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ラママのストーリー #1. ラママの過去

"別れよう."
これで3回目だ。僕の恋愛がとうとう失敗してしまったのが。

変なことだ。僕はきっと最善を尽くしたと思ったのに、みんなから別れを告げられた。
今度こそ本当に失敗したくなくて前の恋愛よりもっと努力した。最近成績が落ちたのに恋人が遊園地に行きたいって言うから図書館の代わりに行ったし、お小遣いが減ったけどお洒落なレストランで御馳走した。寒い時はたい焼きも一緒に食べたし、雨ふる時は傘を差してあげたし、一緒にゲームもしながら楽しい思い出をたくさん作ったのに.. なんでまたこんなことになったんだ?
思い残すこともなさそうな背中を見てたら言葉も失ってしまった。背中が結構素っ気ないように見える。理由が分かれば直す努力でもするのに。前の恋人みんなに聞いてみたいくらいだ。

”私のどこが悪いの?”って。




「お前、遊園地行って何した?」

幼なじみのセセにいつものシニカルな顔で聞かれた。僕は振られた時はいつもセセに相談してた。今回も振られた理由に全く心当たりがなくてモヤモヤする気分でセセと会った。

「別に.. アトラクション乗ったりして遊んだよ。私スリルあるの大好きじゃん、だからそういうのばっかり乗ったらあの子はそれ苦手らしくて。顔が真っ白になっちゃったの。それがまた可愛くていたずらしたら..」

あ、また考えるだけで涙出そう。怒ってる恋人、いや元恋人の顔が忘れられない。

「え.. じゃレストランは?お前美味しいところ連れて行かなきゃってめっちゃ心配したじゃん。」
「マジで美味しかったよ!ハンバーグ食べたけど美味しかったなーあの子が写真撮ろうとするのも知らなくて食べ切っちゃった。」
「そうなんだ.. で、雨降る時は?傘差してあげたんでしょう?」
「僕から言うのもあれなんだけど、めっちゃロマンチックだったよ!傘の下に一緒にいたらずっとドキドキしてて思わずほぼ私にだけ傘さしちゃって.. あの子雨にぬれてビチョビチョだったよ.. でも笑ってたの!多分僕のピュアな姿が気に入ったんじゃない?まあ服も全部ぬれちゃってすぐお家に帰ったけどね。」
「お前.. まだ気付いてないのか?」
「何を?」
「もういいや.. 自分勝手にして。」

セセのシニカルな顔がもっと冷たくなって、どっか行ってしまった。別れた恋人との思い出を嬉しそうに喋ってる私が情けなかったのかな?

とにかくめっちゃ幸せだったのに.. 一体なんで私は振られたのかな? 



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