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挑戦は「ありがとう」から

written by 内村創

2020年も、「挑戦」に立ち向かう多くのお客様とご一緒させていただきました。

「挑戦」とは、安全な場所から、予測のつかない未来に自分の意思で一歩踏み出すことです。

一歩踏み出したその先には何があるのかわかりません。
予測もつかないことに巻き込まれるかもしれません。
厄介を背負い込むことになるかもしれません。

成功するとは限りませんし、失敗の代償を想像して躊躇も生まれます。そんな中、私がご一緒したリーダーたちは、どうやってその勇気ある一歩を踏み出したのでしょうか。

人との関わりから勇気をもらう

私のクライアントである大手メーカーのAさんも、2020年に挑戦に取り組んだお一人です。

Aさんは会社から大きな挑戦を任されていたものの、なかなか成果の出せない時期が続きました。そんな中、コーチングにおいて、Aさんの上司である社長にフィードバックをもらう機会がありました。

Aさんに対するフィードバックの内容は、とても厳しいものでした。

レポートを目にしたAさんは口を開くなり「上司はわかっていない」「これは誤解だ」と繰り返しました。しかし、フィードバックの最後にあった「お前にしかできないことをしろ」という一言を見て、Aさんはふと黙り込みました。そしてしばらく考えた後、「直接、上司にフィードバックの真意を確認する」とおっしゃったのです。

それまで「自分を守る」ことに向いていたAさん関心が、相手に向いた瞬間でした。

上司と直接話すことで、Aさんは、自分がどんな期待をされているかを知ります。その後のセッションでは、上司のビジョンに共感する発言も増え、自分の目標のためにどうやって上司の力を借りるのかについて話すようになっていきました。そして、Aさんは、打って変わって楽しそうに挑戦に取り組むようになったのです。

その一連のプロセスの中で、Aさんにとって、上司が「敵」から「仲間」に変化していったような印象を受けました。

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筆者情報: 内村創
株式会社コーチ・エィ 執行役員
国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ
一般財団法人 生涯学習開発財団認定コーチ
米国レンセラー工科大学理工学部にて物理と哲学を専攻。日本IBM株式会社にて、複数の大規模システム開発プロジェクトのプロジェクトマネージャー、コンサルティング部門の外国人役員補佐、社内オペレーション部門のマネージャーなどを担当。前職では、さまざまなプロジェクト経験から、どれだけ困難なプロジェクトでも、最後にそのプロジェクトを成功に導くのは「主体的に行動し、最後まであきらめないメンバーの存在が重要」と考え、リーダーとしてチームや組織のメンバー一人ひとりの主体性を高めながらを育成することを主眼にマネジメントを行ってきた。この経験を基に、「主体的な組織づくり」「主体的なリーダーの育成」にむけたコーチングを持ち味とする。また、大手グローバル企業で経営陣と関わってきた経験を活かし、多様な変化に対峙するリーダーシップ、自ら変化を起こすリーダーシップなどにフォーカスしたエグゼクティブ・コーチングを多数行っている。

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