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一風変わった奥の院歩き:一の橋

 実はここからが今回の旅のメインイベントだったりする。


イベントの概要

  月曜火曜にかけて語り倒したその、
  私がどハマりしている奥の院を、
  立ち並ぶ墓石群には基本見向きもしないで、
  2時間半かけて歩き倒すという。

  なぜなら森林組合の人が案内してくれるって言うんだ。
  それは面白そうだと飛びついたんだ。

  定員15名の抽選になると言うから、
  半ば諦めていたんだが、
  実家の家族からは嘲笑われるレベルで、
  壊滅的にクジ運が無いはずのこの私が、

  めっちゃ行きたいチケットだけは、
  なぜか手に入ったりするんだぜ。
  (そもそも抽選母集団が少なそうなイベントを、
   狙っている自覚はあります。)

  以下、
  歩きながら聞いた話のメモ書きをまとめたもので、
  教えて頂いたそのものよりは、
  個人的主観が多く混じっています。悪しからず。

コノハズクorブッポーソー

  まず参加者を識別するために、
  帽子とか服の端とかに付ける、
  杉の端材で作ったバッジをもらった。

  バッジのイラストはコノハズク。
  森林組合のロゴマーク。

  昭和34年、
  高野山道路が開通した結果、
  高野山からは消えてしまったこの鳥が、
  また棲み付ける森に戻したい、
  という理念を表しているという。

  実はブッポーソーという鳥の、
  鳴き声と勘違いされていた。

  「仏・法・僧」の三宝を敬えという、
  仏教理念を表した鳴き声を持つ霊鳥とされていたのに、
  鳥違いだったばかりか、
  その鳴き声も無くなった。

  余談ですが仏教系の学者や指導者であっても、
  その三宝を、
  「仏像・経典・僧侶」のことだと、
  勘違いさせるような語り方をする人はいますので、
  お気を付けて。

  私の理解では(これも厳密な正解ではないですけれど)、
  「命、自然法則、縁」です。

そう言えば植物由来だったな

  先生が森林組合の方だけあって、
  希少な植物を見つけては立ち止まります。

  ヒメフタバランとか、
  チャルメラソウとか、
  ツボスミレとか、
  チゴユリとか。

  しかしその辺は図鑑を見ればよしとして、
  なぜ奥の院には希少植物が生えまくっているか。

  菌類コケ類地衣類がとにかく豊富。

  台風で倒れた木の切り株を見せてもらったけど、
  樹齢数百年になる太さの杉が、
  内側から腐って空洞になっている。

  空洞に近い切断面の色は黒っぽい。

  実は褐色普及菌という細菌の仕業で、
  黒っぽい所に存在するリグニンという成分が、
  高純度で取り出せたら資源になるっていうんだ。

  いわゆる石油だ(しかしざっくりまとめてます)。

  石油って人工物とか化学工業的なイメージ強いけど、
  天然資源であり植物由来だったな。

実は人工林

  ところで奥の院の森林ですが、
  一番古いもので600年以上に渡って、
  信者たちが日本全国いろんな土地の植物を、
  運び集めて植樹したものなので、

  今や自称・日本一背の高い森となっている。
  (700本は森林組合で登録済みだけどもっと多い。)

  参道の左右両側で、
  枝が垂れている松と、
  枝が空に向け伸びている松とに、
  分かれていたりする。

  枝が垂れている松は、
  豪雪地方から来たものだという。

  歳月を経て杉の木が4本も合体していたり、
  光を求めて伸びていく内に太い幹が割れたりしている。

  割れて傾いて危ないからって切ろうかと思えば、
  ちょっと離れたところの杉の枝が、
  上手い事支えてくれていて大丈夫だったりする。

  墓石だけじゃなく植物まで、
  土地にかかわらず受け入れてんのかい、
  と思ったものの、

  森林組合的にはあまり誉められた事でもない様子。
  そりゃだって本来は、
  その土地の気候に見合った種別・個体の木を植えなくちゃ。


高野山の旅まとめ

  

 

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