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現地代表がイベント内では伝えきれなかったこと(追記あり 10/26)

2021年9月18日に、現地パートナーNGO代表を招いて、
戦争から10年経ったシリアの教育の現状、
Piece of Syriaと活動した5年の活動の成果、
そして、これから創りたい未来への想い
について、語っていただきました。

●アーカイブ動画



クラウドファンディングページ

 

イベント内でお答えできなかったご回答について、まとめましたので、どうぞご確認下さいませ。

<プロジェクトについての質問>

●教師の育成や研修は実施していますか?
私たちは教師の育成トレーニングはいつも実施しています。例えば、教室マネジメントなどです。

●子ども達一人ひとりの個性やニーズに合わせた教育はどれくらい意識していますか?
特定の生徒ではなく、生徒全体へのフォローアップに重点を置いていますが、欠席がある場合には、保護者と相談して問題を解決するようにしています。

●子ども達が安心して安全に幼稚園に通える環境も整えていくのでしょうか?
もちろんです。私たちは生徒達が交通事故や嫌がらせ、誘拐の被害に遭わないように、可能な限り送迎をするようにしています。こうした安全な環境を常に確保するために必要な、車の購入をするための経済的な資金を集めたいと考えています。

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●教育を受けた子どもたちは心理面などで変化がみられるのか(学校に入りたての頃は周りになじめなかったが次第に明るくなっていったなど)ということが気になりました。
幼稚園に入園した後の子ども達は、戦争の辛い空気から解放され、友達と一緒に遊び、学べるようになったことで、心理面での改善が見られます。

●幼稚園を立てる場所の決め方のプロセスや学生の受け入れ制度について、もう少し具体的に知りたいです。
新しい学校の場所を選択は、5年前からフィールドチームによる事前評価を経て、決定をしました。私たちのフィールドチームは、地域のことを熟知しており、幼稚園を運営する上で起こりうる問題に対処できる能力があります。
受け入れる学生の選定には、教育を受ける機会が制限された子ども達が対象となる必要があると考えており、両親が非常に貧しく、私立幼稚園で授業料を支払うことができない家庭環境かどうかを確認するようにしています。

●シリアでは、社会的文化的背景にジェンダーの平等性が大きな課題となると思いますが、労働や社会活動について、今後の計画はありますか?
そのテーマは非常に重要だと考えています。未来の社会作り構築のプロセスに、あらゆる社会集団が参加できるよう働きかけを行なっています。宗教、人種、肌の色、国籍、社会的弱者、ジェンダー、障がいの有無などで差別されることなく、全ての人が教育を受け、社会作りに参加する権利を持つよう、尊重されるべきだと考えます。

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<シリア国内の状況について>

●シリアでは幼児は当たり前のように幼稚園に行ってますか?それとも限られた人数の子どもしか行っていないのですか?
素晴らしくて重要な質問です。 お金を払えば幼稚園に行くことは可能ですが、授業料を払えない非常に貧しい人々もいます。SAKURA幼稚園は、皆さんのご支援のおかげで授業料を無料で運営できるため、そうした子ども達を受け入れることができます。

●シリア全体として、幼稚園教諭は資格を持った人たちが教えていますか?それともボランティアで誰でも出来るのでしょうか?
資格を持った仕事になります。

●現在のシリアの教育制度がどうなっていますか?
公立学校への支援が不十分で、先生が無給で働いている学校が多く、教育の質はよくありりません。

※(Piece of Syria 中野・注)ウサマの話は、SAKURA幼稚園のある地域の話(トルコ支配地域)で、シリア政府支配地域では学校では先生への給与は出ており、授業が行われていました。しかし、物価が高騰しているために、先生としての給与だけでは不足しているケースも身近に聞いています。(家庭教師を副業としてやっていたり、国外の家族からの送金に頼らざるを得ないと話していました)

●シリアの幼稚園と日本の幼稚園の違いは何ですか?
申し訳ありませんが、私は日本の幼稚園制度がわからないため、比較はできません。シリアの幼稚園は、3才から始まって、5才までの年少・年中・年長の3つの学年があります。


(Piece of Syriaでは、シリアで幼児教育を実施していた方をゲストにしたイベントを今後企画したいと考えております。引き続き、イベントまたは記事などで発信をしていきますので、お待ちくださいませ。)
→(2021年10月26日追記)シリアで幼児教育の支援に関わってこられた方に尋ねたところ、下記のような回答をいただきました。
【違い】
・制度、資格、養成校がない(専門家が不足)。
・日本は「遊び中心」「子ども中心」、シリアは「学習中心」「大人中心」。
【今後の課題】
・シリアでは、子どもの専門知識がなく、小学校の真似をして勉強をしている状態。だが、幼児教育のトレンドは、遊びを通した学び。人間の基礎を、遊びから築くことが大切。
・遊びを通した学び、子どもに関する専門性を提供できる支援が必要


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<その他の質問、コメント>

●いま一番ほっとするとこはなんですか?
児童労働や早婚になることなく、シリアの子ども達が学校に通えるのを見た時です。

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●トルコ人とシリア人との関係はどうですか?交流はありますか?
残念ながら、どこの社会にも、差別主義者がいます。 一方で、お互いを愛し、尊敬し合う人たちもいます。 ただし、総じて、良い関係性があると感じています。

●心のケアの時間があるのは素晴らしいです。また、壁の絵も明るくてとても良いです。日本では幼稚園というと、「遊び」重視の印象があります。それは「遊び」は子どもの生きる力や創造力を育むからです。是非昔話や体を動かす時間も取り入れていただきたいです。
あなたの優しい言葉に、感謝しています。 子ども達の健康にとって体を動かすのはとても大事なので、その時間はきちんと確保したいと考えています。

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●ウサマさん、ありがとうございました。インタビューなどを通して、より救済が必要な子どもを学校に招待するのですね。全員を招待したい中、それは辛く大変なことですね。
あなたがおっしゃるように、実際、本当に辛いです。何百人もの子ども達が入園を希望していますが、受け入れられる生徒数が限られています。1人、またひとりとお断りするたびに痛みを感じます。親愛なる友人である、あなたに感謝を込めて。


●ウサマさんが生け花をお好きなのは初耳でした!また、先日、他のイベントで戦争などの心理的ストレスが人への関わり方や行為を将来にわたって変えてしまうという話を聞き、心理的サポートの大切さを知りました。子どもたちの教育だけでなく、心理面の支援も今後続けていってほしいと思います。
また、ウサマさんが「生涯をかけて子どもたちの教育に携わる」という旨をおっしゃっていましたが、私自身もずっと関わり続けて、数十年後、そこで教育を受けた子どもたちとシリア、あるいは日本で会って話したいと思いました。


挑戦中のクラウドファンディングは、10月29日(金)23時まで!
どうかみなさんのご協力、お願い致します!




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