学生時代のバイト経験は仕事選びに影響してきた

私が生まれて初めてやったアルバイトはスポーツ量販店の店員だった。当時は高校2年生で、ケータイ代を自分で払っていたこともあり、貯金したくてバイトをすることにした。

たまたま好きな子とメールや電話をやりすぎていたこともあり、当時で言うパケット代なるものが莫大になってしまい、月に1万を超える請求が2ヶ月くらい続いていた。

このままだと3年の途中で残高が尽きるという焦りからバイトを始めたが、バイトをしたら1日でゲーム買えるやん。というくらいお金をもらえるのも不思議な感覚だったのを覚えている。

当時はサッカー部の練習もあったので、なかなかタフだったと思うし、そんな夏休みだけ高校生を雇ってくれるところなんかあんのか。と思いつつダメ元で近所のスポーツ量販店に友達と応募したら、一緒に採用されてしまった。

その会社は当時からなかなかホワイトで、お給料が秒給で出るとの事で、一生懸命働かせてもらった。

当時の自分は学校の人間関係しか知らず、大人というのは自分の親や友達の親、あるいは学校の先生や習い事のコーチくらいしか知らない。初々しさから来る謙虚さややる気に満ち溢れていたなぁと思う。

人間の前提として他人でもウェルカム、誰でも仲良くなりましょうという私のスタンダードの考え方からは真逆の人間がたくさんいて、それが日本では普通ということもその頃から理解するようになった。

そのような環境でも、仕事の出来不出来に関係なく、なんか一生懸命やってやろうという未知のものに向かっていく精神力みたいなものは、若さの特権というか、それが一番大事であり、それこそが若いことが価値があると言える最大の理由かもしれない。

当時の自分は自信もあったし、学校でもそれなりに優秀なら、仕事現場でもそれなりに優秀なんだろうと思い込んでいた。そういう考え方はバイト数日で覆されるわけだが、自分の気付きとしては全く接客業に向いていないということだった。

接客業とはいっても慣れだし、レジが接客業なのかというと、それも微妙なところだろうし、介護士や看護師やCAなどは、すごい接客が発生するにしても、接客業という感じでもない。

対面でお客様と向きあうと、それなりに誰でもプチパニックになる。始めての作業と、仕事で全くの他人のお客様とか、慣れる前は特にそうだと思う。いろいろ考えてしまって、ミスが増えたり、それでまた怖くなってしまったりする。

結局そういうときに気の持ちようをなんとか変えたり、自分なりに対処できたりする人は接客業に向いている感がある。良い意味で客を舐めていると人や、心の底から人におもてなしをするのが好きな性格だったり、バイトだと変に一生懸命やろうとしないで、マニュアル100%みたいなので通用させようとする人は、テキパキ上手にできている感じがする。

もちろん、それで対処できないときもあるし、だめな場合もあるのだが、本人自身はそれで緊張しなくなるのだと思う。逆に言うと、私はなんか無理だった。

そういう変な焦りだったり、特に接客へのモチベーションもなかったので、学生時代で同じような時給だったら、私は郵便や宅急便の仕分けのほうがええわ。と思ってバイト選びしたことを覚えている。

物流倉庫だったり、肉体労働でスポーツ感覚だし、とりあえず荷物を捌いたら終わりで、残業などはあまり発生しない。客に何か言われてストレスを感じたりイレギュラーなことが起こったりもしない。

それなりの人数がいるので、チームで動いてるっぽい感じが自分にも合っていた。客がいないので、客と召使いみたいな関係が業務中に無い。周りの人達は寡黙な人も多かったが、別にそんなとっつきづらい人達というわけでもないので、一生懸命自分に任せられた仕事をすればそれだけで良かったので、自分にはなんかこういう仕事がいいんだろうと思った。

バイトする場所がなさ過ぎるほどの田舎で、近所の高校生が全員そこのレストランでバイトしてるみたいな状況じゃなければ、ある程度の人の好みがバイトの選択に現れる。

楽して立ってるだけのバイトがいいとか、座ってるだけでいいとか、まかない食べられるから飲食がいいとか、たこ焼きが好き、ファッションが好き、カフェがいいとか、そういう意識が少なからずある。

仕事を憧れにするパターンと、自分の射程距離内に収めるパターンがある。例えば不登校だったような女の子が突然アイドルのオーディションを受けて、アイドルや歌手になったりする。それは憧れのパターンだと思う。

逆に、親が公務員だから自分も公務員とか、銀行員になったら安定しているから銀行員とか、そういう仕事選びのパターンもある。メガバンクに行って、数年で辞めて地方公務員になるとか、転職でも既定路線の転職みたいなパターンもあるし、自分の適性などそういう仕事の選び方もある。

仕事で成長したいという思いがある一方で、仕事は自分の労働力を提供して対価にお金をもらうのであって、自分が成長する場ではないという意見もある。両方正しいだろうが、現実的には後者の考え方が大人かもしれない。

成長したいというのなら、バイトでも何でも経験できる職種に重きを置くことになる。だが、現実的に会社員の仕事で自分の専門を限定して、それしかやりたくないです。みたいなことは難しい。逆に、「全世界どこでも、何でもやらせてください。」みたいな成長の仕方だとおそらく社畜としては歓迎される。

学生時代の私は、成長していろいろ世界中飛び回って、そういう人生が良いと思っていた。だが、実際そんな仕事できる実力が自分にあんのか?とか、考えてしまうほど、自信もないし実力もないということだと思う。

実力があれば出来るし、実力がないからその仕事を得られる機会や出来る機会がないということなのだろう。だから、機が熟すのを待つしか無い。

やる気があれば何でも出来る。そう思える環境づくりが大事で、そういう環境が当たり前だと思ってしまうと、いざその環境を失ったときに人生が崩れてしまいがちである。

昨今は、バイトで生計を立てている人も珍しくない。バイトで生計を立てるのも良いとは思うが、結局のところお金の面であまり優遇されない。家を借りるのも苦労するし、いろいろと不都合なことが多い。

仕事に自信がないからバイトをしているということであれば、意外と世の中にはバイトみたいな能力でもできる正社員や福利厚生が整っている月給の契約社員みたいな仕事もあることはある。

生計を立てるために仕方ないと思って、バイトに収まってしまっているのだとしたら、若い転職できる可能性があるうちに色々な求人をチェックしてみるのが良い。バイトは楽しくてノーストレスが多いが、そうじゃないなら、バイトって何なんだろうとも思う。

仕事というのは、やればやるほど転職するのが難しくなってくる。その理由はよくわからないが、短期離職する人間は排除すべきという固定観念に縛られている人間が日本に多いことと、何も具体的な能力など関係なく、会社名や何となくの経験で採用をするのが日本企業の普通だからかもしれない。

なので、若いうちにアルバイトである程度の自分ができそうな仕事の目星を付けておくというのは大事だと思う。学生時代に事務職のバイトみたいなものは無いかもしれないが、それでも最近だとデータ入力みたいなものならあるかもしれないし、自分で勉強すればWebデザインみたいなバイトも雇ってもらえるかもしれない。

生活に安定を求めても挑戦を求めても、とりあえず自分の可能性を捨てないで欲しいと思う。今の生活が気に入っていて、仕事が安定してノーストレスで良いという生活が個人的には理想だと思う。

荒波に揉まれて壁を乗り越えていく主人公のような生活も面白いかもしれない。ただ、実際に当事者になると、主人公のように皆が最終的に成功できるわけじゃない。極端な話、命を落とす人もいるし、再起不可能になるほど落ちる人もいる。

挑戦できる環境にいるというのは素晴らしいことだし、それに若い頃は気づかないという愚かさを持ち合わせているのも、仕方のないことではある。

とにかくいろんなことをやってみて、詰め込みまくるのが、若い人の特権である気がする。それで何か見つかったらいいし、カフェの店長と付き合ってもいいし、そういうもんだと思う。

頭でいろいろ考えても結局は、何もわからないし、自分が理想としていた仕事でも、働く場所や会社でぜんぜん違うということもある。

そういうことはバイト一つやっただけでは、なかなか気づかない。

私はこれまでバイトを転々とするどころか、もうやりすぎて記憶にないものも山ほどあると思う。

接客業が苦手とは言いながらも、接客業もちゃんとやって、ちゃんとソッコー辞めてきた。

バイトをソッコー辞めると、何も技術や実力は身につかない。だが、バイトは数ヶ月で仕事を覚えられるようになっているので、基本的には最初の数日で教わることを、あと数ヶ月で慣れていくみたいな感じである。

全部の業務を覚えられなくても、ある程度の1日の流れとメインの業務はわかる。それが嫌だと思って我慢して出来るようになれば成長だろうし、数ヶ月以上続けて慣れてルーティンになったら、成長が止まったということかもしれない。

どんな仕事であれ、一生懸命やっているほうが、人生が充実する気がする。人にやらされているような仕事でなく、自分から積極的に迎えに行くような感覚が充実感に結びつく。

そういうのは、なんとなく出勤時間とか、周りの人の態度に出る。言われたから頑張るのではなく、仕事が好きな人は基本的に早めに出勤してくる。

そういう人は自然と仕事ができるようになって、人生が良い循環になる。逆に後手後手になっていくと、人生が少しつまらなくなるかもしれない。

どういう人が良いとか悪いとか、最近はそういう事を言う人が増えてあまり好きじゃないが、一つ言えることは、仕事が好きな人は人生が100%充実するだろうし、人生を進める上でかなり得していると言える。

仕事が嫌すぎて我慢して耐えるのは違うだろうし、かといってすぐ辞めて彷徨うのも違う。やっぱり、狙いを持って駒を進めないと、永遠に彷徨ったり、逃げ場所がなくなるような働き方を強いられるようになる。

そういう意味で学生バイト時代はかなり大事かもしれない。貴重な時間だし、好き勝手辞められる。バイトを飛んでも、まだ、怒ってくれる大人がいる。学生のバイトテロはまだ見てられるが、大人のバイトテロはマジでほんまもんのテロくらい恐怖がある。

間違った選択をしないというより、いろいろやってみることにビビらない方が良いんだろうと、この歳になってすごく思う。もし自分が料理人のようなバイトをしていたら、世界中飛び回ってレストランで働けたかもしれない。

バイトでも寿司職人のような仕事を4年続ければ、どう考えても素人とは比べ物にならない技術を身につけられる。日本だとバイトだとバカにされても、海外に出たら一攫千金できる可能性は十分にある。

自分の能力を活かすも殺すも自分次第だし、結局人生というのは何が起こるかわからないから、一生懸命突き進めば、何かしら予想外の良いことも起こる。







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