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ビジネスサイドの人間が、DMBOKを読み始めて30秒で首がもげるほど頷いた話

※この記事は、datatech-jp Advent Calendar 2021の2日目の記事です

はじめまして、へなちょこと言います。データ活用の企画・推進の仕事をしている、いわゆるビジネスサイドの人間です。この記事では、私がDMBOKを読んで、首がもげるほど頷いたポイント「首もげポイント」を紹介します。

2021年、最も頷きながら読んだ本。それがDMBOK2


読み始めて30秒でうなずき始めた

自分でも驚いたんですが、DMBOKの1章1項の第1段落でめちゃくちゃ頷きました。笑 それがここです↓

Deriving value from data does not happen in a vacuum or by accident. (データから価値を引き出すことは、何もしないで偶然にできることではありません。)

DAMA DMBOK2nd Edition P17

この文章におけるポイントは、以下の2つが言語化されていることです。

  1.  データマネジメントの目的は、何らかのビジネス的な価値を生み出すことである

  2. データを持っているからといって偶然価値が生まれることは、絶対にない

首もげポイント① データマネジメントの目的は、何らかのビジネス価値を生み出すことである

データマネジメントを考える上で、ビジネス価値(簡単に言うと金)への目配りが非常に重要だと考えています。

というのも、データマネジメントはガバナンス、DWH、データ品質、メタデータ・・・などなど、多くの専門領域に関わるもので、逆に言うといくらでも金と時間をかけられてしまう領域だからです。

データマネジメントに取り組んでいると、ある日「どこまで金をかけるの?(いくら儲かるの?)」という無邪気な質問が飛んでくる日がやってきます。

それ、いくら儲かるの?おじさん



この質問を受けると、私たちは「あるカラムの精度を 97%→98%に上げること」や「マスタデータの更新頻度を今までの2倍に増やすこと」などの価値を考えることを迫られます。そして大抵の場合、ビジネス価値に関する説明を後付けすることは非常に困難です。

「べき論」や「データの気持ち悪さ」だけでドライブされていたプロジェクトが、価値に関する質問に答えられず消えて行くのを何度か目にしました。

DMBOKでは、データマネジメントに関する様々な要素がカバーされていますが、全てが「いかに価値を生むか」に帰結するように整理されており、ビジネス価値を考える上での一つの指標となります(全体感は4章のData Architectureで詳説されてますね)

首もげポイント② データを持っているからといって偶然価値が生まれることは、絶対にない

自分の経験上、データ活用プロジェクトは(スペランカー並に)死亡率が高い類の活動です。

どんなに正しい仮説や戦略を持っていても、意図した結果を得るまでに、様々な要素を配慮する必要があります。しかも、ほぼ全ての要素がノックダウンファクターになりえます。

例えば、
・良く設計されたDWHがあるが、データの品質が悪い →
・データの品質は高いが、DWHが整備されていない  →
・データ品質もDWHも申し分ない…が、ガバナンスが不適切 →死
みたいな感じです(全部経験しました)。

この、死にゲーとも思える困難さを考えると、データ活用が「たまたま」上手くいくことはありません。

複数の技術部署、営業、マーケ、法務等と調整するプロマネの図

個人的にデータマネジメントを学んでいて良かったことの一つは、これらの「死にポイント」の全体感を事前にざっくり把握できたことだと思っています。全体感を持つことで、思わぬところでプロジェクトが死んでしまう可能性を下げることができます。また、万が一、プロジェクトがうまくいかなくても、なぜうまくいかなったのかは理解できるようになります。

結論:ビジネスサイドの人もDMBOK読もう

つらつらと書いてきましたが、伝えたいことは「ビジネスサイドの人もDMBOK読もう」ということです。

たしかに、データマネジメントのHOWの各論は、多分にエンジニアリングの世界です。ただ、その根底にある目的意識、それを成功に導くためのマネジメントは、ビジネスサイドにいても理解しておくべきものばかりです。

この記事がきっかけで、一人でも多くの人がデータマネジメントを考える仲間が増えれば良いなと思っています。


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