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【恋愛】常に出会いとは日常にある㉙

部長から発言をしますと言われてしまったからには
発言をしないといけなくなってしまった本当に迷惑なだけな部長だ
「今、紹介がありました二重螺旋と申します。うちの部署で発生した事故をお伝えします」
なんて言いながら事故報告を伝えいく
勿論、事故再発防止策も伝えた
そうなると必ず横やりが入る、事故防止策の詰め方が甘い等などだ
僕は、うちの部署の事故発生原因を少しでも特定をしたくて監査室室長と
以前に電話で会話をしていた、横やりが入った瞬間に
「お言葉ですが、監査室室長と電話で事故発生原因の特定を少しでもしたく
監査室室長と報告をした事故に関した事を相談にのって頂いており室長よりアドバイスを頂き
そのアドバイスを盛り込んで事故再発防止策を作成しまして、室長からもOKを頂いております」と伝えた
そうなると、執行役員・役員も何も言うことが出来ない
なにせ、監査室室長から直々のOKを貰っているからだ
僕は続けさまに「他にアドバイスが御座いましたら、お教え頂いても宜しいでしょうか?
1件でも事故を減らしたいと考えておりますので、今後の防止策に活かしたいと思います」

執行役員から、多少の意見を言われ確かにそうだな。と思った部分をメモに残した
それ以上の追求はなかった
その後は、残業がどうのこうのや、社員・パート・アルバイトの健康に対する話だった
無事に事故調査会議は終了した
うちの部長は何事もなく会議室を出ていった
僕は執行役員達に捕まり、事故を減らす姿勢が素晴らしいとか言われたが
面倒な人たちに捕まったとしか思っていなかった
やっと会議室を出ることが出来たら、他部署の部長に捕まった
また面倒な人たちに捕まってしまった
他部署の部長は「根回しの仕方がズルい」とか言われたが、そんな事はどうでもいい
僕は事故を減らしたいだけなのだから、僕が事故を減らしたい理由はいくつかある
まずは、事故が発生すると怪我もしくクライアントの所有物を破損か汚損をさせてしまうからだ
怪我だった場合は、事故発生報告書を作成しなければならない
怪我の場合でも汚損。破損の場合でも事故再発防止策を作成しなければならない
クライアントにも謝罪に行かなければならない
とりあえず面倒な仕事が増えると面倒で仕方がない
仕事の時間が事故で取られてしまい仕事が先に進まない
生産性がない仕事は僕は好きではない
面白くもない会議が終わり、やっと報告書作成に本格的に取り掛かることが出来た
従業員名簿から参加者の名前。在籍年数などを調べて
1名ずつ記載していく、仕事認識・技術面・問題点
あとは、僕が感じた客観的に感じたことを書いていった
報告書を作成をしていると何か物足りなさを感じていた

さて、この物足りなさをどう解消するべきか悩んでいたら
うちの部署内から「いってらっしゃい」と言う言葉が聞こえてきた
ん?と思いながら周りを見てみると、役員と佐藤さんが外出するところだった
僕も「いってらっしゃいまし、お気をつけて」と声をかけ
報告書とにらめっこに戻った
アレコレと付け足しては確認をして、付け足した部分を消す
何を付け足しても、物足りなさを満たす文章は出てこなかった
報告書ばかりに気を取られていると、他の仕事が疎かになってしまうから
気分転換の為に、違う仕事に取り掛かることにした
違う仕事をして事務さんにアレコレと仕事の依頼をしていく
そうこうしているとお昼の時間になってしまっていた
一人でコンビニへ買い物に出て、買い物を済ませ
休憩スペースで食事をする、久しぶりの一人でのお昼休憩だ
一人でお昼休憩をする時は、イヤホンをして音楽を流して趣味ごとの情報収集する時間だ
仕事中でも暇があれば忘れずに趣味ごとの情報収集はしている
食事も終え、情報収集も終わりボケーっとしてからタバコを吸いに出た
お昼休憩中の喫煙所は賑わっている
僕はその賑わっている喫煙所の中でも報告書の物足りなさを満たすものがあるかないかと
周りの声に聞き耳をたてていたが、僕の報告書を満たしてくれるような話し声は聞こえてこなかった
お昼休憩も終わりに近づき事務所に戻り、またもや報告書をにらめっこだ
足りない部分が満たすのが面倒になってきて、簡単な今後のスケジュール的な案をいくつか記載をして
報告書を完成させた
とりあえずの報告書は作成出来たから、本来の仕事を行う
原価計算や・売上計算などを進めていく
イスに座りながらデスクにあるモニターを眺めながら仕事をしていると無性に体を動かしくなる時がある
僕は、そんな状態になると階段を10分くらい上ったり下ったりをする
僕の中で発生したモヤモヤ解消方法だ
階段の上り下りを終えて事務所に入ると役員と佐藤さんが戻っていていた
僕が思っていたよりも早い帰りだった
役員も戻ってきたことだし、物足りない報告書でも手渡しにでも行くかと思い
報告書をプリントアウトして役員に持っていった
役員は報告書に目を通して「何か物足りないね」と一言
自分でも物足りてないのは充分に感じていた
役員から「育成に関しては、まだ詰める必要があるな。別件で話があるから時間はあるかい?」と言われた
僕は何となく、良い話ではないなと感じた
「時間はありますけど、給料が上がるなら喜んでいきますけど、それ以外なら嫌々いきますよ」と冗談交じりで返事をした
「二重螺旋、嫌々来てもらうことになるな」

「面倒な仕事は嫌ですよ、僕は好き勝手仕事をするのが好きなんですから」

「お前は変なところで察しが良いな。佐藤くん、商談室開いてる確認してくれないか?」

「わかりました、確認します」と佐藤さんはパソコンを触り商談室の予約が入っているか確認をしてから予約はないですと役員に伝えた
商談室に呼ばれる=面談に繋がる、何かをしなければ面談にはならない
正直、思い当たることが多すぎて何に対しての面談なのか自分でも分からないのが怖い
「二重螺旋、佐藤くん面談室にいいかな?」と役員
僕は役員に筆記具の必要があるか確認をしたら必要ないと言われ、手ぶらで佐藤さんの後ろについて商談室へ向かう
商談室に入ると役員が上座へ座る、商談室のドアを閉めて僕と佐藤さんは下座へ座る
数秒間、沈黙があった
役員は佐藤さんを見て、目線で話をしろと合図を送ったように感じた瞬間に
佐藤さんが沈黙を引き裂いた
「二重螺旋さんに現在のチームを外れてもらって、僕のチームに入ってもらいたいと思っています」
僕は役員に向かい「あのじゃじゃ馬チームをまとめられるのは僕だけだと思っていますが、それが思い上がりだと言われても
誰があのじゃじゃ馬チームをまとめるんですか?」
役員は「その心配をするのは君の仕事ではないし、もう担当者は決めているから」と言われてしまった
そう言われてしまえば「そうですか」としか返事が出来ない
佐藤さんが「僕のチームで一緒に仕事をしたいと役員に相談をしたのは私なんです」と言う

つづく