豊かさとは「誰かと笑顔で歩むこと」
昔の私はずっと余裕がなかったと思う。
1000万円前後の借金があったせいで生活に余裕がなかった。
借金の返済は月に7万円くらい。
それも金利が高くて元金が減らなかった。
朝7時くらいに、派遣の現場に行って仕事をする。
18時くらいに家に帰ったら、次は校正の仕事をする。
寝るのは深夜。そして朝がやってくる。
勝手のわからない現場なのに、満足に仕事の指示をされることがない。
それなのに「使えない奴」と言われる。
その頃の写真を見てみると、私は全然笑っていない。
人生に絶望しているわけではなかったけど、
何のために生きているのかは分からなかったと思う。
遊ぶ金もない。遊ぶという選択肢すらない生活。
そんな生活を3年くらい過ごした。
地獄というほどでもなかったけども、呼吸はしにくかった。
すり潰されそうな不安を噛み締めていたと思う。
その後、「事業オーナーにならないか?」と誘われて、
事業の立ち上げから引き上げまで舵取りをした。
おかげで借金も完済することができたし、
経済的にも少しだけ余裕ができた。
美味しいものも食べた。旅行もしてみた。
楽しかったけど、そこに豊かさはなかった。
豊かとは、なんだろうか?
思い返してみると、中学生の時、サックス奏者として練習に励み、吹奏楽部の大会に臨んだことがあった。真剣に取り組んだものの、残念ながら全国大会には行けなかった。悔しかったところもあるが、日々の練習はみんなと話しながら笑い合えていた。その時の私は豊かだったと思う。
大学の時、植林の研究のアシスタントでオーストラリアに渡り、パースから中央の荒野まで助教授と後輩と3人で交代しながら車を走らせ、樹木の成長記録をとったり、コンクリートを固めて水を堰き止める囲いを作ったりした時は楽しかった。学びの多い豊かな時間を過ごしたと思う。
初めて勤めた会社では、GMP対応(ざっくり役所対応)で、3日ほど泊まり込みでSOP(標準作業手順書)を作っていた時は、楽しくはなかったけど、自分の力で物事を進めている感覚があって、そこに豊かさがあったように思う。みんなで後少しって言いながら近くのデニーズでご飯を食べたときは楽しかった。
派遣時代は……笑顔はなくて、楽しくもなかった。
コロナ禍では、PCR検査所の事業オーナーと所長を兼務していた。3人で10万件以上の検査を実施してた時は、しんどかったけど限界に挑戦できている感覚が楽しかった。疲労で酷い顔をしていたけど、充実はしていた。そこに豊かさはなかった気がする。
友人と考えを読み合う時間は豊かだ。明らかに通じ合っている感覚があって、いつだって頬の筋肉が痛くなるくらい笑った。贅沢だと思う。
どうやら、私にとっての豊かさは、日々の繰り返しじゃなくて、笑い合いながら誰かと一緒に同じ目標に向かっていくところにあるのだと思う。だから、私にとっての豊かさとは「誰かと笑顔で歩いていけること」なのだろう。
皆さんにとっての豊かさとは何でしょうか?
「豊かさとは◯◯である」
この◯◯に当てはまる言葉をぜひ考えてみてください。
できれば、その言葉を当てはめた理由やエピソードもお聞かせください。
知りたいです。
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