見出し画像

2013

2013年はミニアルバム「もうひとりの私」のレコーディングで幕を開けました。
前回も書きましたが、この作品は、メンバー主導というよりプロデューサーさんにしっかりと手綱を握ってもらっての制作でした。
2012年のうちにできた曲の中から6曲を選び、歌詞・アレンジ共にプロデューサーさんと一緒に練り上げていきました。
このときの作業で、僕はアレンジというものの本質みたいなものを、たくさん教わった気がします。
例えば、「パレードが呼んでる」や「バイタルサイン」の長いアウトロ。
元々のアレンジでは、いわゆる「普通」の長さで終わっていたアウトロが、みるみる長くなり、それまでの自分たちでは絶対に選択しない長さになったのです。そして、長くしたところにしか宿らない熱量や展開の奥行きに、演奏する度に気付かされました。歌のないところに、どんな意味を持たせるか。そういった部分での感情表現の幅を、大きく広げてもらった気がします。
また、バンド以外の音(例えば鍵盤やホーンなど)を足すことはいくらでもできたはずですが、プロデューサーさんは僕たち4人だけの音で、楽曲を成立させようとしてくれました。このことは結果的に、当時の僕たちの楽曲に対する理解度や、自分が出す音の意味と向き合う姿勢を、大きく成長させてくれたと思います。4人だけの音で展開をつくるには、引くところはしっかり引いて、出すところとのメリハリをつくらなければいけません。そのために、ひとつひとつの音に持たせる意味合いも、しっかり考えなければいけません。それを知った上でいろんな音を足すのと、知らずに足してしまうのとでは大違い。そういった面でも、この時期に僕たちが得たものは大きく、今に効いていると思います。

ここから先は

1,415字

¥ 100

皆さんのお気持ちをぜひよろしくお願いします!いただいたサポートは今後の音楽活動費とさせていただきます。