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2016

初のフルアルバム「ニューフォークロア」がマスタリングを終えて完成したのは2016年1月末でした。

このアルバムは、自分の声に合う音楽性とは何なのか、自分たちの強みとは何なのか、2015年に自問し見つめ直したことで出た答えをぶつけた作品でした。
それは、それまで持っていた「ロックバンド」という肩書きや、知らず知らずのうちに縛られてしまっていた固定概念を捨てた瞬間でもありました。
僕らはロックバンドじゃない。ポップスをやる音楽集団なんだ。そのためには、何をしたっていい。4人だけの音で完結させる必要もない。
そんな、今に続く明確なスタンスを手に入れたアルバムでした。
その結果、アレンジの閃きやアイデアの幅も一気に増えて、色んな個性を持った曲が生まれるようになって、それまでの作品とはかなり性質の異なる作品になったのです。

バンドなのに弦とピアノと歌だけで始まる「水色の夏」
大滝詠一オマージュに挑んだ「ユキノシタ」
少し捻りの効いたメロディーの「宇宙行進」
はじめてホーンを入れた「ラストダンス」。
攻めたアイデアも迷うことなくやれたのは、しっかり予算をつくってくれたマネジメントのおかげもありつつ、やはりバンドがこのタイミングでひとつになっていたことも大きな要因だったと思います。

このアルバムから、今ではバンドに欠かせないキーボーディストの清野雄翔さんにも参加していただいてます。
また、アートワークでは、延本の高校の同級生・井上絢名さんがデザイナーとして上京、同級生タッグでのアートワークがここからスタートし、今に至るまで毎回最高のアートワークが生まれています。このニューフォークロアのアートワークも、今見ても本当にすごい…。

同時に、長年個人的に抱えてきた「フロントマン向いてない」という悩みは、この頃から少しずつ消え始めました。ひょっとしたら、自分なりのバンドの引っ張り方があるのかもしれない、そんな思いが自然と芽生えていました。ロックバンドとしてではなく、ポップス集団としてなら、僕が先頭にいても大丈夫かな、、と。

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