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お前は死んでもいいんだぞ! 山中りんたそ

 日常的に「殺せ!」とか「刺せ!」とか「死んでいい!」などのフレーズを他人に向かって言ってたとしたらだいぶヤバいヤツだ。しかし、総務省のデータ(社会生活基本調査 2021年)によると、日本の6.3%の人は日常的に言っているはず。私ももれなく、その1人である。

 この6.3%という数字は人口に対する野球をしている人の割合である。

 野球というスポーツはどうしてこうも言葉遣いが悪いのか。「前のランナーを殺してから・・・」「外野、刺せる位置・・・」「お前は死んでいいんだからバントを・・・」正岡子規の翻訳の仕方がまずすぎるな。

 野球をやっている人間からすると、この言葉遣いについて物騒に思ったことは一度もない。土日の野球グラウンドに行けば、小学生から大人までみんな大きな声で殺人教唆の罪を犯しまくっている。

 ここで危惧されるのが、野球とは無縁の生活をしてきた方がこれらの発言を聞いたらどう思われるかだ。
 何を隠そう、私は現在、中学校野球部の顧問であるが、5人の部員は全員初心者。おまけに保護者の方の中に、野球経験者はなし。うっかり、練習試合で「殺せ」だ「死んでいい」なんて大声で言おうものなら、「顧問の先生はなんて野蛮なんでしょう!うちの子に死んでいいなんて、、、。教育委員会に訴えてやる!」なーんてことになりかねない。

 ここは1つ言葉遣いを丁寧にすることを心がけて、「前のランナーを天に召してから・・・」とか「外野、ランナーの生還を許さない位置・・・」や「あなた様は人身御供なのだからバントを・・・」と言うようにしよう。


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