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【恋愛】出会いとは常に日常にある。㉒

僕の告白は呆気なく成功し、相思相愛という結果に終わった
気づいていると思ってましたよ。と言われても
伝えてくれないと、気持ちは伝わらないよと僕は思った
喫煙所での告白が終わり、仕事に戻って佐藤さんと仕事を勧めていたら
宮本君から「さっきまでギクシャクしてましたけどタバコ吸ってきてスッキリしたんですか?」と
言われ、コイツ無意識で勘が鋭いなと関心をしてしまった
佐藤さんが「タバコを吸いながら、2人の問題点を話しってきて問題解決してきたんだよ、ね?二重螺旋さん?」と
僕に話を振ってきた、急に振られたものだから
「はい、話し合いで解決です」と棒読みのような返事をしてしまった
棒読みになるのも仕方がない、数分前まで頭の中がグルグルと回っていて
思い切って告白をしたら、相手も僕のことを好きでいてくれただなんて
自分でも思ってもいなかった
あまりにもスムーズで逆に僕は戸惑ってしまっていた
気持ちが通じた、通じてると理解出来た瞬間から佐藤さんが近くにいるだけで胸がバクバクする
この状態は、この状態で困った
宮本君は、僕に指示を仰いできた
「二重螺旋さん、仕様書を作成したんですが確認をしてもらってもいいですか?」と
プリントアウトした仕様書を持ってきた
仕様書に目を通したら、間違ってはいなかったけど
細かな配慮が足りないと思い、赤ペンで加筆修正をする
加筆修正をしていたら、僕の顔の横に佐藤さんの顔があった
間近でみる佐藤さんの顔だ
うん、可愛い。
可愛いと思ってしまった瞬間に急に恥ずかしくなってしまい
「佐藤さん、すみませんが顔が近すぎます。離れてもらえないですか?」と伝えたら
佐藤さんはニコっと笑い「すみません」と言ってきた
うん、間違いなく僕のことで遊んでいる
宮本君に加筆修正をした仕様書を渡して「こんな感じで作り直してね」と伝えたら
宮本君は「まだギクシャクしてますね」なんて言ってきた
ギクシャクもするだとう、仕事中に告白をしたんだから
ギクシャクしないほうがオカシイ話だ

それからは、佐藤さんと宮本君と僕の3人でのデスマーチが始まった
新しいチームでは問題が連続して発生をしてクライアントに頭を下げて周り
その他に、役員直轄の仕事が連続で入り
毎日のように、朝は現場。昼から本社で事務仕事
帰りは終電ギリギリの仕事が数ヶ月続いた
そんな状態は長く続かなく、佐藤さんが体調を崩し1ヶ月休むことになった
僕と宮本君で綱渡りな仕事をする事になった
佐藤さんの顔が声が姿が恋しかった
佐藤さんのデスクには勿論佐藤さんは座ってはいない
本当に長い1ヶ月だった
LINEをしようか、電話をしようか悩んで悩んで悩んで
結局、僕は連絡はしなかった
声だけでもいいから聞きたかったけど、連絡はしなかった
理由は体を少しでも休めてもらいたかったから
僕のワガママに突き合わせたらいけないと思って連絡をしなかった
そんな気持ちのまま1ヶ月が過ぎて、佐藤さんは復帰した
復帰した佐藤さんは少し太っていた
うん、少し太ったけど可愛い、可愛くて仕方がない
佐藤さんとが復帰した日は、僕と佐藤さんだけで昼休憩時に食事に行った
食事の前は必ず、喫煙所でタバコを吸うのが決まり見たくなっていた
佐藤さんが「長い間休んで、すみませんでした」と伝えてきた
「正直、ギリギリの綱渡りでしたよ。宮本君が凄く頑張ってくれていたから、僕じゃなくて宮本君に伝えてあげてください」

「そうですね、宮本君に伝えないとですね」

「はい、多分無理をしていたと思いますから」

「二重螺旋さんは無理してましたか?」

「僕は通常運行で運行ダイヤに乱れは発生しませんよ?」

「本当ですか?」

「本当って事にしておいて下さいよ。僕が仕事に必死になっている姿なんて想像も出来ないでしょう?」

「必死になっている姿を少し見てみたい気持ちもありますけどね」

「僕は仕事をしている姿を見られるのが嫌いなんですよ。なんだよアイツ仕事しろよって思われていたいんですよ」

「面倒な性格していますよね」

「佐藤さん、それはそうと何を食べましょうか?」

「医者から消化に良いものを食べるようにと言われてます」

「オフィス街にあるレストラン街に消化の良い食べ物があると思えませんけど」

「うどん屋がありましたよね?」

「ありましたね、あそこ美味しいですか?」

「二重螺旋さん、行った事無いのでいってみましょうかね?」

「そうしましょう」
タバコを吸い終えて、うどん屋に2人でテコテコと歩いて向かう
うどん屋に到着したら、2人して何を食べるか迷う
なんやかんやと悩んだ末に、2人とも肉うどんになる
食券を買い、カウンターへ出して、その間にテーブルを確保する
テーブルの確保と同時に食券の番号が呼ばれ
2人で肉うどんを受け取りに行く
受け取った肉うどんを持ち、テーブルへ戻り
うどんをズルズルとすする
丁度半分くらい食べたところで佐藤さんから話しかけられた
「私が休んでいる間、連絡してこなかったですね?どうしてですか?」

「体調を崩しているのに電話したら気が休まらないだろうと思いまして」

「そうですか、電話かかってくるの楽しみにしていたんですよ?」

「それなら佐藤さんから電話してくれても良かったんじゃないですか?」

「仕事が忙しいと思って、邪魔になるかな?と思って」

「考えることは一緒なんですね」と笑って答えた

「休んでいる間、寂しくなかったですか?」

「寂しくなかったと言えば、嘘になります。佐藤さんのデスクに佐藤さんがいないんですから」

「寂しい思いをさせましたね」

「そうですね、寂しかったですよ」

「あのですね、質問いいですか?」

「どうそ、仕事の質問ですか?

「いや、違います。私に告白をしてくれましたよね?」

「はい、しましたね」

「それで、私に何をしたいんですか?」

「この場で聞きますか?」

「聞きたいですね」

「僕は想いを伝えて、佐藤さんも同じ気持ちだとわかったので、今すぐに何をしたいってのはないですよ」

「そうなんですね」

「ん〜、しいて言うなら愛でたいです」

「めでたい?お祝いですか?」

「違います。愛でたいです」

「だから、お祝いですよね?」

「ちょっと待って下さい」と伝えスマホで愛でたいと入力して佐藤さんに見せる

「あぁ!!愛でたい!!そっちなんですね。めでたいって言うからお互いを祝うのかと思いましたよ」

「日本語は難しいですね」と笑って答える

「愛でたいってのは分かりました。内容が気になります」

「内容ですか、、、。そうですね。爪を切ってあげたり、髪の毛を洗ってあげたり、体を洗ってあげたり
食事を作ってあげたり、耳掃除もしたいですね」

「私は人形さんじゃないですよ?」

「僕の中では、佐藤さんにしてあげたくて仕方がないんです」

「二重螺旋さんは尽くしたい人なんですね?」

「ん〜。佐藤さんにはそうしたいって欲求が強いんですよね、あと!苛めたい!!」

「前者はいいですけど、後者は難しいですね」と笑っていた

「佐藤さん、うどんも食べ終わりましたしタバコでも吸いに行きましょうか?」

「そうですね、そうしましょう」
オフィス街にあるレストラン街でこんな会話をして昼休憩は終わった
その後、すごい面倒な仕事が舞い込むなんて2人とも思いもしていなかった

つづく