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遠い昔の箴言は無効

 2023年10月28日
 午前6時半後頃の寝起きに浮かび上がった。

(文字数:約500文字)


 遠い昔の箴言は、
 参考にはなってもそのままでは、
 現在に適応し切れない。

 当時の社会の中で、
 当時の共通認識を元に、
 理解される言葉だからだ。

 見限れば、
 自分たちの立場だけは守られる。

 理由付けて切り捨てれば、
 自分だけは正しい側にいると、
 思い込んでいられる。

 そうした臆病が詰まっている。

 しかしその一方で、
 見限られた自分が、
 理由付けられ切り捨てられた自分が、
 腹の内で己すらも気付けない、
 傷を受け痛みを感じ涙を流している。

 私は人それぞれの、
 そうした部分に突き刺さる事を願いながら、
 小説を書いている。

 従って、
 表層からは受け取られなくとも、
 鼻で笑われようとも、
 読み流されて即忘れ去られようとも、
 構いはしない。

 貴方がたの内面には必要なものと信じており、
 内面の無い人間などいないからだ。

 人によっては、
 見詰めたくもない、
 葬り去ってしまいたい部分であり、
 存在に気付かせようとする者が、
 ただただ不快である事は分かっているが、

 そうしたところに気付けずして、
 隣人、すなわち他者への情などは、
 思い浮かびようもない。


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