情報活用の四則演算

こんにちは。アルパカ編集者えむです。今日は、僕が仕事をする際に大切に思っていることを書きたいと思います。編集という仕事だけじゃなく、どんな仕事やプロジェクトにもある程度普遍的に活用できる考え方かなと思います。

タイトルで挙げた「四則演算」とは、加算(足し算)・減算(引き算)・乗算(掛け算)・除算(割り算)のことです。ふつうに算数や数学で学習する、あれのことです。

「情報活用」はあまり難しく考えず、情報をインプットして、何らかの形で加工してアウトプットすることだと考えてください。そう考えると、すべての仕事は一種の「情報活用」だと言うことができる気がしませんか? 学生の人にとっては、レポートを書いたりすることや、就職活動をしたりすることも、一種の「情報活用」だと言えるかと思います。

その情報活用において、四則演算の考え方を意識すると、どんな形の仕事やプロジェクトもうまいこと効率的にこなすことができるよ、というお話です。以下、具体的に四則に沿ってみていきます。

足し算

これは、仕事やプロジェクトの開始時、情報収集のときに意識するとよいでしょう。仕事を行う際にまず重要なのは多くの情報を集めることです。ひたすら情報を足していくことをイメージしながら、あらゆる角度からあらゆる情報を集めたいものです。

例えば、あなたが料理本を作ることになったとします。どんな本を作るといい本ができるかなぁとぼんやり考えているだけでは、なかなかプロジェクトは前に進みません。こうしたときは「料理」というワードに関する情報をひたすら集めます。最近でいえば、SNSで流行している料理は何かな?とか、日本だけじゃなく海外で流行している料理は何かな?とか、料理を切り口にした文章を書くことができる執筆者はいないかな?とか。ここで挙げたのはすごくベタベタですが笑、とにかくさまざまな角度から「料理」に関する情報を集めていきます。このときは、最終成果物のことを意識する必要はありません。ひたすらインプットを足し算していきます。ここではインプットの量がとにかく重要です。インプットの量が、後の成果物の質につながると思ってたくさんの情報を足し算しながら集めるといいですね。

引き算

これは、仕事やプロジェクトにおいて成果物を形にするときに意識するとよいでしょう。情報収集は足し算思考でとにかく多くのものを集めましたが、それらを使って何かを形にするときは、情報を精選する引き算思考が必要になります。

僕たち人間は、どんな人も基本的に欲張りです。何かを作るとき、集めた情報や持っている素材はすべて盛り込みたいと思ってしまいがちです。でも、それでできあがるモノは、フォーカスはぼやけ、非常に雑然としたものになってしまいがちです。例えば、炊き込みご飯を作るとき、おいしいからといってカニを入れてタケノコを入れて鶏肉も入れてレンコンも入れて…と足し算思考で調理を進めていくと失敗してしまうのは目に見えていますよね。笑 あなたが作るモノについて、それを作る目的と、それを伝えたい・贈りたい相手のことを意識して、必要な情報のみに引き算していくことが、よいモノを作るコツだと思います。

掛け算

これは、仕事やプロジェクトの企画段階など新たな発想が求められるときに意識するとよいでしょう。自分が持っている情報や素材を掛け合わせて、新たな発想を作るんです。

新たな発想って、なかなか出ないものです。もう、あなたが考えようとしていることは、これまでの長い時代で考えつくされたと思っていいと思います。たとえば、「メディア」というジャンルの歴史を見てみると、本をつくるための活版印刷が生まれてから600年弱経過しており、テレビが生まれてから150年弱経過し、インターネット(ワールドワイドウェブ)が生まれてから30年が経過しています。時代を経るにつれて情報の伝達速度は速くなり、いわゆる発想・アイディアが消費されるスピードも速くなっていっています。なので、新たな発想をゼロから作るというのはいわゆる「ムリゲー」だということを認識しておきましょう。新たな発想はゼロからではなく、既存のモノゴトを掛け合わせて作るのです。先の料理本の例えでいえば、スポーツ選手×勝ち飯、アイドル×キャラ弁、芸人×節約飯など、書き手×テーマの掛け算をするとなんだか新しいものが生まれてくる気がしますよね。X × Yの「X」と「Y」に、足し算で集めたいろいろな情報を当てはめて、新たな発想を探してみましょう。

割り算

これは、仕事やプロジェクトで難しい問題に当たったときや進め方がわからなくなったときに使います。難しい問題にぶち当たると、焦ったりパニックになったりしてしまいますよね。でも、落ち着いて、どんな難しい問題でも、よく分からない物事でも、割り算思考で単純な要素に分解していきましょう。

これは、何だかハードそうなプロジェクトを進めなければいけないけれどやる気が起きないときにも使える考え方です。例えば、就活とかもそういう1ジャンルかなと思います。笑 でも、「就活」というプロジェクトを割り算思考で分割していくと、意外と取り組みやすくなります。たとえば、PCを立ち上げる、就活サイトで検索するワードを決める、就活サイトでエントリーしたい会社を10社挙げる…なんて形でやるべきことを分解してみると、一つ一つの事柄がそう難しくないことにも思えてきませんか?


「情報活用の四則演算」、いかがだったでしょうか。シンプルな考え方だからこそ、いろいろな仕事やプロジェクトに活用することができるかと思います。

本日の記事は以上です。読んでいただいてありがとうございました!

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