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【恋愛】出会いとは常に日常にある⑨
執行役員が立ち去ってから、適当な仕事をしていたら昼休みの時間になっていた、昼休みかぁ…と思いながら何を食べようかと悩みつつ喫煙所に向かい、タバコを咥えて火をつけて煙を飲み込む。コンビニで適当にパンと飲み物を買って、本社内の休憩スペースで食事でもしようと考えていたら、佐藤さんがタバコを吸いにやって来た。
「二重螺旋さん、お疲れ様です」
「お疲れ様です」
「さっき、執行役員と何を話をしていたんですか?」
「バイクの話ですよ」
「あのですね」
「なんですか?」
「ほぼタメ口でしたよね?」
「いや、敬語を使っていたと思いますけど」
「そう思えなかったんですけど?」
「そうですか、言葉も気をつけないと駄目ですね」
「これから食事ですか?」
「コンビニでパンと適当な飲み物を買って休憩スペースで食べようかと思っていますけど」
「相談したいことがあったので、ご一緒させてもらってもいいですか?」
「構いませんよ」
こんな会話をしてコンビニへ向かい適当にパンと飲み物を選んでレジ列へ並ぶ。
流石、オフィス街のコンビニ。
レジ列すら長い、僕の1つ飛ばして後ろに佐藤さんが並んでいたので、佐藤さんに一緒に会計したほうが早いから買う物を渡してください。伝えて一緒に会計を済ませる。
テコテコと歩いて、入館ゲートに入館証をかざして、エレベーターホールへ向かう。エレベーターを待ちエレベーターに乗り込み本社があるフロアーのボタンを押す。
本社があるフロアーに到着しエレベーターを降りて、今度は本社に入る入室カートをかざす。
この一連の流れが面倒で仕方がない
けど、やらないと入れない
佐藤さんと休憩スペースへ向かい、コンビニ袋から佐藤さんの食事と飲み物を出してテーブルの上に並べていく、佐藤さんは、食事代と言いながら財布を出してきたが、食事代は受け取らなかった。理由は小銭が増えるのが面倒なのと、なんとなく食事代を佐藤さんから受け取りたくなかったからだ。
佐藤さんはパンを食べながら
「主任会議の内容を決めてみませか?」と伝えたきた。
「主任会議の内容を決めるんですか?僕が??」
「そうです。役員に相談したら二重螺旋が良い案をだしてくれるかも。とおっしゃっていたんで」
「率直に伝えますと、絶対に嫌です」
「なんでですか?」
「仕事と面倒が増えるじゃないですか」
「全部、任せる事はしませんから、ね??」
「兎にも角にも、僕は嫌です」
「好き勝手やっていいそうですよ?」
「ん?好き勝手にやっていい?」
「はい、限度をわきまえればある程度は好き勝手にやって良いと言われてます」
「限度をわきまえるって、どのくらいだろう?」
「役員に確認してみないとわかりませんが、ある程度は任せると言っていました」
「確認して、何処から何処まで良いのか教えて下さい」
「例えば?」
「主任会議中にポテチを食べて大丈夫か?とか」
「あの……それは基本的に駄目でしょう」
「つまらないですね」
「つまらないとかの問題じゃないですよ」
「つまらないから、午後になるとみんなお昼寝の時間になるんですよ」
「確かに寝てる人が多いですよね」
「僕も寝てる側の人間ですから」
「寝てたんですか?」
「そりゃあ、ぐっすりですよ」
「本気で一緒に主任会議の内容を考えませんか?」
「とりあえず、メーカー呼んで新しいシステムや技術指南してもらえば、みんなは寝ないと思いますよ。なんだかんだ言いながら新しい物好きが多いですからね」
「今度の主任会議で取り入れよう!」
「今度って言いましたけど、いつですか?」
「来月になります」
「来月って、誰が言ったの?」
「役員です」
「何も聞いてない」
「私もお昼前に聞いたんで」
「アイツ思いつきで言いやがったな」
「言葉づかいが乱れてますよw」
「本音ですからね」
「本音だと口が悪くなるんですね」
「基本、口が悪いです。本社にいる時は常に言葉づかいに気をつけていますが、それでも言葉つかいがなってないって怒られるんですよね、もうクライアントみたく諦めてくれたら楽なのに」
「え?!クライアントが諦めているんですか?」
「諦めてますよ、最初は注意されていましたけどクライアントから、わかった。言葉づかいは気にしないから、好きに会話して構わないって言われましたからね」
「信じられない………。」
「信じてもらえなくても構わないですよ、タメ口になったら僕の土俵ですから負けませんよwww」
「そうやってカモを増やしていくんですね」
「人聞きの悪い言い方ですね。僕はお互いに気兼ねなく折衝をしてですね、美味しい仕事を取れれば、それで構わないんです」
「クライアントが諦めてるくらいなら、うちの執行役員とかにもタメ口になりますよね」
「そもそも執行役員だからって敬う気持ちなんて、これっぽっても無いですからね。さっさとハンコ押して書類回せよくらいにしか思ってませんからねwwwあとは暇つぶしの話し相手ぐらいの感覚です」
「二重螺旋さんは、どうゆう感覚で仕事してるんですか?」
「仕事2割趣味8割」
「割合おかしくないですか?」
「本当は仕事1割趣味9割にしたいんですけど、流石にそこまでやると仕事に支障が出ますからね」
「根本的に何がが違うような気がしますけど」
「楽しく仕事をするなら、楽しく趣味が出来ないと、楽しい仕事にならないですからね」
「何か言いくるめられている様な気がしますが?」
「例えを変えるとするなら、風邪を患っている時と、健康な時とタバコが美味しく感じるのはどちらですか?」
「健康な時ですね」
「そのタバコの感覚と同じだと思って下さい、理解できましたか?」
「理解できました」
「それと同じ理由です」
「言い包められた、やっぱり自然な流れで自分に有利に持っていきますね」
「人のことを詐欺師みたく言わないで下さい」
「それに近いものを感じましたけど」
「食事も終わりましたし、休憩時間も残りわずかですから喫煙所に行ってタバコ1本シバきますか〜」
「タバコ好きですね」
「佐藤さんはタバコ嫌いですか?」
「タバコを吸っていて嫌いって人はいないでしょうに」
「なら、喫煙所にいきましょ〜」
二人でエレベーターに乗り込み、喫煙所でタバコを吸って、お昼休みは終わりとなりました
つづく