これからの人に新しい光を感じる時。
~少女漫画誌の編集長がフォロワーさんの質問に答えていく。⑨~ (2019.2.14.タイトルのみ変更)
前回久しぶりに質問にお答えしてみたら、とっても沢山の方に読んでもらえたようです。どうもありがとうございます。すごく嬉しいです!
せっかくなので、続けてもう一つ質問にお答えしたいと思います。
今回の質問はこちら。
「デビュー希望の漫画家さんの漫画を読んだ時に、この人ヒットしそうだなと思う瞬間は?」
前回同様に、デビュー前の方たちの作品を読んだ時に思うことに関連した質問です。
「どこを見て、何を見抜いているのか。」
編集者がどういうところに着目して作品を読んでるのかって、皆さん気になるのですね。
僕は特別な能力や目を持っているわけではないので、未だにいつもちゃんと作品を読めてるのか緊張しますし、noteに書いているのも、自分がちゃんと出来てるかどうか確かめたくて書いてるところがあります。
なので、皆さん他の意見だったり、何か変だなと思うところや突っ込みどころがあったりしたらぜひ教えてくださいね(^o^)
ヒットしそうな人って?
前回が、基本的にどんな風に読んでいるかという質問だとしたら、今回は「ヒットしそうな人はどこを見ると分かるのか。どこが違うのか」という少し角度の異なる質問ですよね。
で、この質問をくれた方は、よく漫画家漫画や編集者漫画にあるような、 「一目見ただけで『すごい才能の持ち主だ!』と震えるような時」はどんな時か、というイメージなんですよね、きっと。
僕の場合は、正直に言うと。。。
一つだけあります。
(あ。震えたりはしないですよ。僕は嬉しくてニヤニヤしちゃう方です。)
正確には二つなのですが、どちらにも共通していることなので一つです。
一つは絵を描く時に、物事の捉え方がすごくいいということ。
ちゃんと見て描いているのはもちろん、その捉え方がいいこと。つまり、人物や背景が一番よく見えるような瞬間、力加減、態勢、構図、配置、アングル、光や風、温度湿度、などを捉えているということ。
もう一つが、人間の描き方。
その作者が本当に知っている、感じている、人間のよい部分、可愛い部分、カッコいい部分、本音、ダメな部分、情けない部分、味わいたい感情、味わいたくない感情などを描けていること。
どちらにも共通しているのは、すごくいい目の持ち主であるということです。
なぜ「いい目の持ち主」という言い方をするかというと、普段何も見てなくて、いきなり作品を描く時だけ頑張ろうとしても多分無理だからです。なんでもよければすぐ見つかるかもしれませんが、「いいもの」を見つけようと思うと簡単にはいきません。
日頃から色々なことを見て感じて、それを何かの形で残して試行錯誤して、またさらに色々なことを見ている人。
(着目→観察→価値観というフィルター→ストック→客観視→また着目、という感じでしょうか)
選び抜かれた「どこを見て何をいいと思ったのか」が少しでも伝わってくる原稿を見ると、僕はおおっ!と思わされてしまいます。
あくまで僕の場合はですけれど、そういう人には大きな可能性を感じます。
「いい目の持ち主」には何が見えてるのか、同じものを見た時にどう思うのか、これから何を見ていくのか。
僕は知りたくなるし、きっと作品を読んだ人も同じように知りたくなっていくと思うし、そういう人がどんどん増えていく可能性を感じるからです。
……ただし、可能性です。念のため。
なぜそんなことを付け足したかというと、「ヒットしそうな人」がみんなそのままヒットまでたどり着けるほど簡単な世界ではないからです。
だから前回書いたように、他にも様々なことを汲み取ろうと思って原稿を読みますし、原稿からだけでは分からないことも見ていく必要があります。
その話はまた次に書いてみます。
ではでは。
※今回も「みんなのフォトギャラリー」を使わせていただきました。ありがとうございます!(今年になってからの投稿のヘッダー画像が朝、昼、夜となってしまいましたが、たまたまです(笑))
※感想、質問、どんなことでもいいのでお待ちしてます! コメント欄またはツイッターでよろしくお願いします(^o^)
※デザートの漫画はHPで全作品1話丸ごと無料で読めます。よかったら遊びにきてください!
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