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コーチの視点から共に考えるビジネスコラム

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「Coach's VIEW」はコーチ・エィのエグゼクティブコーチによるビジネスコラムです。 コーチ・エィ代表取締役の鈴木義幸をはじめ、東京、上海、バンコク拠点在住コーチが、エグ… もっと読む
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#コラム

その遠慮は未来を創り出しますか?

written by 長田祐典 2015年に発表された "Dialogical Leadership: Dialogue as Condition Zero" という文献で、著者らは、今日私たちが生きる世界について、次のように書いています。 「極度に透明性が高く、 絶え間なく不確実で、即座に時代遅れになり、不可解なくらいに 複合的 (複雑)」であり、私たちが直面している数々の問題は、「複合的(複雑)で、やっかいな問題がほとんどである」と。 新型コロナ感染症への対応に代表

我々を悩ます「目標」と「やりたいこと」

written by 今城直樹 2021年になり、はや1ヶ月が経ちました。みなさんは今年、どんな目標を立てられたでしょうか。また、目標に向けて順調に行動できているでしょうか。 順調に進んでいる人がいる一方で、目標の見直しに取り掛かっている人もいるのではないかと思います。 「適切な目標設定ができれば、半分以上は達成している」と言われますが、この言葉は、目標設定がいかに重要かを教えてくれると同時に、目標設定が簡単ではないことも示唆しています。 Have toの目標、Wan

変容を促すための3つのポイントと2つの条件

written by 栗本渉 "The problems of today will never be solved at the same level of thinking that created them." (今日我々の直面する重要な問題は、その問題をつくったときと同じ意識レベルでは解決することはできない。) これは、アインシュタインの言葉だそうです。 逆を言えば「意識のレベルが変化すれば、問題は解決できる」。つまり、この言葉は、私たちが次元を変えて、視点を変

影響力を発揮する「自分らしさ」とは 【コーチングのコーチと共に考えるコラム】

written by 今城直樹 コーチという仕事柄、リーダーシップについて常に考えます。「リーダーシップ」に明確な定義はありませんが、リーダーとしての「周囲への影響力」だということはできるでしょう。 近年、「人は自分らしさを大切にするときにもっとも影響力を発揮する」という考え方を前提に、リーダーとして「自分らしさ」を大切にすることが語られるようになりました。「オーセンティック・リーダーシップ」と言われるものです。 さて、それはいったいどういうことなのでしょうか。「自分ら

双方向のコミュニケーションのつくり方

written by 桜井一紀 「止まって、今のコミュニケーションが双方向かどうか自分に問う」 これは、コーチ・エィが提供する「3分間コーチ」の主題となる「問い」の一つです。 組織活動のほとんどは、コミュニケーションによって成り立っており、コミュニケーションのあり方が変わらなければ、組織を変えることはできません。 企業が人材に求める能力のランキングでは、常に「コミュニケーション能力」が上位に入ります。そのためか、世の中では、プレゼンや営業などでのコミュニケーションを学

見えるネットワーク、見えないネットワーク

written by 稲川由太郎 組織には、組織図に代表されるようなフォーマルにシステム化された管理の後ろに、実はいろいろなレベルでインフォーマルなネットワークが存在します。 インフォーマルな人と人のつながりによる人間関係のダイナミクスは、組織にとってプラスに働くこともありますが、組織内に見えない障壁を作るといったマイナスの作用があることも少なくありません。そうした意味で、インフォーマルなネットワークは組織全体の意思決定や経営の効率に実は大きく影響していますが、トップマネ

何を不安に感じているかは人それぞれ異なる 「自分に見えるものだけで判断していないか」

written by 小池恭久 新型コロナウイルスが昨年末に中国武漢市で発生して以来、これまでに196の国・地域で約2400万人の感染が確認され、未だ感染拡大は止まっていません。 そんな中、私が駐在する上海では、累計感染者数342人、現在の感染者数はゼロです(2020年8月27日現在:海外からの輸入症例を除く)。この情報に疑問を呈す声も少なくありませんが、コロナ発生時から現地で生活してきた私には嘘だとは思えず、封じ込めに成功したことは間違いないと思います。 駐在員の間で

組織がコーチングを活用する本質的な目的

written by 長田祐典 予防医学研究者の石川善樹さんから興味深いお話を伺いました。「その言葉が、世の中でどのように認識されているかは、画像検索をしてみるといい」と。 果たして「コーチング」という言葉を画像検索してみると、どんな画像が表示されるでしょうか。パーソナライズされているとはいえ、多かれ少なかれ似たような画像が表示されるのではないかと思います。私の画面では、「二人の人物」、「ティーチングとコーチングの対比」、「目標に向かうプロセス」などのイメージ画像が目に入

エグゼクティブ・コーチングの進化

written by 鈴木義幸 エグゼクティブ・コーチングは、長らく「エグゼクティブである一個人を強くする」ことが目的だと考えられてきました。 「0コンマ何秒の競争にさらされているオリンピック選手のように、エグゼクティブも熾烈な競争に勝ち残る必要がある、だからコーチをつける」 エグゼクティブ・コーチングの必要性を訴えるために、こうしたメタファーが繰り返し語られてきました。アスリートにコーチがつき、その能力を最大限高めるためにコーチングをする。 特にアメリカでは、エグゼ