見出し画像

ずっと好きだったカメラを手放した話

ついこの間、大切にしていたカメラを手放した。
カメラを使い始めたきっかけと手放すことになった経緯をまとめる。


10年ほど前、これといった趣味が何もなかった私がカメラに興味を持ち始めたのは、Google+というSNSがきっかけ。
招待制の頃からの古参で、学生なのによくアカウント作れたね~と大人たちに言われていたけど、どうやって招待してもらえたかは秘密にしておく。


ほぼ知り合いがいないSNSで、とりあえず何も考えずにTwitterのようにスマホで撮った写真を載せたりして楽しんでいたら、なぜか写真が好きという人たちにフォローされるようになり、写真好きが集まるサークルに入ることになった。


私がスマホで撮っただけの写真を褒めてくれたり、他の人がカメラで綺麗に撮った写真を見たりしていくうちに、だんだんカメラが欲しくなり、ついにカメラを買うことを決意した。


初めて買ったカメラはSONYのα-NEXというミラーレス一眼。
その後、何年か使ってからCanonのKissを買い、また何年か使ってからNikonのzfcに買い替えた。


最初にSONYのミラーレスを選んだ理由は、コンパクトで扱いやすく、見た目がいかにもカメラって感じではなく可愛かったから。


いざ撮ってみると、やっぱりスマホとは全然違う。
背景のボケ感、画質、色合いすべてが初心者が撮ったとは思えないほど美しく仕上がる。

家の近所の公園の何気ない風景を撮っただけなのに、スマホとの違いに感動したことは今でも覚えている。


その楽しさに味を占めて、写真を撮ってはGoogle+にアップして、いいねやフォロワーが集まり、ついにカメラ好きの人たちが集まるフォトウォークに参加するまでになった。

かなり年上の人たちが集まるし、まだまだ初心者の私は馴染めないと思っていたけど、ベテランのカメラ好きの人たちは優しく教えてくれるし、出来栄えを競うこともなかったから気楽だった。


今はGoogle+はもうサービス自体がなくなっちゃったけど、当時は一番落ち着けるSNSだったし、綺麗な写真をたくさん見ることができて楽しかった。



「写真が趣味」である自分が好きになり、職場でも公言するようになって、今度は職場の部活動にも入ることになった。
(といっても上司からの強制)

写真部は社内的には結構な重鎮が集まっているようなクラブで、初めはうわあ…って思ったけど普通に馴染んで割とすぐ副部長に昇格してしまった。笑


部活動なのでやはり成果を発表する機会が多く、撮った写真を社員や役員が通る廊下に飾ったり、フォトコンテストに出したり、社内報の表紙や自社カレンダーの月ごとの写真を提供するなど、自分の写真をみんなに見てもらえることが増えていった。

褒めてもらえると嬉しくなって、つい遠くまで足を伸ばしてお花や風景の写真を撮ったりしていた。


その職場は3年ほど前に退職したけど、たまにインスタやTwitterに写真を載せたり趣味としてカメラは続けていた。


いいねがめちゃくちゃ欲しいとか、フォロワーを増やしたいとかそこまでの願望はないものの、自分が撮った写真を残す場所としてSNSを使うことが楽しくもあり、自己満足できる場所でもあった。



気軽に始めたつもりのカメラが、だんだん使うことが億劫になってきたのはここ最近。

何年も続けてきたのに「飽きた」という言葉では片付けたくない、でも実際はそんな気もする、何とも説明が難しいけど、そろそろ手放す時が来たなあ…という感覚になった。


写真を撮るために出かけるにも、車を持っていないし運転もできないから、電車やバスで行ける範囲しか撮りに行けないこと、年に数回決まった時期にしか撮りに行かなくなったこと、撮った写真をパソコンに取り込んで現像するのが面倒に感じてしまったことなど。


いつしか「趣味は写真です」と言うことがしっくりこなくなり、趣味として言い続けるためだけにカメラを保有し続けているような状態になっていた。


ここまでくると写真を撮るために出かけるという行為は「カメラを使っている」ではなく「カメラに使われている」という感覚になってしまい、もう気持ちはカメラに向き合えてないんだな、と気付いた。

ずっとカメラを続けられるのなら、いつでも持ち歩いたり何気ない風景を撮ったりできると思うけど、私にはその根気というか写真を好きでい続ける気持ちが足らなかったと思う。


最後に買ったカメラは部屋のシェルフに置いていて、インテリア的にも良かったけど、撮らなくなるとただの置物になってしまい、それも何となく嫌な気持ちになった。

だったら、使ってくれる人がいるかもしれないから売りに出そうと思って、カメラの買取をしてくれるお店に持って行った。


そこそこ新しい機種だったから、いい値段で買い取ってもらえた。
まあ思ってたより安くても手放したと思うけど。



カメラが日常からなくなった今、ちょっとだけ解放感を感じている自分がいる。
無理に続ける趣味は趣味とは言えないし、また始めたくなったらその時に買えばいいと思う。



最後に。
写真を撮っていた時の私の写真を、供養の気持ちを込めて置いておきます。
(記事トップの写真も私です)

ちょっと懐かしい気持ちになるね。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?