小説っぽいもの「眼鏡」
中学2年生になった俺は、人生で初めて健康診断で異常を言い渡された。思い当たる節はそれなりにあった。この1ヶ月、人の顔がまるで霞がかかったようにぼやけている。これまで視力は両目とも1.0だった。しかし、この1週間は2メートル先の人の顔ですら判読ができない。一番後ろの席でもはっきりと見えていた板書が、気がついたら前から2番目の席から黒板を思いっきり睨み付けて、やっとなんて書いてあるかわかると言う有様だ。当然、周りの友人とすれ違っても顔がよくわからない。思いっきり睨みつけてやっと焦