見出し画像

帰国子女なら英語はずっと「ゼロ勉」?語学の学習に終わりなし。

私は米国に在住経験があるので一般的には帰国子女に該当すると思います。しかし、帰国子女だからといって、私の英語は母語レベルというわけでは決してありません。
そして、私が気負わず英語を仕事で使えているのは、帰国子女だからではなく、高校2年生以降、結構まじめに英語を勉強したから、かつ、今もなんとなく英語に触れ続けている日々を送っているから、だと思っています。

そんな私のこれまでの英語学習遍歴をご紹介しつつ、今回は次の点に触れたいと思います。


1. ネイティブレベルを目指す必要はない

流暢=ネイティブ?

さて、突然ですが、私の英語力について、夫が「普通の日本人の英語じゃない。ネイティブみたいな…」と表現してくれたことがありました。
嬉しかったのですが、「ネイティブっぽく」流暢に聞こえていただけだと思います(笑)。現実は、いくら帰国子女の私でもネイティブとは大違い、なわけです。

そう簡単にはネイティブレベルにはなれない

「ネイティブ」をある言語を母語もしくは母語レベルとして使用している人のことを指すとします。
私が米国で生活していた5-7歳頃、おそらく私の英語はネイティブレベルだったと思います。「現地人のようだった」そうです。幼かったからこそ、何も考えなくても、母語のように言葉を使える状態だったはずです。

今はというと、常に「何も考えずに」使っているわけでは決してないですし、実践、特にしゃべる練習を怠る期間が長いと、単語が出るまでのスピードが遅くなったり、出てきた単語がスマートな表現でなかったりと小さな不具合がどんどん出てくる状態になります。

ネイティブってそんな状態に絶対ならないと思うんです(笑)。自分の母語(日本語)の使い方を考えてみてください。

自分の語学レベルは自己&他己評価に寄る部分もあるとは思いますが、いくら流暢でもネイティブレベルってそうそうなれないよ、と思います。そして、ネイティブレベルになる必要もないと思っています

非ネイティブは、外国語を使って何をするかが大事

ネイティブレベルになるための学習に膨大な時間を費やすより、語学以外の自分の好きなことや得意分野を深める・伸ばすことに時間を使った方がきっと楽しいし、専門性が身についたり、子どもの場合はその子にとって新しい世界が開かれるかもしれません。

語学が大好きという方以外は、「外国語を使って何をするか、が大事」。東京外語大に入学してから、複数の先生に似たようなことを言われたのをよく覚えています。

ちなみに、先日、仕事で日・英両言語ともにネイティブの「完璧なバイリンガル」に出会いました。定期的に外国人と仕事をする私でも、そうそうそんな人に会うことはないのですが、その方はご両親がそれぞれ違う言語を喋る家庭で育ったということでした。
くどいようですが、日本在住で日本語も英語(外国語)もネイティブレベルになれるのは、上記のような、日常的に両言語が飛び交う環境が半永久的に保証されている…といったような状況がない限り難しいのでは?と想像します。それか語学習得の天才のような方々。長くなったので、2言語ネイティブの話はここまでにしましょう…目指す必要なし、というのが私の考えですので(笑)。

2. 非ネイティブである私は、なぜ英語を使えるのか?

実は、「帰国子女だから」が理由ではないと思っています。

スパルタ英語教諭の担任の一言で一念発起

中学校時代は、「ゼロ勉」で定期テストで高得点を出していた私ですが(感じ悪いですね)、高校2年生の担任が、私の1年生の時の英語の成績を見てこうおっしゃいました。

「帰国子女なのにこの成績は何!?ちゃんと勉強してください!」

実は、高校に入った直後、文法の授業がグッと難しくなったと感じてはいました。しかし、当時の英語の先生が嫌いだったので(笑)勉強を半ば放棄していました。
そこまで酷い成績ではなかった気がしますが、愛あるスパルタ英語教師の叱咤に目が覚めて、真面目に勉強を開始。帰国生にはよくある大の文法嫌いな私でしたが、先生の言葉がことあるごとに蘇り、大学受験中も自分を鼓舞してくれました。

大学時代、再訪した米国の小さな町で、自分の努力を知る

オハイオ州ワパコネタの映画館

夏休みを利用して、大学2年の時に、米国へ一人旅。米国で住んでいたのはオハイオ州のワパコネタという小さな田舎町。当時のピアノの先生のお宅に数日滞在させてもらいました。
ピアノの先生は車を出してくれて、様々な現地人に会うことができました。必ず言われたのが、「あなた、英語はどうやって”維持”してたの?」。
「特別なことは何もやってないけど…学校の勉強は頑張ったかな…」という回答しかできなかったのですが、ハッとさせられました。
実は、このときまで、私の英語は米国在住経験のいわば遺産のようなものだと思っていました。でも数日間で繰り返したこのやりとりからそうではなく、自分の努力ーつまり学校の勉強ーのおかげで、英語でコミュニケーションを取れているのかも、と思えたのです。自信がついた旅となりました。

いつからか、毎日何かしら英語には触れる日々を送っている

時は進み、現在の本職の仕事では、実は日本語中心なので、語学力の維持・向上への効果としてはやや限定的かなと思います。
この記事を書いて気付いたことですが、私の語学力を地味に支えているのは、硬軟の動画やネット版の新聞を読む、気になった表現を調べる…と断続的に英語に触れる生活が自分に染み付いていることでは、と気づきました。

そこまでしないと使えるようにならないよ、ということではありません。
私の場合ではありますが、こんなふうに語学の学習に楽しみを見出している、また、苦にならないのでずっと続けられている人もいることをお伝えしたかったのです。

使わなければ、衰えるのが、非ネイティブの語学。
であれば、非ネイティブは、細く長く、楽しんで外国語を学習し続けられるのが強い、ですよね。

長くなりましたが、英語を母語としない子どもが英語使いになるには、長距離走をいかに自発的に楽しんで走り続けられるか、ではないでしょうか?

そのお手伝いを、外国語との生活をこれから始める、もしく始めたばかりのお子さんたちに対して、さまざまな形でできれば…といつも思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?