いそぐないそぐなよ
私の好きな俳人、加藤楸邨。
俳句ってこんなにも自由なのか、
凝り固まっていた考えをキレイに打ち砕いて、新鮮な衝撃を与えてくれた彼の俳句は、今もそらんじることができる。
標記の句、元々好きな句だったが、
メンタル不調からの回復方法を調べる中で、
「焦りはメンタル不調の症状であり、難しいかもしれないけど、落ち着いて1日1日を大切に生きましょう(めちゃうろ覚え)」という旨の記述をみた際に、改めて思い出した。
最初に出会った際には
リフレインの技法だなあ、程度にしか受け取れなかったが、
今は、自分ごとと重ねてしっかり鑑賞できている気がする。
木の葉が落ちるという時間の流れはあるものの、
その時間の流れ以上に急く必要はない。
あるがままを受け取ろう。
そうはいっても、焦るもの。
だから、繰り返して「いそぐな、いそぐなよ〜」と繰り返し言い聞かせるのだ。
何度も焦っては自分を制して、その繰り返しをしてもいいじゃないか、ちゃんと自分と向き合っているのだから。
そういったメッセージを感じた。
この句を深く鑑賞できた。
メンタル不調になって、まだまだ釣り合いはとれないけど、少しは良かったことかなと。
どんな出来事も(いそがなければ)17音の詩歌に昇華できる、そんな良い趣味に出会えて良かった。
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