたという声も届きました。
――社内でもポジティブな反応をいただいたのですね。
北河:はい。弊社でDE&Iを推進していくにあたっては、女性活躍にばかり目が行きがちですが、他の多様性や障害のある方への意識も高めなければならないと思っていました。
その点、今回のコラボレーションでは、まず異彩アートを見に行き、「素敵だな」と共感し、その背景について調べてみるという自然な流れで、社員の障害のある方に対する意識を変えるきっかけになったのではと感じています。
「世の中にいいことと、利益を得ること」二兎を追う企業を目指して
――今後の展開について教えてください。
北河:今年3月、「マラソンフェスティバルナゴヤ・愛知2024」の開催に併せて行われたマラソンEXPOにブースを出展しました。そこでポーチをノベルティとしてお配りしたのですが、柄には東京・表参道のゴミ箱に起用した冬バージョンのアートと同じものを採用しました。
これを機により多くの方々に、今回のプロジェクトを知っていただき、サステナブルな社会としての姿勢や、障害のある方への理解を広めていきたいで
す。
また東京・表参道に先行して、かねてより愛知・名古屋の中心地、久屋大通公園で「SmaGO」(スマゴ)を設置してきました。こちらは今まで違う柄でしたが、4月からはヘラルボニーの名古屋の作家さんのアートで彩られます。今から反響が楽しみですね。
――異彩のアートがいろいろなカタチでどんどん広がっていってますね。御社はグローバル企業でもいらっしゃいますが、海外で展開されるご予定はありますか?
北河:今回のコラボレーションで、アートは言語を超えて通じ合える部分であり、「いいものはいい」と感じ合える。そんな気づきもいただきました。現時点では具体的な予定はありませんが、これをヒントに何か検討できればと考えています。
――最後に、ヘラルボニーとの共創で今後期待されることがあれば、教えてください。
北河:今まで私自身、サステナビリティ戦略室長として、真にサステナブルな企業とは何かと考え続けてきました。
そして今回、ヘラルボニーに出会ったことにより、単なる利益の追求だけでもない、社会にいいことだけでもない、双方を両立させないとサステナブルにはならないということを学ばせていただきました。
そのため、今年度のサステナ通信の私のご挨拶の中で 、「ヘラルボニーがSocial good and business goodを体現している事例であり、今後私たちもこういう会社を目指していきたい」というメッセージを発信しました。
この価値観が、今後経営層も含め社内全体に浸透していくことを期待しています。
――ありがとうございます。私たちもいち企業として突き抜け、「異彩ビジネスとして成り立つことを社会に見せていかなければと身が引き締まる思いです。
今回のコラボレーションをきっかけに、今後も社会を変えていくアクションに一緒にチャレンジできましたら心から嬉しく思います。
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