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今さらながら進撃の巨人が面白くなってきた!

世の中的には鬼滅の刃がブーム(ちょっと落ち着いてきたか)だが、私的にはアニメ版の進撃の巨人がいよいよ佳境に入ってきた、というか作者がほんとうに言いたいことが伝わってきて面白くなってきた。

巨人化できる、という特殊能力を持った民族、種族に襲われる人類の話、という発想が面白い、というそれだけのお話かな?それにしてはダラダラ長く続けるな、と思っていた。

しかしそれは作者の狙いだった。

長編になれば当然、主人公たちに感情移入するし、いわゆるこちらが「いいもん」であちらが「わるもん」と考える。

しかし今放送しているパート、最終章は敵側が主観となって描かれている。

主人公たちが攻めて来るがそれはテロリスト、悪役として描かれている。ここが素晴らしい。

昔のアニメ、特にガンダム以前のロボットものなんてのは子供向けにも程があって、勧善懲悪ものばかり。敵はいわゆる死ね死ね団的な、悪に意味がなかった。あっても地球を征服しようとする異星人とかざっくりしていた。

世の中を考えると「よーし、悪事を行うぞー」って考えて運営している国家組織なんてゼロだと思う。

自分たちには道理があって、それを正義と信じ、実行している。

その反対側にはその考えに相容れれない団体なり組織、国家があって衝突する。実際に行われた、いやこれからも行われるであろう戦争の本質を見た気がした。

正義対悪、ではなく正義対もうひとつの正義なんだな、と。

70話を超えそうな勢いの話だが子供には深く物事を考えさせるために是非見せたほうがいいアニメだ。

こういったその作品の中でアンチテーゼ、主人公の考え、行いはこれでいいのか?と自ら行っているストーリーは優秀な作品が多い。

帰ってきたウルトラマンの「怪獣使いと少年」、ウルトラセブンの「ノンマルトの使者」はともに地球人は本当に救うべき価値のある人類なんだろうか?ってすごい問いかけをしている。

必殺シリーズの初期作「暗闇仕留人」では主人公がこの仕事は本当に人のためになっているんだろうか、ってだんだん悩んでいくって設定になっている。

映画「Looper」なんかもタイムトラベルもののいいところを使って、現在の自分と未来の自分の考え方の違い、ズレ、という方法を使って究極の対立を見せている。自分たった一人でも考えに違いが出て守るべきものが違ってくる。そりゃ全人類ともなりゃ争いが絶えないわけだ(笑)

右翼とか左翼とか、とかく対立を好む白黒つけたがる輩たち、自粛警察、マスク警察どもは、こういうの観て世の中を広く見る、深く物事を考える人間になったほうがいいと思う次第。

ま、だからといっておおっぴろげにノーガード・ノーマスクで街中出てゴホゴホやってる奴にも反対側の人たちのことをよく考えてみろ、と言いたいんだけどね。


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