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バービのストーリー#1.バービの能力

こんにちは、バービです。今日は私の話を聞いて頂きたいです。正確に言えば.. まだ私の能力に気づいてない時の話でございます。

私は和やかな米粒家庭に生まれた、二卵性双子の7人兄弟の中の4つ目でした。あっ、私が米粒なのはご存知でしたか?もしその事実にびっくりしたなら大丈夫ですよ、みんなそうなります。
私が生まれたハートコ惑星では我が家が結構有名なんです。家族みんな特別な能力を持ってて、私たちの体の一部を食べるとある力を得られます。しかもそれぞれの能力も違うので、他の住民の力になることが出来るんです!凄くないですか?そんな理由から、惑星では我が家を大切にして守ってくれています。

その分兄弟みんな個性が強いんです。好きなことや長所、持ってる能力も異なるので、性格さえわかれば兄弟7人の区別も難しくないですよ。いつか私たちを見かけたら多分すぐ私を見つけられると思います。そうだ、もし見分けがつかなくてもご心配なく。そもそもみんな違う服を着てます。 
私は個性の強い7人兄弟の中の、一番内気で静かな性格でした。4つ目だったので兄弟たちのケンカを裁いて止める役割でしたね。全員性格もそれぞれで子供の時はいっぱいケンカしましたよ。でも特に不満はなかったです。どうのこうの言っても幸せでした。 


すみません、嘘です。実は私、子供の時は結構青菜に塩でした。


他の兄弟たちは自分の能力を分かってて、自信満々でした。両親もいつも笑顔で優しく接してくれました。でも.. 私の心の片隅には不安があったのです。私だけ自分の能力を分からなかったからです。
落ち込んでる私を心配して、ある日みんな集まって私のおかゆを食べました。でもそれが.. なんの変化もなかったのです。一番上の子のおかゆだと力が強くなり、5つ目の子のだと足がとても早くなるのに... なぜか私のだけはなんの変化もなかったんです。子供の頃から自分の能力を疑っていた私はさらにがっかりしました。いまだに私のおかゆを食べながら首を捻るみんなの顔を思い出します。

その時私は生まれて初めて絶望を感じました。”心が傷付くってこういうことなんだ..."と思いましたよ。すぐにでも座り込んで全て諦めてしまおうと思いました。なんで自分だけ素敵で誇らしい家族の一員になれないのか、かなり悩みました。惑星の有名な心理学者の母の書斎で色んな心理学の本を読んでも心のしこりは残ってました。毎日心に雨が降ってるような辛さでした。食欲がなくて時々食事も抜きました。

でもどうしてもおかしかったのです。小さくてつまらない米粒なのによく食べないとお腹が空くなんて.. そんな自分が情けないと思っちゃうくらいでした。私は捨て鉢になってなんとなく体の一部で作ったおかゆを食べました。

でも食べた途端、混乱している心が徐々に落ち着きました。そうです、私の能力は心の傷を癒すことでした!だから既に心が丈夫な私の家族は効果がなかったのです。その日以来、私は自信を持って楽しく生活できるようになりました。

まあ今になってみれば、そんな悲しい経験も大事だと思います。心の辛さをわかってるからこそ友達の悩みにもっと共感できるかもしれないです。

“バービ!そこで何してるの?こっちきて!”

あっ、そろそろ行きますね!友達が呼んでます。今日は私の話を聞いてくださってありがとうございました。悩み事や相談があったらいつでも言ってください。私が暖かいおかゆを用意しておきます。ちゃんと美味しいご飯食べてくださいね。



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